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バーテンダー兼、料理人兼、絵描き兼、ポテサラマシーン。あとハンサム。

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  • 酒場

    酒場や酒にまつわる物語

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エール

「何にも特別な日じゃなかとやけん。いつもどーり、いつもどーりたい。」 と、母ちゃんは朝から何度も言って、多分オレより緊張している。 ご飯と味噌汁と卵焼きに、納豆とウインナーとサラダ。 サラダ。 今だかつて朝御飯で見たことの無い、彩りも鮮やかなレタスとキュウリと真っ赤なトマトのサラダ。 意気込みが感じられる。 高校受験日の朝は、母ちゃんが言うのとは正反対の完全な「特別な日」として始まった。 サラダのせいで。 駅へ向かう田んぼ道には、何をしてるか分からない農家のお

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エール

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    花と花

    花と花

    八代の花

    八代の花

    向日葵が散って花火がくる。お城の街。

    向日葵が散って花火がくる。お城の街。

    残りの30分

    頭が真っ白になる。 ってこんな感じなんだな。 と、僕は頭で考えているから厳密には「真っ白」ではない。 「真っ白じゃないじゃん」とも考えているから、さらに「真っ白」からは遠ざかる。 なんて言ってる場合ではない。 一浪の末、二回目のセンター試験。 国語の試験の制限時間は80分で、机に置いた腕時計が無情にも知らせる残り時間は40分。 40分しかない、と言う考えはこの際捨てよう。 よくこの段階で気付いたと、自分を誉めよう。 偉いぞ、オレ。 そうそう、自分を誉めると言え

    残りの30分

    アヤとミツルと、僕の夜。 #真夜中インター

    「自己愛がプンプン匂う。キライです。君の小説。」 やっぱり平日の12時過ぎに掲示板に書き込みがある。 アヤだ。 「それそれ。オレも思った。マジで。」 数分遅れでミツルの書き込みも届く。 ほとんど毎晩続くこの儀式に、僕は溜め息で返事をして、ベッド脇に丸めた体をさらに縮める。 見ている先にあるのは、まだガラケーなどと言う不名誉なカテゴリーに投げ込まれる前の携帯電話で、安っぽい緑色に光る画面には文字ばかりが並んでいる。 25年前。 肩書きだけは大学生だった僕は、毎日

    アヤとミツルと、僕の夜。 #真夜中インター

    #もの書き100問100答 #真夜中インター

    #もの書き100問100答 需要があるかはわかりませんが、やってみました100問 では、スタート! 1.どんな作品を書いている? だいたい小説。いや、ほぼ小説。 2.どんな作品を書くのが一番好き? 酒場のお話。 3.ペンネームの由来は? 職場での役職がgm(ゼネラルマネージャー)だったから。 4.いつから創作を始めた? 書き始めたのは中学生くらいかな。 5.創作を始めたきっかけは? さて、なんだったろう。ラジオにシナリオを投稿したのがきっかけだったよ

    #もの書き100問100答 #真夜中インター

    遠吠えワンルーム           #真夜中インター

    大学に行かない大学生時代に真夜中から朝方まで、 焼酎を途中からストレートで飲みながら書いていた小説は一回のネット投稿が250文字しかできなかった。 授業では使った覚えのないレポート用紙に書きなぐった酒場の物語は、1ページを3~4回に分けて投稿しなければならず、下書きからしたら2日がかり。 ただ、時間だけは無限にあったので、僕は宛先の書かれていない手紙を出すように毎晩ボールペンを握り、その後で緑色に光る携帯の画面を睨んでいた。 i-mode。 ネットに繋がった携帯電話は

    遠吠えワンルーム           #真夜中インター

    #夏野菜塗り絵コンテスト(結果発表2)

    ※最初に気弱な断りを入れますが、保存してるのを順不同で上げますが万が一抜けてる作品がありましたら「私の無いんだけど!」をやんわりとお伝えいただければ幸いです。 塗り絵にお名前(アカウント名)は入ってますが、今回は単純にイラストの感想だけ書いてみたいと思います。 今回一番ドギモ抜かれた作品。良い意味で反則(笑) 夏野菜塗り絵だっつってんのに、野菜に一切色を付けないマイウェイっぷりにさすがの一言です。 この方はプロなので僕がいろいろ言うのはおこがましいんですが、いっつも見て

    #夏野菜塗り絵コンテスト(結果発表2)

    #夏野菜塗り絵コンテスト(結果発表1)

    6月の梅雨ど真ん中だと言うのに、熊本は晴天酷暑が続いています。 僕がボーっとしてる間に 秋の背中が見えそうです。 こんにちは「八代よかとこ物産館」gmです。 さて、何だかんだで2か月を要しました「夏野菜塗り絵コンテスト」 先日めでたく応募締め切りを迎え(まあ例によって延長はしましたが) 物産館、正面入り口横にあるディスプレイに、着々と掲示が進んでおります。 さて今回のコンテスト、お題がはりきってふたつ。 ①麦わら 勢いのままに後の事を考えずに描いてはいけないと、

    #夏野菜塗り絵コンテスト(結果発表1)

    カーネーション

    あの年の8月に、父が癌であっという間に死んじゃって。 夏の暑さと環境の変化に呆然としてたら、あれよあれよと年が明け、春がきた。 僕は11歳になった。 4月は家族が一人減ったことを時々イベントで強調してきて、小学校の行事のたんびに「いや別に普通だよ」と言う顔を努めてしてたら、理由もなく時々流れてた涙は出なくなったけど、僕が何だか普通に見えるから、ちょっと気を遣ってた周りも日常に戻り、母だけがたまに薄暗い台所で洗い物をしながら、なんとも言えない様な顔をしていた。 楽しいこと

    カーネーション

    #夏野菜塗り絵コンテスト

    さあさあ。 何とか間に合いました「夏野菜塗り絵コンテスト」 お待たせしました(と言わせてください) 今回はなんとお題がふたつ。 これでもかと描きこんだ「麦わら」と比較的シンプルにしたが故にかえって塗るのが難しくなったような「風鈴」 ルールは前回とおんなじです。 上記2つのお題のどちらか(あるいは両方)を下地にしてもらえれば、どんな改変してもらっても結構です。 また、シンプルに塗り絵だけでも勿論オーケー(そっちが主旨だし) 期間は長めに(ふたつだし)本日より5月末日

    #夏野菜塗り絵コンテスト

    「3月のキャンプ」 #呑みながら書きました

    3月は一般的にキャンプにベストな時期ではないと思う。 それは受験の結果も出揃ったあの18才の春にだって、冷静に僕はそう思ってた。 ならばなぜ、幼馴染みの就職組だった3人を無理矢理海沿いの街へのキャンプに連行したかと言えば、そりゃ暇だったからだ。 華麗なまでに一直線に、翌月からの予備校入学を決めていた僕には、近所のじーさんやばーさんに負けないくらい時間だけはあった。 時間の他には何にもないんだと、無闇に悲壮感を引きずって歩き回るのがマイブームだった。 親父の代から使っ

    「3月のキャンプ」 #呑みながら書きました