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さらまわしネタ帳120 - やさしい世界

自分の場合、本とアナログレコードがいっぱいあるカフェをやっていて、ついでにローカル・カルチャーに関する情報発信みたいなこともやっているわけです。音楽的な側面では中央エフエムの音楽番組のパーソナリティもやらせていただいているわけです。

とにかくハコがあるわけです。コロナ前は音楽に関するトークイベントを頻繁に開催して、イベント・スペースとしてハコを有効活用していたわけです。それがコロナ禍のせいで人を集めるなということになって、ハコの有効活用は根本から否定されることになってしまいました。コロナが始まって直ぐに業態転換しないといけないと考え、遊び半分でやっていたレコードの販売をウェブ通販方面に拡充しました。合わせてNoteで文章を発信することも精力的に始めましたから、今の業態でまだ続けていられると思っています。通販サイトの情報を満足に更新できていないのが心残りですが、まあやるべきことは頑張ってやっているつもりです。

昨日、税理士さんとZoomミーティングをしまして、7月末の決算に向けてのすり合わせをしまして、要は見たくもない数字を突き付けられたわけです。もちろん大赤字です。支援金でなんとか持ちこたえているのは、程度の差こそあれ、どこの飲食店も同じでしょう。とにかく粗利がそっくり人件費に消える程度まで売上が落ち込んでいますから、そろそろ真剣に考えないとまずいなあとは思います。

でもねぇ、今やっていることは現在62歳の自分にとって、老後の楽しみという側面もあるわけです。少々の持ち出しがあっても、趣味の出費と考えれば大騒ぎすることでもなくて、楽しめているか否かが重要な点なんです。相変わらず人気の清澄白河エリアで「そろそろ古株」などと言われ始めたわけで、2年後になる次の賃貸契約の更新時には値上げされることは当然と考えるべきでしょう。2年後は64歳、もうすぐ年金の支給開始年齢の65歳になろうという人間が、どこまで本腰を入れて遊び続けるかという話になるわけでして、まあその時の社会情勢に鑑みてということになりますよね。

コロナに振り回される状況が続いているのなら、終わりにすることも考えますよ。だれか引き継いでくれれば、ランチタイムの常連さんは結構ついている店ですから、まるまる新規のスタートよりもかなり有利に新店舗運営が始められます。そういった考えを持っている人間を探すことも始めないといけませんかね。

ただ、どうしても、もう一つの特徴がありまして、自分の前職は地元の役所に勤めていたということです。ただ役人臭の強いカフェなんてあまり気乗りしませんから、あまり役所との協力体制構築は積極的ではないんです。音楽関連では、文化センターのレコード講座の講師も仰せつかってますが、…これも報酬は安いし、効率が悪いので、あまりやりたくないんですけどね…。それ以外はあまり考えたくはないのですが、まあ自分がやりたいことだけ、細々とやっております。

そんなところに児童相談所に関わりの深い元同僚から紹介され、養育院の方がいらっしゃいまして、チラシを置くことになりました。里親募集や説明会、相談会、出前講座などの紹介チラシです。「里親募集」なんて書かれていると、犬猫の里親かと勘違いされそうですが、人間のはなしです。役所や児相の会議室みたいなところでマッチング・イベントをやっても緊張感が高くなるでしょうから、カフェみたいなところでできればと考えるのは当然の流れ、元役人がやっているカフェがあるとなれば、使えないかなと考える方が自然でしょう。もちろん、協力はしますとも…。

前職では、殺人者的なDVの加害者と対峙することや、無戸籍児の親御さんと体力が尽きるまで怒鳴りあったりしたこともあって、どうも家庭問題に関しては戦う姿勢になってしまうのですが、こういったチラシをみる限り、困っている子たちに手を差し伸べてあげられたらいいなという、実にやさしい世界の話なんです。どうも身構えてしまう自分がいる一方で、「大事な事業だな、いい仕事をしているな」とも考えているわけです。これまでの経験が、どうにも冷めた人格のジジイを形成してしまいましたから、ぎこちないかもしれませんけどね。不二家はこういった事業に協力しているんですね。…いいですね。

コロナ禍の一方で、戦争をしている国もある殺伐とした世の中、宗教団体絡みか何か知りませんけど元首相経験者が銃撃されて亡くなるような時代に、困っている子どもを少しでも笑顔にしてあげられればというのは、やりがいのあるお仕事でしょう。ウチのハコが、少しでもお役に立てるのであればいいんですけどね。


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