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大晦日と元旦


毎年1月2日から仕事なもので、お正月気分はあまり味わえない。

「今年もお世話になりました。来年も(明後日からだけどな)よろしくお願いします。よいお年をお迎えください(二日後には会うけどな)

同僚とお決まりの挨拶を交わし、一日だけの正月を過ごした翌日は一年で一番の忙しさに巻き込まれる。
そんな年末年始のルーティーン。

ところがこの年末年始、私は12月31日がお休みだった。
ということはですよ、なんと二連休のビッグボーナス。
うれしいじゃありませんか。

大晦日、うれしさのあまりのんびりと散歩に出かける私である。



乗蓮寺・東京大仏


まずは久しぶりにあのお方に会いに行く。

板橋は赤塚の乗蓮寺に鎮座まします大仏様。
そのご尊顔を拝みに大晦日の大仏通りをほてほてと歩く。人通りはあまりなく、ただただ穏やかな昼下がり。

本当は初詣といきたいところだが、1月1日、乗蓮寺は参拝する人々でものすごい賑わいになるので、人混みが苦手な私は今日のうちに。


黒光りした慈悲深きお姿。
ふくよかなお顔。涼しげな目元。ワイルドなパンチパーマ。半裸のお姿。
めっちゃセクシー大仏ですね(雑念だらけじゃん)



関東大震災や東京大空襲を経験した住職の発願により、天災や戦災の犠牲者を供養するとともに、そのような災いが二度と起きないようにとの願いが込められた大仏様の建立。
私の6歳の誕生日に開眼されたというのだからご縁を感じるではありませんか。

大仏様の前で手を合わせ、そっと世の中の平和を祈れば、心がどんどん澄んでいくのが感じられる。
程よき広さの境内に点在する石仏や、池を泳ぐ鯉をぼおっと眺めて過ごす穏やかな時間。
私にとって乗蓮寺は心落ち着く場所だ。

大仏様、また参りますよ。


謎の動物VSアラフィフ女

乗蓮寺を後にするも、また駅まで歩くのは大変なのでバスを待つことにする。(駅まで歩くと20分。このへんはアクセス悪すぎである)
とはいうものの大晦日の休日運行、バスはなかなかやってこないので少し歩く。

板橋区立美術館前のバス停まで来たとき。

なんだあれは……!

道路の向かい側バス停そばの売店を兼ねた待合小屋のようなところに、なにか動物らしきものが動いている……。

わりと動物好きな私は興味津々で近づいてみる。



どうも、ヤギです。


ヤギだった。

念のため言っておくと、ここは東京23区内である。

懐かしい。
子供のころ、近所のこども動物園で放し飼いのヤギに野菜くずをあげようとして取り囲まれ、野菜を強奪されたのは楽しい思い出だ。
まぎれもなくあの時と同じ、ヤギの匂いがする。

立派な角と長い髭を持つ雄と思われる白ヤギさんは、鎖で小屋の端につながれており、お腹は土で少し汚れていた。

カメラを向けると近づいてきて、首を振りながらばふぉっ!ばふぉっ!と威嚇してくる。
明らかに怒っているヤギ。
かまわずバシャっとカメラに収める私。
さらに豪快に首を振りばふぉっ!ぶわっふぉぉっ!!と怒るヤギ。

「おいコラ、テリトリーに入ってくんな!コノヤロー!」
「うるせー子供から野菜を強奪したくせに!
(濡れ衣)

ヤギVSアラフィフ女。

楽しい。楽しいな。
ぜんぜん心が通じ合ってないけど、動物ってかわいいな~。
ちなみに調べたらヤギの名前は「ばすくん」のようだ。
バスが来るまでばすくんに遊んでもらい、帰路につく。

ばすくん、また来るからね!(もう来んな!)


元旦の空に


私は元旦の東京が大好き。

ガラガラに空いた道路、冷たく澄んだ空気。
元旦の空はなんときれいな色をしていることか。
たぶん、あの澄み切ったどこまでも青い東京の空は、元旦にしか見ることのできない空だ。

元旦の東京にいると、東京の空を独り占めしたような気分になってちょっとうれしい。

さあ、1月2日は仕事始めだ。
がんばろう。








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