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7インチ盤専門店雑記483「久々のライ・クーダー」

先週あたりから、note界隈はライ・クーダーのCMソングで盛り上がっておりましたので、普段はあまり聴かないライ・クーダーのレコードを引っ張り出してきて、針を下ろしてみました。…70年代のスタジオ録音を中心に昔はよく聴いたのですが、最近ライ・クーダーはあまり聴いておりません。何でかと言うと、ノース・ミシシッピー・オールスターズを知ってから、この手の音楽に関してはルーサー・ディッキンソン周辺の音源の方が面白くなってしまったからという理由が大きいでしょう。もう一つ、ジョン・クリアリーにハマったからというのもありますかね。…比べるものじゃありませんけどね。

ただ、ライ・クーダーの音源に関しては、有名盤を中心にジム・ディッキンソンがキーボードを弾いているわけで、ルーサー・ディッキンソンが尊敬してやまない御父上が参加したものよりも面白いのかという部分では、説明しづらい面もあります。

ライ・クーダーは世界中の民族色が強い音楽を取り入れたりしているので、どうも散漫なんですよね。その点、ルーサー君はミシシッピー・デルタやノース・ミシシッピーのヒル・カントリー・ブルースあたりを深堀りしているわけで、自分の好みに近いのでしょう。ノース・ミシシッピー・オールスターズやブラック・クロウズでの活動や、コラボするサマンサ・フィッシュやコリン・リンデン等の音源がさらに自分好みだったりするのが面白くていけないわけです。

ジャムバンド的にやっているライヴ動画などを観ると、一緒にやっているのがオールマン関連、デレク・トラックスだったりするわけで、やはり大好きなウォーレン・ヘインズ周辺~ガヴァメント・ミュールも含め、この20年ほどは思い切りハマっておりましてね。…ま、その結果、というわけです。

さて、CMソング関連で聴いたのは「The Slide Area」ですが、これ ↑ は米国盤、曲数が少ないかわりに生々しい音質です。ザラッとした手触りのようなリアリティが魅力です。国内盤 ↓ の方が2曲多いのですが、これがロンサムカーボーイのCMソングですね。この「Across The Borderline」で聴き比べができるわけではないので、音質の違いがどうのという話も無意味ですが、そういうことも含め、やはり7インチ・シングルがオススメです。

「Across〜」はずいぶん売れました

合わせて話題になっていた映画「クロスロード」のサントラも久々に聴きました。この盤はやたらと評価が高い70年代よりも聴きやすくて、随分いっぱい聴いた大好きな盤です。選曲に関して、「クロスロード」以外はロバート・ジョンソンの曲を取り上げていないあたりに、研究者的スタンスを持ったライ・クーダーのプライドのようなものを感じてしまいます。コマーシャリズムの中でも襟をただし、真摯な姿勢を崩さないところはさすがです。

やはりこれはアナログレコードで聴くべき音源です。空間的な音の拡がり方が魅力的です。


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