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7インチ盤専門店雑記278「フレディ・ローチの立ち位置」

ブルーノートの1500番台、4000番台、4100番台あたりのレコードは妙に魅力的です。有名どころのアルバムを聴いていくだけでも相当の労力を要しますが、まあ趣味の世界のはなしですから、何年かかってもいいわけで、できたら全部聴いてみたいなとは思います。欠番云々の話もありますが、再発CDも含め、1500番台はほぼ聴いておりまして、4000番台もそこそこ、4100番台はまだあまり…といったところです。もともとこの辺はアナログには拘っていないので、90年代頃に「手に入れば」程度に集めておりましたが、最近はもうアナログでとなると、相当のお値段を覚悟せねばならず、興味を失ってしまいました。

それでも、それなりに頑張って聴いておりましたから、何枚かはあります。有名どころのリー・モーガンやハンク・モブレ―やらといったいかにもブルーノートといった連中のものはむしろ揃っていて、マイナーなアーティストのものがほとんどスルーだったりします。オルガンのフレディ・ローチも「たまたまお安く売っていたから」程度の理由で買っておいて、20数年も経って「こんなんあったっけ?」などと言いながら針を下して試していたりします。

オルガンといえば、ジミー・スミスやジョン・パットンの方が馴染がありますが、それほどこだわる楽器でもありません。むしろ「もれなくついてきます」のギターの方が興味があるわけで、そうなるとグラント・グリーンやケニー・バレルが入っている盤を優先して探して…となるわけです。そしてフレディ・ローチ盤だとエディ・ライトというギタリストが弾いていたりするわけです。…やっぱり、思い切り後回しになりそうな辺りですな。

「モー・グリーンズ・プリーズ」の方は再発シリーズにものっかりまして、ケニー・バレルが半分ほど弾いているので、まだ知っている方は多いのかもしれませんね。でも「グッド・ムーヴ」の方はエディ・ライトだけですしね。ただこっちはトランペットがブルー・ミッチェル、テナー・サックスがハンク・モブレ―だったりしますから、コレクターには知れている盤でしょうか。多分自分もその2人目当てで買ったと思います。ついでに「モー・グリーン・プリーズ」もケニー・バレルが入っているなら程度なんでしょう。こっちはサックスはコンラッド・レスターなどといった、他で名前をみたことないし、Wikipediaもないし、みたいな人だったりします。

…要は、ブルーノートでは思い切りマイナーな盤というわけです。ところが、これが聴けばしっかりブルーノートだし、悪くなかったりしますから困るんです。…何も困りませんけどね。じゃあ、集めるかと思っても、情報はしっかり出てこないし、他に誰かのバックでと思っても、主役のフレディ・ローチですらアイク・ケベックが2枚、ドナルド・バードが1枚しかひっかかってきません。70年代には映画音楽の方に行ってしまい、80年に他界されたようですけど、よく分かりません。でも、ディグというほどではなくて、こういった音源をホジホジしているのが案外楽しいものなんだといったところで…。ちょいとマイナー過ぎですかね…、探さない方がいいですよ…。

いやあ、渋いなぁ…。ロックばかり聴いていると揺り戻し的にジャズが聴きたくなるんですけど、この辺はあまりジャズ、ジャズしていなくて、聴き易いんです。

ブルーノートって、4100番台とかになると、「知らね~」というアーティストがいろいろ出てきますから、ホジホジの楽しみは結構奥深いんです。ドラムスのベン・ディクソンとか、ベースのエディ・カーンとかブッチ・ウォーレンとか…。ギターだとクエンティン・ウォーレンとか…。やめときましょうね…。沼ですよ、沼。

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