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7インチ盤専門店雑記370「フォーカス」

昨日に引き続き、輸入盤のストック箱からの話です。オランダのフォーカスが「フォーカス3」からシングル・カットした「シルヴィア」ですが、日本で7インチ盤のシングルはリリースされているのでしょうか?これも見たことないですね。そもそも最大ヒットの「悪魔の呪文 Hocus Pocus」のシングルも超レアです。

某ヴェテランのマニアさんもウチの販売ボックスで「悪魔の呪文」を見つけて、わざわざ私のところに持ってきて「初めて見た、本当に初めて見た」と興奮気味におっしゃっていましたからね。「お買い上げですか?」と訊いたところ「今日は買わないけど、近いうちに買いにくるかも」とかおっしゃっていましたが、いまだに残ってますね。お早めにと言いたいところですが…まあ物凄い値札がついてますからね。その時も「シルヴィア」はないのかと訊かれましてね。シングル盤が存在するのやらということで「やっぱり、見たことないですよねぇ」と頷きあったものでした。…英国盤はあるんですけどね。↑

これがねぇ、またいい音で鳴るんだ。ギターが泣いているんですよ、ホント。ベースも無茶苦茶格好良いので、音圧高めの7インチ盤で聴きたい最たるものです。こういうアーティストに関して思うのですが、オランダ盤はいい音で鳴るんですかね?英国盤がやっぱりいい鳴りなんですかね?日本ではあまり人気がなかったのかもしれませんが、インパクトは大きかったですからねぇ。忘れられるものではありませんね。さらに映像で初めて観たとき、あまりに想像していたまんまの連中で、思わず笑ってしまいましたけどね。

ちなみに「悪魔の呪文 Hocus Pocus」の公式な音源は何種類かあるということを以前書きました。

また、クレイジーケンバンドのギタリストの方がアルバム・ヴァージョンとシングル・ヴァージョンの違いを細かく解説されているnoteを読んだことがあるのですが、斯様にいろいろありまして、思い切り混乱させてくれます。

ともあれ、1971年のオランダをはじめとした欧州でヒットしたヴァージョンは「Focus 2 (Moving Waves)」収録です。アルバム・ヴァージョンが6分42秒、シングル・ヴァージョンが3分12秒、米国と日本などのシングルはこれを少しアップテンポにした別録で、3分17秒です。当然ながら有名なのはこちらですね。そして「House of the King」という謎のベスト盤(オランダのEMIがシリーズものでリリースしている公式音源です)があるのですが、4分35秒の全く違うヴァージョンが収録されておりまして、まるでスタジオ・ライヴのような印象です。

そして、さらに別物らしきものがありまして…と思いきや、これは1971年の3分12秒シングル・ヴァージョンと同じ音源ですね。鳴りが違い過ぎて別物と勘違いするほどです。低音の入り方がレベル違いで、重心が二段階ほど下がって、メタリカのベーシストみたいになってますね。国内盤シングルの重低音ベースもなかなかと思っていたのですが、さすが欧州盤7インチ、アルバムとも違って、下手するとオーバーロードしてしまいそうなベース音です。こんなの聴かされたらオランダ盤というものの鳴りを試してみたくなります。ヨーロッパの人たち、結構低音出すんですね…。意外ですね。

しかし、何が違うのかうまく説明できないのですが、2010年代に多い、スマホで鳴らすことを想定したような、低音ブーストし過ぎの不快極まりない音源と違って、70年代の低音がしっかり入っている音源は聴いていて気持ちいいんですよ。繰り返し聴きたくなる音源ばかりです。これだから、アナログ趣味はやめられないんですよねぇ。

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