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春の星ならび

冬に眠っていた星が、春になると動き出して並ぶ。
並んだ星たちは槍を持って、狩に出る。
星たちが狩るのは太陽だ。
相手は大きく、熱く、強い。
けれど並んだ星たちの統制の取れた動きと、綿密な作戦で太陽を弱らせ、やがて狩る。

仕留めた太陽を手で触れるぐらいになるまで冷ましたら、
均等に切り分けていく。
すぐに動き出す星たちが一堂に会するのはあとわずかだ。
その間に均等に切り分けられた太陽をそれぞれの分前として、配布される。

それを市場に持ち込んで富を得るものもいる。
乾燥させて、月と混ぜ、団子状にしたものを保存食として活用するものもいる。
また、形を整えて、輪っかにし、油で揚げたのを皆に配るものもいる。
美しく燃えるような模様が出ているところに当たったものはそれを樹脂で固めて保存する。
使い方は星次第だ。

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