(気の滅入らない)有木誠の癌闘病日記100(眠れぬ夜)

このところ人並に、なかなか寝付かれない事がある。
睡眠導入剤を飲めば、どーって事無いが、偶には、不眠を楽しもうと思う。

眠れなければ、必然的に何かと考える。
今までずーと、ボーッと生きてきたので、偶には、思い詰めるのもいいだろう。

我人生を振り返る。

私の場合、癌患者なのでリアリティがあるが、癌で無くても73歳はもう、そんな事を考えてもいい年頃だ。 

考える。
「この世に生を受けて、世間に役に立つ何がしかの役割を果たしただろうか?」

・・・全く無い!

そもそも人間社会なんて、46億年の地球時間の中のたった数万年の話だ。
その一瞬の数万年の中のまた瞬間の数十年の中で「世間の役に立った」とか何とか考えるのは、不遜で、どうでもいい事だ。

ただ、そうは言っても、その短い時間の中でも世間様に対して「悪事」を働いていたら、それは許されない。
「役には立ってない」けど「悪事」も働いてない・・・
と、思いたい。

考えるに「悪事」にも段階がある。
最悪は
人を殺したり傷つけたりすることだ。
さすがに、私にはそれは無い。

次なる「悪事」
人を物理的に傷つけたりはしなくても、言葉や態度で傷つける事がある。
・・・かなりやってきた。
今更反省しても遅いが、一人一人に謝らなけれはならない。

そして最後の「悪事」
今まで、多くの方の好意と援助を頂いてきた。
それに、気付き、ちゃんと誠意を尽くしてお礼をしただろうか?

・・・全く出来ていない。心残りだ。

結論、
世間様の役にはには立ってはないけど、悪事だけは働いてきた人生だった。  

という事になってしまう。

だけど、この「悪事」が全くない人は少ないよね。
そう思って、寝付く事にします。

(気の滅入らない)有木誠の癌闘病日記、
区切りの100話は、タイトルに反して
(気の滅入る)話になってしまいました。

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