辺境の魔導士

カムイミンタラに住む老獪な魔導士。専門は特殊教育臨床心理学(特別支援教育は専門外)と認…

辺境の魔導士

カムイミンタラに住む老獪な魔導士。専門は特殊教育臨床心理学(特別支援教育は専門外)と認知心理学。「日常」と「ギフテッド臨床研究」と異世界ファンタジー「諸刃の剣を持つギフテッド転生して邪教に挑む」をタラタラ書いていきます。

最近の記事

情報処理障害は・・・ワーキングメモリの機能不全・・・注意とバインドの弱さ

 今年の秋は愛媛の精神医学家系の学会に参戦することにした。以前沖縄に出かけたが寒かった印象が。今回は道後温泉ではないが温泉のあるホテルをとることができた。のんびり・・・いやいやしっかり学んできましょう。 ◆◆◇◇◆◆◇◇◆◆  講義の質問で聴覚情報処理障害:APD(auditory processing disorder)の質問があった。Google先生は「聴力は充分にあって可聴音は聞こえているものの、脳に機能障害が存在するために、特定の条件での聞こえにくさを呈したり、聞こ

    • ウェクスラー検査の「ASD(自閉症)」の位置付けの変遷とか下位検査「理解」を考える

      11日はボスの講演を聴きに行った。主催はS.E.N.S(特別支援教育士)の会北海道支部会の会北海道支部会。一応,S.E.N.Sスパーバイザーの資格は持っているのだが,ペーパー支援士。本に専門が特別支援教育と書かれていて違和感が🫣 敷居が高かったのだが,ここは弟子として聴き行かねばと出かけた。    ボスのテーマは,「北海道の特別支援教育~支援とは何か~」・・・支援と援助はもう少し深く聴きたかったな。  30分後にはギフ寺があるのでダッシュで移動。 ◆◆◇◇◆◆◇◇◆◆ 二つ

      • ウェクスラー検査の理論解釈マニュアル臨床群における「知的ギフテッド」定義の変遷

        G Wも残すところあとわずか。ダラダラと過ごしている。昨日は3冊のウェクスラーの理論解釈マニュアルを眺めながら臨床群研究の自閉症記載について眺めていた。  ふとWISC-Ⅳ,WAIS-Ⅳ,WISC-Ⅴにおける「知的ギフテッド」の定義について眺めてみようかと。 ◆◆◇◇◆◆◇◇◆◆    臨床群の「知的ギフテッド」の冒頭の定義 【WISC-Ⅳ】  知的ギフテッドとされる子どもたちは,知的機能,創造的思考・生産的思考,リーダーシップ,芸術能力,あるいは他の特定な領域において高

        • なぜウェクスラー検査の理論解釈マニュアル「境界線(域)の知的機能群」が加わったのか?

          1日からGWっ後半がスタート。早速,新ひだか町静内二十間道路桜並木を見に出かけたのだが,葉桜になりかけていた。来年は,カレンダーを眺めて早めに行こう。まあ,GW前半初日にそれでもモエレ沼公園で満開の桜を愛でることができたのでよしとしよう。後半はお仕事。 ◆◆◇◇◆◆◇◇◆◆ ここ数日WAIS-ⅣとWISC-Ⅴのマニュアルを並べて眺めていた。 2010年にWISC-Ⅳが出されたのが「知的ギフテッド」が臨床群に加わった。 2018年WAIS-Ⅳが出て「境界域の知的機能群(IQ

        情報処理障害は・・・ワーキングメモリの機能不全・・・注意とバインドの弱さ

          東京から戻って気がつけば風薫る5月・・・「学習とは」の沼にはまる

          帰ってきてから初日の心理検査レポートをせっせとまとめていた。このレポートが太平洋を渡ると思うと・・・。ついつい新島襄の気分に。久しぶりに頭をたくさん使った。が希望する合理的配慮が叶えばいいのだが。彼には,映像のクリエーターとして夢を実現してほしいね。儲かったらカリフォルニアに招待してくれ(笑) ◆◆◇◇◆◆◇◇◆◆ 成長した子どもたちと出会ってパワーをもらったはずだった。「よーし」と思ったのだが,怠惰な生活から抜け出せず。 文句を言いつつ講義(学習障害と障害児保育合わせ

          東京から戻って気がつけば風薫る5月・・・「学習とは」の沼にはまる

          高知能調査研究から育ちの鍵を考える

          二日目の東京の最高気温は28度。半袖になり目的地の静岡へと。道すがら飛鳥山の桜を愛でることに。昨日の暖かさのせいか,八分咲きの桜が。公園ではすでにブールーシートを広げて場所取りをしている人たちが。  王子からローカル線の乗り継いで静岡へと。久しぶりの乗り鉄。東海道新幹線に乗ったのが40年以上前。せいぜい江ノ島止まりなのでとっても新鮮。熱海,真鶴と・・・位置関係が把握できた。  静岡駅で😇さんと待ち合わせ。声をかけてもらうまで分からなかった。5年の歳月はお大きい。真面目に調査

          高知能調査研究から育ちの鍵を考える

          ギフテッドの調査研究で東京に出かけた

          調査研究初日は,寒い札幌を出て羽田に降り立ったら,そこは初夏の東京。開花宣言でしたね。 待ち合わせて,会場となる板橋の東京共育学園高等部へ(貸していただきありがとうございました)。昼食を取る余裕もなくWAIS-Ⅳへと。久しぶりに働くジジイ。 ◆◆◇◇◆◆◇◇◆◆ 今回の調査研究は,いわゆる「ギフテッド」など高い知能を有する人の特性や困りごとについて、インタビュー調査と質問紙調査を行い、それらの要因の分析。 せっかくなので古くから付き合ってきた子どもたちにお願いしました。

          ギフテッドの調査研究で東京に出かけた

          ダラダラしていたら明日は東京だ・・・発達障害教育について愚行する

          春休みがいつの間にか終わろうとしている。一月はあったはずなのに(笑)3月は急遽決まった義母の終の住処への引っ越しでバタバしていた。それにしてもこの時期は金額が半端ない。致し方ないね。 明日から調査研究で東京と静岡へと・・・桜が見られそう。 ◆◆◇◇◆◆◇◇◆◆ ぼちぼち新年度の講義の準備を始めている。のほほんとしていたら,4月から障害児保育もスタートということで,春から週2.5コマが6月まで,7月,8月は2コマ,9月の中旬から再度2.5コマと・・・なかなかの充実。 今回

          ダラダラしていたら明日は東京だ・・・発達障害教育について愚行する

          春休みに突入・・・日常からワーキングメモリを考える

          えーいと評価の方を終えて,春休みに突入したはずなのだが・・・ボロボロと。 しかし,弥生三月だというのに寒い日が続く。啓蟄を過ぎてもやる気虫が出てこない。 そのうえ,お家の雑事で慌ただしい日々を過ごしている。20日はひと段落するはずなので・・・春は23日からかな。   ◆◆◇◇◆◆◇◇◆◆ (1)「タウンシップ」とワーキングメモリ いつもの如く異世界ファンタジーを読み漁っている。🍉ゲームも飽きたので,歳建設ゲームの「タウンシップ」を始めた。ついついハマってしまった。 二十世紀

          春休みに突入・・・日常からワーキングメモリを考える

          第4話 ゲーギ 魔導書との出会い(3)過度激動(Overexcitability )を考える

          「諸刃の剣を持つギフテッド転生して邪教に挑む」・・・久しぶリのアップ。 昨秋書き上げていたのですが,過度激動を使うことの是非でアップを躊躇していた。自分なりにOverexcitability を捉え直す必要があるかなと。この先, ◆◆◇◇◆◆◇◇◆◆ まあギフテッドであってもなくてもいいのだが。自分のことは知りたいよな。  ページをめくると過度激動(Overexcitability )が目についた。  過度激動は5つあるのか。精神運動性 OE 、感覚性 OE 、想像性

          第4話 ゲーギ 魔導書との出会い(3)過度激動(Overexcitability )を考える

          高IQギフテッドという言葉に対する違和感 〜intellectually gifted 知的ギフテッド〜

          なんと55年ぶりの二桁気温が二日も続いた。55年前といえば,11歳の時なのだが一片の記憶もない。小5の時に覚えているのは十勝沖地震。 その後に,寒さと大雪が戻ってきた。 寒暖差の激しいせいからか老人性無気力感に襲われている。 ◆◆◇◇◆◆◇◇◆◆ 老人性無力症に蝕まれながらも「高IQ」という言葉について考えていた。 「高IQ」は言葉として定義がないわけだ。 もちろん「高IQギフテッド」という言葉も存在しない。 高IQはウェクスラー検査で変換すれば高い全検査IQ(F

          高IQギフテッドという言葉に対する違和感 〜intellectually gifted 知的ギフテッド〜

          カテゴライズと多様性・・・ギフテッドという言葉

          ズブズブと異世界ファンタジーの沼にハマっていた。いつの間にか底なし沼になっている。怠惰な生活の合間に,講義準備,レポートを読んでSNOOPYのスタンプ押し,再再試験のテスト作り,頼まれていたプレスリリースの仕事をしていた。 プレスリリースの方は決められた字数の中に著者の描こうとした思いと愚僧の思いを入れこむ。なかなかしんどい作業でした。愚僧みたいな際物に頼むのはどうなのかと問いたのですがね。お花畑状態が続く頭に刺激を入れるのは大事かもと。 まあ,やる気が起きないから・・・

          カテゴライズと多様性・・・ギフテッドという言葉

          Overexcitabilityとgiftedのニューロダイバーシティ ~広がりとクアトロタスク

          昨秋からの非常勤🐼も今月残すところ後2回。 なんとなく開放感・・・3月は講義がないし気分は春休み。 頭の片隅にしまい込んでいた妄究の種を育てるか。 ◆◆◇◇◆◆◇◇◆◆ Overexcitability は過度激動よりも刺激増幅受容性の方がしっくりくる。その話の続き。 刺激が増幅された後に何が起きるのか。 giftedは,小石を池に投げ入れたらが波紋が大きく広がり(増幅され)何度も繰り返して持続する。 イメージとしては投げ入れた場所だけではなく,いろいろな箇所から波

          Overexcitabilityとgiftedのニューロダイバーシティ ~広がりとクアトロタスク

          過度激動よりも刺激増幅受容性という考え〜刺激が増幅され強い反応が長時間持続する〜

          今日から如月。もう少しで立春というのに書斎の窓からは白魔が遊びにきている。 ギフ寺で目標がなかなか見つからんと話をしていたら,小僧が生きているだけでいいよと言っていた。きっと立春になればやる気がむくむくと土から出てくるはず。 少しXでつぶやいていた過度激動の話をしよう ◆◆◇◇◆◆◇◇◆◆  過度激動(Overexcitability )は,Dąbrowski さんがgiftedの臨床研究を通してまとめたもの。OE は Psychomotor OE(精神運動性 OE)

          過度激動よりも刺激増幅受容性という考え〜刺激が増幅され強い反応が長時間持続する〜

          小学館のセミナー終了・・・質問からギフ寺と支援について

          年が明けてから準備をしていたセミナーが終わった。 昨年末に続いてボスと副住職たちとのセッション。 参加していただいた皆さんありがとう。 ほんと,副住職たちの話は興味深買った。楢戸さん的には,彼らを発掘できたことが愚僧の数少ない業績かもしれない。 これでひと段落・・・講義もあと少しで終わる。 ギフ寺の方は,真面目に3月までやるが。春までのんびりしよう。 ◆◆◇◇◆◆◇◇◆◆ セミナーが終わってから・・・なかなかやる気が起きずダラダラと。後日アンケートが届くので必要があれ

          小学館のセミナー終了・・・質問からギフ寺と支援について

          「ギフ寺で一体、何が起きていたのか」〜20日のセミナーの準備〜

          火曜日から講義が始まった。ギフテッド教育界隈が(この言葉に違和感を感じるが)ざわついている。文科省が「特異な才能のある児童生徒」を十分に吟味せずに使って拡散した余波。 支援は,そうは簡単ではない。なかなか子どもたちは,大人が思うようにいかないよ。 20日には小学館のセミナーがある後半はボスと副住職とのディスカッション。前段に「ギフ寺で一体、何が起きていたのか」をテーマに20分ほど語らなければならない。 ◆◆◇◇◆◆◇◇◆◆ ギフ寺のモデルとなると北大の土曜教室。前半が勉

          「ギフ寺で一体、何が起きていたのか」〜20日のセミナーの準備〜