見出し画像

7インチ盤専門店雑記085「ライル・メイズの音」

訳あって、ジャズのアナログではない音源にあたっております。お掃除のつもりで始めたものの面白くなってしまい、作業は遅々として捗りません。お掃除、楽しいです。

だいたいはHDDプレイヤーに取り込んであるものですが、やはりジャケットを見て思い出す音源もあります。随分前に買っておきながら失念している名盤が次々出てくるんですから、捗りませんよね。

1950年代60年代の名盤はまずCDで買い、好きなものはアナログも買うという非効率的なことをしておりましたから、ジャズのCDラックは古い音源中心です。しかし当然ながら80年代後半から90年代2000年代にリリースされたものも多く含まれております。失念している盤の多くはそういった類です。

ライル・メイズはパット・メセニー・グループのキーボーダーですが、2020年2月に他界しております。シンセの音がパット・メセニー・グループの個性となっておりましたから、彼のソロ・アルバムを聴くと、「あんたの音だったのか」と思わされること数多、惜しいです。もっともっといい作品が作れたという気がしております。

ヘッダー写真の「Fictionary」は、1993年リリースで、マーク・ジョンソンとジャック・デジョネットという、なかなかに凄い2人と作った盤です。マーク・ジョンソンは、ビル・エヴァンス・トリオの最後のベーシストです。イリアーヌのダンナさんですね。言うまでもなく、もの凄いテクニックです。そして、ジャック・デジョネット、ジャズ界の重鎮ドラマーの一人ですな。

そう、ここではジャズやってるんです。しかも1曲目のタイトルは「ビル・エヴァンス」、マーク・ジョンソンを引っ張り出した理由はこれですかね。ライル・メイズってシンセ奏者というイメージが強いですけど、ソロはピアノで弾きますからねぇ。あらためて、ピアニストとしての自己主張をもっとしてもよかったのではと思いますね。

1988年の「ストリート・ドリームス」、この盤も好きでよく聴きました。でも印象は薄いですかね。1986年の「Lyle Mays」はアナログで買いましたから、こちらの方が最近も聴いているので、インプレッシヴです。でもね、まんま、パット・メセニー・グループの音とも言えます。

最も好きなのは、パット・メセニーと連盟でリリースした「As Falls Wichita, So Falls Wichita Falls」ですけどね。CDも紙ジャケCDも、そして当然ながらアナログ盤も持ってますけど、もう大好きな盤です。爆発音等のSEも入っていますから、カフェで流すには気を遣いますが、とにかく心が浄化されます。前向きにもなれます。必携盤というヤツです。アナログ盤、最近はずっと壁面ですけどね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?