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7インチ盤専門店雑記399「キング・クリムゾンの7インチ」

7インチ盤専門店をやっていると、普通にLPを扱っているのとは大きな違いを感じるアーティストがいくつかあります。ジャズ系はそもそも「7インチ盤があるのか?」と言われるほどに縁遠いものですが、それ故に好きな曲の7インチ盤を見つけたりすると面白いもので、そこそこ楽しめております。そして、プログレ系も7インチ盤の世界では辺境の端に位置するとでも申しましょうか、とにかく盤が非常に少ないわけです。…長尺曲が多いですからね。

プログレと言っても、ジェネシスはシングル・ヒットが結構ありますし、80sイエスも結構玉数が出回っております。このあたりはいいんですよ。「ロンリー・ハート」はウチでは廉価盤ボックスに入れるほど余剰在庫があるようなものです。一方で人気曲「ラウンドアバウト」は猛烈に高値で取引されておりますけどね…。ものによりますね。ピンク・フロイドのように、70年代はほぼシングル・カットなしという場合もありまして、斯様にプログレは7インチ盤の世界では話題にし難いジャンルです。

先日、キング・クリムゾン好きな方がご来店くださいまして、何枚か購入してくださいました。有り難や、有り難や…。だってキング・クリムゾン関連の7インチ盤は少ないでしょう。まあ、キング・クリムゾンに在籍していたボズ・バレルがベースを弾いているバッド・カンパニーあたりは結構ありますけどね。ジョン・ウェットン関連はエイジアをはじめ、結構ありますかね。…ベーシストから攻めますか…。ギタリスト、エイドリアン・ブリューも7インチ盤はいくつか人気アイテムがありますな…。しかしレアですね。そして、キング・クリムゾン好きが求めているのは、その辺ではないでしょう。キング・クリムゾン関連と言うより、ロバート・フリップ関連と言った方がいいのかもと思いますが、いかがなものでしょうか…。

ヘッダー写真の「クリムゾン・キングの宮殿」、当店でも最高レベルの高額盤ですが、これは存在もよく知られている有名盤です。オークションでも時々出ている程度に見かけることもある盤です。…でも、これはプログレとか聴く人間ならマスト・アイテムとでも申しましょうか、やはり売りたくない度高めですから、お値段は高くなってしまいます。これはただの宣伝です。

問題は、ベスト盤「ヤング・パーソンズ・ガイド・トゥ・キング・クリムゾン」からカットされたシングルあたりですかね…。あるんですよ、ヘンなのが。…だって、「エピタフ」なんて8分52秒もあるのに、45回転ですよ。B面は「21世紀の精神異常者」ですぜ…。極細溝ですが、問題なく鳴ります。ちょいと面白いでしょ。いろいろな意味で研究し甲斐のある盤でして、売りボックスには出してませんけどね。ここのところ、いっぱい売れたので、そろそろ出しますかね…。

「何のためにnoteを書くのか?」と言われたんですけどね。当然私個人にとっては、お店の宣伝も兼ねておりますから、どんな商品を扱っているか紹介するという目的が大きいですよね。加えて、店の傾向やカラーの提示、7インチ盤の楽しみ方の提示など、そしてオーディオ趣味的な部分の発露など微妙にニュアンスの異なる文章も時々書きますね。そして7インチ盤を求めている方と言うよりは、ジンジャーに集まってくる常連さんたちの共通の話題(と勝手に思っている)、「懐かしい」という感覚の追求だったりもします。オリジナル志向が強くないのも、国内盤のスリーブ付きがやはり懐かしいと感じる度合が高いからなんですけどね。音質を追究するなら国内盤に拘るべきではないでしょうね。

まあ、そんな7インチ盤専門店をやっているヤツが書く文章ですから、ウケ狙いでもないですし、実用的なデータベースでもありません。ただ単に書き散らかしているだけです。…でもアウトプットは大事だと考えていますから、ご興味ありませんでしたらスルーしていただいて、「ワケのわからんヤツがおるな…」でいいでしょう。一生学び、一生インプットみたいな方もいらっしゃいますが、アウトプットが無いのはいかがなものかという考えの人間ですから、アウトプットしまくりです。高山的アウトプットの結晶がジンジャーでしょうから、このnoteの文章は、ヤング・パーソンズ・ガイド・トゥ・ジンジャーということでいかがでしょう。…若い方がいらっしゃっても困惑するかもしれませんけどね。


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