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7インチ盤専門店雑記529「ブラック・ミュージックのLP」

ブラック・ミュージックはお好きですか?私個人は元々70sソウルが洋楽の入口ですから、好きは好きです。…最近はあまり聴きませんけどね。来月のトークイベントのお題が「ブラック・ミュージック」でして、常連さんからのリクエスト企画です。今月は「産業ロックの魅力2イギリス編」ですが、イベント当日に次回のご案内をしますから、それまでにスタッフ君と日程調整し、チラシも作らないといけません。毎度チラシに写っているレコードをかけるわけではなく、イメージですということになっておりますが、イメージであれどの辺りのアーティストが対象となるかは確定しないといけません。従ってそろそろ次次回の内容を決めるタイミングなのです。

母親がサンタナとWARが好きで家にレコードがあったものですから、その辺が入口とも言えますが、小学校4年生で洋楽が好きになった原体験として「ソウル・トゥ・ソウル」というラジオ番組が好きでしたから、先といえば先があるんです。そのせいでもないでしょうが、ブラック・ミュージックに関しては、二重人格的にLPで聴くものと、ラジオから流れていたシングル曲とで別の趣味嗜好を持っておりました。ブラック系のLPを買い集めたのは金銭的に余裕が出てからですから、リアルタイムではありません。結局のところ、シングル曲の方が思い入れが強いわけです。

マーヴィン・ゲイの大名盤「What's Going On」もリアルタイムで買ったものではありません。シングルも結構早めに入手しましたが、売れてしまって手元にはありません。この辺が典型例かと思いますが、「みんな大好きホワッツ・ゴーイング・オン」的なところがあって、お店でもリクエストはかなりの頻度で入ります。ジャンル云々ではなく、アナログレコードを聴かせるような店をやっていて、「無い」とは言えない盤ですね。

ダニー・ハサウェイの「LIVE」も同様ですね。リクエスト数でいけば、ウチでも最多かもしれません。これは「売ってくれ」と言われますが、「最低でも2万円以上はしますよ。28,000円くらいかなぁ。」といったところです。無いとは言えませんからね。シングル・ヒットという切り口では全く縁がないダニー・ハサウェイですから、本音ベースで選曲すると、3時間イベントのセットリストから外れるかもしれません。

ヘッダー写真のカーティス・メイフィールドやルーファスといったアーティストの7インチ・シングルは非常に玉数が少なく、あっても状態が悪いか猛烈な高額盤となってしまいます。特にルーファスの初期は見かけませんねー。「Tell Me Something Good」なんか7インチ・シングルがLPより高いかもしれません。LPはフツーに入手可能ですからね。

LPでもシングルの世界でも不動の人気を誇るスティーヴィー・ワンダー、玉数が豊富なので有り難いです。とにかくよく売れるんです。ヒット曲がどれも魅力的です。揃えておきたい気になる代表です。割と早くに7インチ・シングルのコレクションを始めましたが、集めてみると「迷信 Superstition」や「悪夢 You Haven't Done Nothin'」のように玉数が豊富な盤がある一方で、「ハイヤー・グラウンド」のように自分が買った盤以外は見たこともないような曲もあります。LPは玉数豊富ですが、お安くはならないですね。状態がいいLPは減ってきた印象がありますので、そろそろ意識して買っておくべきなのかもと考えております。

猛烈な好き者が集まってくるレコ屋をやりながら、個人的な趣味で買い集めたレコードは、売りたくない度でお値段が決まります。簡単に手に入るものに高い値段を付けたところで売れるわけはありません。当然ながら入手困難度でお値段は左右されます。ヒットしたから玉数が豊富かというとそうでもないわけで、50年以上もレコード趣味を続けているのは、手に入らない盤を探し続けているだけとも言えます。そろそろ終わりにしないといけないようですけどね。

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