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7インチ盤専門店雑記412「ブラウン・シュガー」

ローリング・ストーンズの名曲「ブラウン・シュガー」の7インチ・シングルはスリーヴが3種類ありまして、ハンモック・スリーヴと呼ばれる赤いもの(ヘッダー写真)と、「スティッキー・フィンガーズ」のアルバムで前を隠している白いもの(↓)、それから80年代のベスト盤リリース時のものになります。

本国は1971年4月16日にリリースされましたが、日本では5月25日にまずハンモック・スリーヴで発売されたようです。その後本国と同様のインターナショナル盤の写真に合わせたようですね。ちなみにアルバム「スティッキー・フィンガーズ」は4月23日発売でした。

Amazonさんから画像をお借りしました

世界同時リリースになって久しいですから、随分なタイムラグのように感じますが、70年代は2ヶ月遅れなどというものもフツーにありまして、珍しいことではありません。でもローリング・ストーンズがローリング・ストーンズ・レコードからリリースした第一弾ですから、これでも急いだんですかね…。日本国内ではワーナー・パイオニアが販売権を獲得するわけで、その辺がまた急いでまず日本独自のハンモック・スリーヴで発売してしまう原因にもなったのでしょうか。

面白いのが、レーベル面に書いてある販社の英語表記がまだ違っているんです。ワーナー・ミュージック・ジャパンのサイトを見ると、まず1970年にワーナー・ブラザーズ・パイオニア株式会社が設立され、1972年にワーナー・パイオニア株式会社に社名変更しています。71年5月リリースの「ブラウン・シュガー」のレーベルはこれでいいのでしょう。

ちなみに「アンジー」とかは当然ながら「Warner-Pioneer」となっております。

ひょっとして、社名変更したタイミングでスリーヴを差し替えたのかとも思ったのですが、どうも二つ折りスリーヴの内側は全く同じということで、ワーナー・ブラザーズ・パイオニア株式会社の時代に両方とも出ているようです。海外盤の時代考証に本社住所の違いなどを見るという話は聞いたことがありますが、ワーナー・ブラザーズ・パイオニア時代のレーベルでどうのという話はあるのでしょうか?…そこまで謎的なものでもありませんかね。

レコ屋的には相場が気になるわけですが、これまで述べてきたように、ハンモックの方が先にリリースされたものですから、こちらの方が高価ということになりますね。手元にはハンモックが2枚あるんですけど、マトリクスを見ると、「1-A-1」と「1-A-3」ですから、ハンモックが初期盤と言って間違いなさそうです。ただ不思議なことに、私個人はハンモックしか見たことがありません。両方結構な数が流通しているようなのですが、めぐり合わせというヤツですかね。白い方のマトをチェックしてみたいのですが、初期盤でないと言われるものを、高い値段で購入する気にはなりません。さすがにマトも若いだけあって、ハンモックの2枚、いい音で鳴ります。

ついでにあまり話題にならないので再度書いておきますが、2015年にリリースされた「スティッキー・フィンガーズ・デラックス・エディション 」に収録されている「ブラウン・シュガー ウィズ・エリック・クラプトン」、演奏者のクレジットを見ると、ギタリストが4人おります。キース・リチャーズ、ミック・テイラー、エリック・クラプトン、そしてアル・クーパー!!!エリック・クラプトンに話題が集中して、アル・クーパーの存在がスルーされてしまったようなのですが、いったい誰がどの部分を弾いているんでしょう。


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