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玉ねぎが飴色になるまで

ちゃんと手間暇をかける、ということ。

カレーを作っている。
連休の真っ最中である。
カレーを作るための、玉ねぎを炒めている。
にんにくと玉ねぎを多めのオリーブオイルでじわじわ炒めている。
これを焦さぬように、飴色に炒める。

その出来上がったペーストはカレーのコクを、旨みを、全てのベースとして、組み立てられる。
歯車の一部。
カレーという完璧な料理の歯車の一部。
ありがとう、その一部にしてくれて、と感謝されるかもしれない。

だって、玉ねぎは、そのポテンシャルを知らなければ、ただの丸でもない、歪な球体。
うまいけれど、必要ないから、と敬遠される球体。
残念である。

けれど、飴色にまでじっくり炒めたなら、それは途端に輝き出す。
飴色は深い琥珀の、ブロンズ。

なんという、尊い色だろうか。
この玉ねぎが、本領を発揮した結果。

それを作っているんだ、喧騒の最中に。

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