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マガジン

  • 摂食障害と私

    現在、うまく付き合っていけている摂食障害について。数字や薬品名など具体的な記述のあるものは有料記事としています。

  • セクシャリティ/ジェンダー

    クエスチョニングを自認する私のセクシャリティに関するコラム。関心の深いジェンダーについての論考もこちらにまとめます。

  • フランス留学記

    2020年2月~3月まで、フランスにて短期の語学留学をしてきた。その記録。思い出。

最近の記事

三流

人と関わることが苦手だ。 劣等感を覚え、責められ、怒られているように感じる。 全く自分のことを話せない。 昔より改善したとはいえ、苦手なことには変わりない。 こういうことが原因で、研究に関する一切をやめてしまいたくなることが院生時代から度々あった。 文系大学院生の方はお分かりだと思うが、教授や専門分野を同じくする人とのコミュニケーションが院生時代の苦しみと悩みの大部分をしめる(そうでない人は非常に幸運です)。 コミュニケーションが原因で、心身を病む人も少なくない。 コミュニ

    • しごとのはなし。

      三十一歳、今の今まで、正社員という雇用形態を経験したことがない。 契約社員、アルバイト、非常勤講師、などすべて非正規雇用。 なんでこういう働き方で、毎日ひーひー言っているんだ…と少し考えて分かったのだが、私は今の今まで正社員になろうとしたことが一度もなかった。 夢も希望もない状態が常。 けれど、「こうなったらいいなぁ」みたいなものはなんとなくあったように思う。今日はこの「こうなったらいいなぁ」について書いてみたい。 未来って想像の範囲内に収まるものなのだろうか。 「こうなっ

      • 選択という神話

        「自分で選んだんだ」って思ってることでも、慣れや不満によって 「やらされている」という感覚が強くなる。 選んだことなんだから、不満言わずにやれよとかそういうことではなく、 選んだんだから、その場ではそのときできる最高のパフォーマンスをしたいと思う。 仕事とか特にね。 とはいえ、自分で選べないことも山ほどある。 対人関係や体調などは自分で選択するというよりも、偶然の重なり合い。 自分で選び取った感覚がないから、どうしても納得がいかないような気になってしまうことがある。 手に

        • 叶わない夢

          大好きとかそういう言葉じゃ言い表せないほど、敬愛するアーティストがいる。 私は、彼女の歌う「今」が好きで、彼女の「今」の声と言葉が好きで、同じ時代を生きてくれて有難い。 そんな私にとって特別な存在であるCoccoさんの新しいアルバム『ビアトリス』には、「叶わない夢」という一本の芯が通っている。 「叶わない夢」と聞くと、悔しさや虚しさをなんとなく連想するかもしれない。 しかし『ビアトリス』における「叶わない夢」は、そうではない。 「叶わない夢」を抱きながら生きる強さが描かれて

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        • 摂食障害と私
          5本
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          7本
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        記事

          ボーッとしてていい社会

          私は、大変に未熟な人間なので、疲れていたり、お腹が空いたりすると性格が悪くなる。 併せて、オンオフが激しい人間のため、外で100%やりきり、家ではゼロになる。 そのため、家族への接し方に反省してばかり。 仕事や外での人付き合いでは優しさ100%、気配り100%を心がけているが、家に帰ってきたらできない。 母の声かけに「うん」とか「あー」とかしか返せない。不機嫌を表に出してしまう。 モラハラ旦那かよ…と自分で呆れてしまう。 してしまったことにはできるだけ謝罪、余裕のあるときはみ

          ボーッとしてていい社会

          人それぞれ。

          書かなくてはいけないものがあるとき、なぜだか別のものが無性に書きたくなるんじゃ。 テスト勉強しなきゃいけないのに、小説読むみたいな、そういう感じ。 我慢するものでもないだろう、ということで欲望のままに。 先日、私にフランス語の扉を開いてくれた大切な友人と水族館へ行った。 その場所には、別の人やひとりでよく足を運んでいたけれど、今回彼女と行ったことで初めて見えた景色がいくつもあった。 (彼女がたまに水槽の中の生物に話しかけていたの、可愛かった。) 同じ場所であっても一緒に行

          人それぞれ。

          生まれて死ぬまでの肉体

          おじいちゃんが死んだ。 突然、心肺停止したおじいちゃん。 人工呼吸器を父と母と私の判断で外した。 私の住む街から約450キロ離れた東の地におじいちゃんの亡骸は帰っていった。 私たちも後を追い、葬儀を行った。 全てを終えるのに一週間かかった。 久々の東の地。 前通夜もお通夜も告別式も、お寺や葬儀屋さんはもちろん、お弁当屋さんお花屋さんお菓子屋さん布団屋さん…とにかくたくさんのお店がどっと動く。 血縁者ではない地域の人も、普通にお家に入ってきてキッチンで何かを作り、居間ではお酒

          生まれて死ぬまでの肉体

          選択と課題

          年が明けて、もう一か月以上が経過した。少し、いま考えていることを書いてみたい。 まずは、仕事のこと。 「自分で選んだこと」と「強制的にやらされている」のとでは同じ行動であっても気持ちの持ちようが大きく異なる。 例えば、私の仕事の例でいうと「研究一本で食べてゆけないから仕方なく書店員をしている」というマインドで、日々の半分以上を占める接客や品出しに向かうと気持ちはどんどん下がる。 しかしながら実際、私は、自分で昨年書店員を続けることを選んだ。そのときはマイナスな気持ちだけでは

          選択と課題

          見てる世界が違うとか

          なにが「成長」だよ。 そのまま、ありのまま存在してていいじゃんか。もう頑張るとか成長するとかそういうのと無縁でいたい。 そんなのやりたい人だけ勝手にやってればいいよ。人に「成長」を強いる人にはなりたくないね。 けっ。 「救ってあげたい」だとか「良い影響を与えたい」だとか、本当にナルシストで傲慢。 私はそっちには行きません。 タイパ、コスパ、効率…、うるせえうるせえ。 あなたが「無駄」と言って切り捨てるものが、私にとっては大事なもの。 どうしようもない時間をどうしようもな

          見てる世界が違うとか

          この季節の散文

          苦手な季節の苦手な香りを胸いっぱいに吸い込んでいる。 意識していないつもり、もうちゃんとするって決めてるつもり。 それでも全身がその吸い込んだ空気を飲み込むことを拒む。 死ねなかった時間と向き合うことになる。 まだ生きている自分を無理やり納得させなければならない。 死ねなかったあの日の私が怒ってる。 ごめん、見てらんないでしょ。 くだらない杖に縋って立ってる。 でも、まだ裸足だから、これって免罪符になる? 私、信念は曲げてないつもりなんだよ。 つまらない規定にも、憎き権力に

          この季節の散文

          福豆

          私がベッドから出られなかった時期に彼はお家にやってきた。 2009年5月15日。推定5か月。 片目に大怪我を負ったまま捨てられ、保健所で一次預かりされていた彼が 不思議な縁でやってきた。 2009年、私は高校2年生。 この年から本格的に心療内科への通院が始まった。 記録魔だった当時、手帳には彼が来た日のことはもちろん、 彼が目を手術した日も書いてある。 その手帳には、私の食べたものと体重も記録されている。 私は絶賛拒食期だった。 私の心身はこの年からどんどん調子をくずして

          慣れと縁

          以前なら、どうしようって思ったことがなぜだかできるようになっていた。 突然自転車に乗れるようになったときのようだ。 きっと慣れなのだと思う。 いつのまにか私は補助輪なしで漕いでいた。 2人以上で食事に行くと、きまって落ち込む私。 人と会うとなると、なぜだか憂鬱と不安でいっぱいになる私。 よく頑張ったね。 なんか、気づいたら大丈夫になってるよ、だから大丈夫だよ。 この半年くらいは、人や環境に良い意味でも悪い意味でも翻弄された。 いつの間に広がる縁。 いつの間に停滞する縁。

          慣れと縁

          雑記

          あなたじゃないとダメだって、あなたじゃない人に抱きしめられて思うの、自分が気持ち悪すぎて泣ける。 おセンチになってる自分を俯瞰する自分がいる。 浸ってるだけじゃないの? エモくなってるだけじゃないの? って遠くから私を嘲笑う私がいる。 この悲しみを怒りをどこか嘘のように感じてしまう。 やや解離? 自分が他の人のように動いている。 不思議だ。 泣きたいのにもう涙が全然出ない。 既に私は「そもそもなんで」と、規定に怒り、自分の論を組み立てはじめている。 そもそもなんで、友達で

          懐かしくなる前に

          この世界が嫌いだ。 この世界が憎い。 ほんの些細な願いを受け入れてもらえない そんなときは全て世界のせいにする。 会いたい人と会えないのは 愛したい人を愛せないのは この世界のせいだ。 出会ったその日からお別れの日を想像する私には 目の前のことが当たり前になり過ぎる感覚が分からない。 馬鹿みたいな世界で、それでも一瞬の奇跡を抱きしめていたい。 それだけ。 それだけなのに、それだけがどうにも許されない。 なぜ傷つけ合ってしまう。 なぜ壊れてしまう。 大切にしているのに。 言葉

          懐かしくなる前に

          誰かに傷つけられたにも関わらず自分の腕を切るということ

          どう考えても10割相手が悪いとき、赤の他人から理不尽に傷つけられたとき、 私は自分の腕を刃物で傷つけていた。 今はほとんどしない。しないと決めているからだ。 けれど少し前までは、「仕方のないことなんだ」「なんなら私が悪いんだ」と言い聞かせ、自分を傷つけることでしかその出来事を飲み込めなかった。 そうすることでしかその出来事を納得させることができなかった。 そうすることでやっと生きていた。 ただ単に辛くてどうしようもなくてその行為に及ぶこともあった。 今も、そうして自分の内側

          誰かに傷つけられたにも関わらず自分の腕を切るということ

          紅茶と苺とワンピース

          貴女が乗り降りしていた寂しい駅を 貴女から遠くなった私が通り過ぎる 貴女を思い出すような本をたまたま開いていた 貴女との季節は甘いケーキと温かい紅茶 白いタイツとレースの髪飾り 苺柄のポーチと赤いハートのネックレス 甘美な世界を壊したのは私か貴女か ううん、壊れることが決まっていただけのこと 私たちはお互い、知らない世界で大人になる 飛び降りる勇気がなかったから 10年経って分かることがたくさんある 私は、もう二度とやり直せない時間を、今でも綺麗に飾りつけている い

          紅茶と苺とワンピース