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モノクロの瞳/藤井風さん花のオマージュ


ねえ、
ボクが死んだら
キミ、笑ってよ
今日というこの、
おめでたい日にさ

何を生きて
何を夢みて
誰を愛した?

モノクロ写真のキミは
耳に光るピアスをして
ふふっと笑い、
あの日のキミの
耳たぶは
オレンジの光りに透けて
とてもキレイだったよね

黒い車にキミを
乗せて走るよ
後ろの荷台に
溢れるような花束で
キミを抱きしめて
遠い砂漠まで

たったひとつの
キミは光りで
ボクは影だった
荷台の花束から
キミのハミングが
いまでも聞こえるから
ボクは左手にハンドル
右手の指ウインドウで
キミのリズムに合わせるのさ

砂漠の向こうにラクダが現れ
地平の果てに走らせるよ
ブリリアントカットの
ダイヤモンドの痕跡を
空に舞い上がれ
いま、解き放すよ
白い鳩の
無数のメッセージ

車を降りて無国籍の
旗を掲げればキミは金色の
髪を花束みたいに編んで
荷台からユラリ立ち上がり
ボクと手を繋いでゆくのさ

線香花火をくちびるに
咥えたまま浮かれながら
キミはボクは砂漠の奥へ
招かれて
ようこそ、
ようこそ、
久遠の地へ、

顔のないスカーフたちが
ヒラヒラとボクらを
手招きする
火の粉の中で
輪になって踊れば
砂粒の蝶になって

始まりも終わりもなく
オレンジの地平線に
ボクら
いま溶けだしてゆく
 と・
  け・
    だ・ 
      し・て・ゆ・く

いつかみんな、原子の中へ還帰るから


#藤井風
#オマージュ
#自由詩
#現代詩   









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