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J2第12節 大分トリニータvsロアッソ熊本 レビュー【チームとサポーターで掴んだ待望の勝利】

 こんにちは、トリノミカタです。やりましたね!!大分からは約3500人以上のサポーターが駆けつけ、「アウェイジャック」した九州ダービーは、大分が2-1の勝利を収めました。私も納車したてのジムニーで現地に赴き、観戦しましたが、サポーターの強烈な後押しを受けて、チームは勇気を持った戦いを見せてくれました。

 今回は、熊本に勝利できた理由となるポイントや特に良かった選手について解説します。(一番の勝利の要因はサポーターです!現地まで行かれた方おつかめ様でした!



大分スタメン
熊本スタメン

なぜ大分が熊本に勝てたのか?

 大分はここ数試合、戦術的にチグハグな試合が続き、熊本の方が組織的な戦いができていました。しかし、今節チームは改めて目指すべき戦い方を再確認し、練習で落とし込み、試合で表現してくれました。熊本は平日にルヴァンカップがあったことも多少影響したかもしれませんが、大分が以下の要因で勝利したと思います。

・CBが競り合いでほぼ勝利した
・球際の強度で優っていた
・カウンターが整理された
・野村直樹の存在
・チームの歴史

これから1つずつ解説していきます。



勇気を持って高いラインを取り続けた安藤&藤原

 熊本のストロングポイントは熟練のパスワークです。熊本にボールを支配されるとなかなかボールを奪うことは難しく、持ち前の攻撃力を発揮されます。その意味で、熊本になるべくボールを持たせないことが重要でした。

 今節の大分は安藤と藤原が高い守備ラインを取り、相手FWへのパスをことごとく跳ね返しました。裏へのロングボールの処理も安定していて、熊本に攻撃の起点を作らせず、大分がボール支配率54%と数値にも表れている通り、熊本にやりたいサッカーをさせませんでした。

 熊本の直近の3試合のボール支配率が、長崎戦(2位)が59%、甲府戦(7位)は68%、岡山戦(3位)が66%であることを考えると、今節大分が熊本のサッカーを封じていたことがわかると思います。

 その要因として、先述したCBの活躍と、中を通させない大分の組織的な守備がありました。


今季掲げた球際の強さを表現できた

 もう一つボール支配率を高められた要因として、球際の勝負にも勝てていたことが挙げられます。日程的にも有利な面があったことは間違い無いですが、大分の選手の方が1歩目が早くて力強く、「絶対に勝ちたい」という気持ちの入ったプレーができていました。

 特に弓場選手は相手に有利な状況からでも諦めずに粘り強く、力強く90分間戦い抜き、今節の大分の勝利を下支えしていました。今季は現在インターセプト数リーグ1位ということで、チームに欠かせない選手になっています。梅崎選手のゴールシーンや、勝利のホイッスルのタイミングなど、誰よりも感情を爆発させており、この試合に対する並々ならない想いが伝わってきました。


今季ベストゴールとも言えるカウンター

 今季攻守にシームレスなサッカーを目指しているチームにとって、1点目はまさに目指しているサッカーが形になった瞬間でした。

 これまで攻められている際には全員で戻って守備をしていましたが、今回のゴールシーンでは渡邉選手が前線に残り、ボールを奪ったら渡邉選手にボールを当て、そこを起点に宇津元選手、長沢選手、野村選手が勢いよく前線に走り込み、非常にスピーディに得点を奪うことができました。

 渡邉選手を前線に残していたこと、渡邉選手がしっかりとボールを収めてくれたことが、このゴールのポイントだったと思います。


10番野村直樹選手の存在

 野村選手がいるといないとでは、良くも悪くも大分のサッカーの質が違います。今節5試合ぶりのスタメン出場でしたが、相手がつきにくいポジショニングや決定機につながるキラーパス、落ちない運動量、そして得点と大活躍してくれました。今節のMOMだと思います。

 トップ下に長沢選手を配置して、長沢選手もビルドアップの起点にもなれるので、マークが分散して、より野村選手に余裕ができる状況が作れていることも良いと思います。替えが効かないので、怪我なく、最終戦まで行ってほしいです。


大分の歴史が勝ったダービーマッチ

 今節、選手もサポーターも熊本に対して「熱量」で勝っていたと思います。それは熊本が20年間で積み上げてきた歴史と、大分が30年で積み上げてきた歴史の差であります。

 今節大分は、弓場選手、梅崎選手、茂選手、保田選手とユース出身の選手が4人出場しました。ユース出身以外にも大分一筋の伊佐選手を始め、大分でキャリアをスタートさせた選手が5人が出場しており、「大分への強い思い」「プライド」が、熊本より強かったのではないかと思います。

 酸いも甘いも経験してきたサポーターも、大分の方が質も量も熊本に優っていました。

 しかし、大分も同じ悔しさを何度も味わって現在があります。直近では、3年前の浦和レッズとの天皇杯決勝では、チームやサポーターの歴史の差を痛感させられ、さらに上を目指さなくてはならないと感じました。

 熊本さんも若くて力のある選手がどんどん出てきて、毎年移籍してしまう苦しい中、大木監督の元、素晴らしいパスサッカーを体現しています。これから出ていった選手がもう一度経験を積んでチームに戻り、熊本の幹を太くしてくれるサイクルに入ってくると思います。大分でいう今回決勝ゴールを決めた梅崎司のような。これからさらに熱いダービーが繰り広げられることでしょう。


現代的なサイドバックである野嶽選手

 その他にも特筆したい選手として、野嶽選手を挙げます。香川選手が前半途中に怪我をしたことによって、右SBから左SBへと急きょ変更になりましたが、持ち前のサッカーIQの高さユーティリティ性を発揮して、チームを引っ張りました。

 典型的なサイドバックのようにずっとサイドに張るのではなく、相手の3-4-1-2の1(トップ下)の脇にポジションをとったり、カウンター時に中盤に顔を出したり、戦況に合わせて、最適な位置を取っていました。

 「偽サイドバック」など、サイドバックの戦術における多様性が広がる現代サッカーに適応した、素晴らしいサイドバックだと思います。

 

最後に

 久しぶりの勝利で喜びたいですが、まだ今季連勝がありません。次節はアウェイで甲府との対戦です。強烈な個の能力を持った難敵ですが、勇気を持って戦ってほしいと思います。

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 最後にとても美味しかった「文龍」のこってりラーメンを載せます。また熊本行きたいです!

文龍のラーメン

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