【河川砂防専門キーワード】総力戦で挑む防災・減災プロジェクト

「総力戦で挑む防災・減災プロジェクト」とは・・・?

近年、激甚化する災害状況を鑑み、災害から国民の命と暮らしを守るために必要な「抜本的かつ総合的な防災・減災対策」の確立を目指すために立ち上げられたプロジェクト

プロジェクトでは「いのちとくらしをまもる防災減災」をスローガンに、令和2年夏までに、国民の皆様の視点に立った、分かりやすい防災・減災対策をとりまとめる予定

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なお、このプロジェクトは以下の対策本部によって推進されている

防災・減災対策本部

今後、気候変動の影響により、水災害のさらなる頻発化・激甚化が懸念される中、国民の安全・安心を守り、国土強靭化等のさらなる強化が必要である。

こうした状況を踏まえ、地震災害や水災害、火山災害など、あらゆる自然災害に対し、国道交通省が総力を挙げて防災・減災に取り組むべく設置されたもの。

令和2年1月21日に「南海トラフ巨大地震・首都直下地震対策本部」と「水災害に関する防災・減災対策本部」を発展的に統合し、設置された。

この本部最新第二回の会議資料について主な項目を以下にあげる

1.防災・減災が主流となる社会の必要性

激甚化・頻発化する水災害と切迫化する地震災害

我が国は河川が急勾配であるとともに、都市部においてゼロメートル地帯が存在しており、巨大地震の切迫が懸念されるなど、脆弱な国土条件にある。

また、氾濫危険水位を超過した河川数が2014年比で約5倍になるなど、気候変動による影響が顕著化している。

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我が国の国土の脆弱性

我が国は
・災害リスクの高い地域への人口、機能の集中
・人口規模の小さい市町村の行政コストの増加
・大都市圏における高齢者単身世帯の増加
等の理由から、防災力の低下が懸念される。

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近年の自然災害被害と教訓・反省

近年、毎年のように全国各地で自然災害が頻発し、甚大な被害が発生していることから、これまでの施策では対応しきれない新たな課題が明らかとなった。

【新たな課題】
・上下流で連携したハード整備が途上であるため、複数の河川で氾濫が発生
・ハザードマップが活用されていないことから、大雨特別警報解除後に氾濫が発生した際の避難行動に影響があった
・河川橋梁が流出し、地域交通に甚大な影響が発生

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新型コロナウイルス感染症下における防災・減災の必要性

〇感染症下で災害が発生した場合、インフラ機能の停止のみならず、医療機関や自治体の機能喪失も懸念され、我が国に大きな危機をもたらすおそれがある。

〇感染症克服と経済活性化の両立と目指す上で、災害リスクに対する脆弱性を克服することは、待ったなしの課題

〇災害リスクに対し、強靭な経済社会構造を構築するための取組みを、強力かつ迅速に講じていく必要がある。

上記課題解決のためには、抜本的かつ総合的な防災・減災対策を早急に講じ、防災・減災が主流となる社会を構築することが必要不可欠である。


2.防災・減災が主流となる社会が目指すもの

防災・減災が主流となる社会とは・・・?

災害から国民の命と暮らしを守るため、行政、民間企業、国民が、意識・行動・仕組みに防災・減災を考慮することが当たり前となる社会

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防災・減災が主流となる社会実現に向けた対策の基本的な考え方

○国民目線
⇨国民・市民との防災リスクに関する危機意識についてより一層の共有・発信
⇨行政が行う防災対策を分かりやすいものへ転換

〇手段・主体・時間軸 3つの総力

【手段】
⇒河川、流域貯留施設等の整備
⇒浸水リスクを考慮した土地利用規制・誘導等
を組み合わせたハード・ソフト一体の、総合的な水害対策

【主体】
⇒企業・住民による主体的な防災対策の充実・強化
⇒国、地方自治体の河川、道路、港湾、鉄道等の分野別の取組連携強化

【時間軸】
平時から非常時、復旧・復興時を想定した事前防災対策
⇒空き地対策、地籍調査の迅速化
⇒交通ネットワーク、道路啓開対策(無電柱化等)

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3.総力戦で挑む防災減災プロジェクト

3-1.あらゆる関係者により流域全体で行う「流域治水」への変換

は以下の記事で詳しく解説しています。

3-2.気候変動の影響を反映した治水計画等への見直し

【課題と対策】

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計画・設計基準の見直し
これまで⇒過去の降雨実績や潮位に基づき設定
これから⇒気候変動による降雨量の増加、潮位上昇を考慮
 (2°上昇で洪水発生頻度2倍等)

抜本的対策
流域治水、ハード・ソフト一体の対策等

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3-3.災害時に向けた平時の事前対策

ハード対策
道路ネットワーク強化無電柱化等、災害時の迅速な復旧・復興のため対策
⇒災害リスクを軽減するためのインフラ老朽化対策
避難エリアや避難時間を考慮した、避難タワーの整備
⇒災害リスク対象を軽減する、住居の移転促進、土地利用抑制、高台まちづくり

ソフト対策
⇒マイ・タイムライン
による実効性のある避難体制の確保、自発的な避難行動促進(自助・共助意識の向上)
⇒防災・減災を支える担い手確保(建設キャリアップシステム、生産性向上、魅力度向上)
防災教育の推進や、不動産取引時の水害リスク説明等、国民の防災・減災意識を根付かせる取り組み

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3-4.わかりやすい情報の発信

【課題と対策】

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注意喚起
SNSやメディアを利用したによる大雨特別警報と氾濫警戒情報の適切な情報発信

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災害リスク情報の3D表示
⇒浸水リスク等の視覚的にわかりやすい情報の発信
⇒3次元データを活用したスマートシティを実現

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用語の伝達手法の工夫・改善
⇒高齢者や障がい者等の災害弱者に対する確実な警報等の推進(視覚的に理解可能である津波フラッグ等)
⇒災害や地名に予備知識のない、外国人旅行者等に向けた確実な情報発信
⇒水害、土砂災害に関する用語の分かりやすい表現

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なお、以上に記載した資料は以下からの抜粋です。



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