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妄想

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全くの妄想です。
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記事一覧

詩)エーイチ(AI)

ある詩の会合でのことだ 話は愛をどう描くかになり 会合のメンバーは若くないのだが 僕は妻…

詩)赤光の

真っ暗な空を見る 目の前の女性を見る 貴方の前に僕は いますか 貴方はきっと 僕の心が 狼…

詩)本を読む人の美しさ

本を読む人の 美しさは 二本の指先で 本をおさえ 一本の指で ページを弾く 目線の 送られた先…

詩)夜の太陽

俺は誰にも知られないように女の乳房をまさぐる 女は狂ったように変化し 浅い沼だと思っていた…

詩)恋をしたい猫

猫は外を眺めていた 少し風のある夜 窓を開け 自分の身体に流れている血を思った 自分の血は…

詩)悲恋

なぜ という問いに 僕は答えられなかった わからないというのは綺麗すぎる わかっていた 自分…

詩)燃えるようなキス

燃えるようなキスを しませんか 鹿たちが恋人どうし 触れ合うときに交わすように お互いを見つめ合い お互いの眼の底にある お互いのコンプレックスを突き詰め じっと眼の中の真ん中にある 吐息を呑み込み 息を止め ゆっくりと上唇を近づけ 軽く噛み 含む ゆっくりと舌を入れ 離し ため息を漏らす ああゝ 体の芯をゆっくりと緩め その肩を抱き 愛撫し もう一度 唇を触れ合う 深く深く しっかりと じっくりと お互いの息を感じる 離して もう一度お互いの鼻を近づけ 息を確かめ 見つ

詩)無明

言葉が生まれる時 話しても話ても話し足りない言葉があり 湧き出す光を手で汲み取り トントン…

詩)ホムンクルス

「神奈川県藤沢市今田の下水施設「今田ポンプ場」の建物内で、生まれて間もないとみられる男児…

詩)ひとつの言葉

去る時が来て 男は自分のいた世界を振り返る この世界に生きてきたこと 何を踏み締めようとし…

詩)不合理な情熱

不意にドアがノックされる ああ君か。どうしたの、こんな時間に。なにかあったのかと心配にな…

詩)純愛

その女は背中に墨を背負っていた 暴れ龍が腰から登っていく 背負ったのはまだ二十歳のころ 羽…

詩)ほとんど無意味な呟き

彼女の存在は、まるで本の世界から抜け出してきたようだった 彼女の知識はまるで魔法のように…

詩)詩を書く

書くことは 身体から粘液が出ていくことかもしれない 例えば 好きという気持ちを 上手く言えなくて 言っても言えなくて なんだかわからない そういう時に 詩は語ってくれる 自分ではない自分が現れて 好きだと告白する 愛を語る それこそ 詩