見出し画像

7インチ盤専門店雑記446「音楽好きのかたち」

いろいろなタイプの音楽好きがいらっしゃるもので、最近認識を新たにしております。「自分自身のことを棚に上げて、そういうことを言うか」と言われそうですが、自分自身も間違いなく音楽好きの一種であることは分かります。しかもアナログレコードが好きという、比較的分かり易い音楽好きです。ただ音楽を聴くために店をつくり、飲食を提供しながら様々な情報発信をしている現状の活動形態は普通ではないかもという程度にも理解しております。

先般、某ラジオ番組に出演しているレコード店経営者の方が「音楽は聴くもの、レコードは集めるもの」と言い切っておりまして、面白いなぁと思う反面、そういう目で見られているのかな?という疑問も少々湧きました。「自分とは音楽好きのかたちが違うんだろうな」といったことを考えるきっかけにもなりました。

ここのところ、ラジオ界のレジェンドにお会いしたり、オーディオメーカーの方とお話ししたり、noteで繋がっている純粋な音楽好きさんとお会いしたりして、「音楽好きにはいろいろなかたちがある」ということに納得しております。…だって「生き方」と言えるレベルでの音楽好きさんたちですからね。

自分は、サブスクだの配信だのといった世の中でもアナログレコードに拘っているので、やはり物欲の延長線上の性向がそうさせていると思います。生き方ではなく性格レベルなわけで、生き方をリアルに示していらっしゃる皆さんは凄いなと思うわけです。

ただし、自分はレコ屋もやっておりますから、正直さほど好きでもないレコードも(売れそうかなと思って)買うわけです。先般の50s-60sイベントで使ったレコードなどは、自分が生まれる前のものも多く、愛着も薄いわけですが、経過した時間から考えて頗る状態がいいと思われるものを買い集めておいたわけです。結果的に何十年もかけてやっているわけで、…この辺りの行動は、自分でも好き者だなとは思います。

先述の通り、まあ、いろいろなタイプの音楽好きさんがいらっしゃるわけです。不特定多数のリスナーに「コレいいぞ」とおススメすることに膨大なエネルギーを注入している方だったり、少しでもいい音が聴きたいという欲求に突き動かされ、それが仕事にもなっていたり、まあフツー以上の知識を身につけていらっしゃる方も多くいらっしゃいます。

結局自分の身の周りで、そういったいろいろなかたちの音楽好きさんが交差するわけですよ。一枚のアルバムについて、時代背景を語る方も、使用楽器を語る方も、もちろん音質について語る方もいらっしゃいます。演奏についても話題になります。こちらは盤の相場などという下世話な返しまで用意しております。だいたいはレコ屋としての立場を忘れて、アレコレ切り返して楽しんでおります。

そんなわけで、…どんなわけかよく分かりませんが、ウチのお店GINGER.TOKYOでレコードにまつわるアレコレを語ったりしてご贔屓にしてくださるオーディオテクニカさんのオウンドメディアにウチが登場しているようなので、リンクを貼っておきます。こちらにしてみれば、よく遊びにくる…と書きそうになったのですが、あちらにすればお仕事でしたね。失礼しました。

でもねぇ、音楽関連業界で仕事をするというのは、楽しんでナンボ、だと思います。この文章を書いていらっしゃる円盤好子さんも相当レコードがお好きなようで、…実はそこがイチバン大事なことだとも思うんですけどね。「好き」を仕事にできるのはやはり幸せなことですし、それが伝わるからこそ、他の人も巻き込める=ビジネスにも繋がるように思います。こういう若い方には是非とも頑張って欲しいものです。こちらとしては、レコードをお安く提供するくらいしか応援できる術もありませんが、ある意味、勝手連の応援態勢でお迎えしております。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?