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7インチ盤専門店雑記525「Supertramp」

朝食ネタでは絶対に名前が出るスーパートランプですが、確かに大ヒットでしたね。ジャケットのオバちゃんが来日してプロモーション活動をしていたこともありました。何はともあれ、1979年リリースの6thアルバム「ブレックファスト・イン・アメリカ」で語られてしまいます。シングル・カットは4曲、いずれも名曲でしたからね。個人的にはこの連中を知るに至った「Give A Little Bit」がこのアルバムの収録曲ではなかったことが凄く残念でした。結局後々全部買うことになりますけどね。

良くも悪くもアメリカ的ではない部分の魅力をどう捉えるかでしょう。非常に知的な雰囲気が容貌にも歌詞にも溢れており、アメリカで売る気は全くないと思わせる地味〜な服装も含め、ヴェリー・イングリッシュな連中です。ところが、結構アメリカでも売れてしまったから難しいことになるんですけどね。ピンク・フロイドやジェネシスもそうですが、80年代のアメリカでは大衆化したプログレが大ウケでしたからね。

イエスからジョン・アンダーソンが一時的に脱退した時に、ロジャー・ホジソンが加入する話が持ちあがります。声が高いですからね。ロジャー・ホジソンはスーパートランプから脱退し、セッションまで行います。その後ジョン・アンダーソンが復帰し、ロジャー・ホジソンはソロ活動に入ることになります。結局、その後もリック・デイヴィスを中心に活動を続けたスーパートランプも、ソロのロジャー・ホジソンも大したヒットは無く、現在に至ります。

ロジャー・ホジソンはグレッグ・レイクとともにリンゴ・スターのオール・スター・バンドに参加したりして楽しませてくれましたけどね(↑)。エイジアあたりを中心としたイエスやELP関連人脈はガラガラポン的に人的交流がありましたが、実はほんのチョットだけ、関わっていたりするんですね。↑この動画で観られるように、他にはイアン・ハンター、ハワード・ジョーンズ、シーラ・Eといった顔ぶれです。イエスの1994年のアルバム「Talk」に、少しだけロジャー・ホジソンの影が見え隠れしています。それから余談ですが、ジョン・ウェットンと仲良しのギタリスト&ソングライター、リチャード・パーマー=ジェームスは売れ始める前のスーパートランプに在籍していた人ですね。「太陽と戦慄」や「レッド」あたりで歌詞を書いていたりするので、キング・クリムゾン人脈でしか語られませんが、ここにも人的交流がありました。

5月のイベントのテーマは「産業ロック2イギリス編」ですが、プログレの大衆化というテーマに差し替えたくなってしまいますね。イベントではスーパートランプにも一定の時間を割く予定です。プレイリストはどうしましょうかね?時間の経過とともに、「ブレックファスト・イン・アメリカ」一発だったように誤解されていそうなこのバンドをご紹介するからには、その前、1974年「Crime Of The Century」(英国4位、米国38位)、1975年「Crisis? What Crisis?」(英国20位、米国44位)、1977年「Even In The Quietest Moments… 」(英国12位、米国16位)あたりからもかけたいところです。大好きな「School」「Give A Little Bit」あたりが、個人的にはマストなんですけどね。かける時間がありますかねぇ…。

そういえば、ベーシストのダギー・トムソンは、アイドル的に80年頃に売れていたアリ・トムソンのお兄ちゃんですね。アリ君の「テイク・ア・リトル・リズム」という曲、結構売れていましたね。


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