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J2第14節 大分トリニータvsV・ファーレン長崎 レビュー【3連戦で見せた成長と死闘】

 こんにちは、トリノミカタです。うーん、ダービーなので勝ちたかったですね・・・!!でもできることはやったと思います!サポーターも1万人以上駆けつけ、応援合戦もすごかったです。
 
 3連戦の3戦目の長崎戦は、前節のアウェイ甲府戦から中2日という厳しい日程で迎えました。大分は前節からスタメンを6人入れ替えて、総力戦で好調下平長崎をホームで迎え撃つも、結果は0-0のドローで終えました。

 今回の記事では、試合の大枠の流れと、長崎戦の見どころだった選手について書いていこうと思います。

 記事を書き始めて3ヶ月経ちますが、安定して100回以上見ていただけるようになり、甲府戦の記事は200回以上見ていただけました。ありがとうございます。今回も時間をかけて、自分が気づいた戦術的に面白い部分を共有いたします。最後までぜひお読み下さい。




大分スタメン
長崎スタメン

試合の大枠はどうだったか?

 ポゼッションスタイルの長崎に対して、大分は今季磨いてきたハイプレスで迎え撃ち、今節はさらにマンマークディフェンスで対応しました。

 前半は長崎の1トップが小柄なエジガル・ジュニオだったこともあり、大分の前からの守備がはまりました。長崎に攻撃の起点を作らせず、大分が多くの時間でボールを持ち、カウンターアタックも何本か成功し、前半は大分が主導権を握ることができていました。

 後半は一転し、開始早々に長崎はファンマを投入し、起点ができたことで、一気に長崎ペースとなりました。大分も伊佐選手を中心にハイプレスを続け、一進一退の時間が続くも、長崎は交代選手が強力で、65分あたりから大分は疲労も見え始め、どんどん押し込まれました。しかし、安藤選手、ペレイラ選手を中心に粘り強く集中した守備でなんとか無失点に抑え、引き分けに持ち込みました。


攻撃を下支えしている野嶽惇也

 今節(3連戦でも)特筆したいのが、左SBの野嶽選手です。野嶽選手はもともと攻撃的なポジションの選手でしたが、大分ではこれまで左右WB、ボランチ、左右SBと多くのポジションで出場し、そのサッカーIQの高さでどのポジションでも活躍してきました。

 今季は右SBで出場してきましたが、3連戦の初戦である熊本戦の前半に、左SBで出場していた香川選手が怪我をしたことで、そこから左SBにコンバートされました。

 香川選手は左足の正確なクロスや、守備力などの良さもありますが、ビルドアップでは後ろ向きなパスが多く、ポゼッションで良さがあまり出せていませんでした。

 しかし、野嶽選手が左SBに入ったことで、左サイドのパス回しがスムーズになり、ビルドアップの質が高まりました。

 具体的に今節で言うと、8分のシーン、野嶽選手が左サイドで張るのではく、あえて左のインテリオールの位置に立ちます。それによって、宇津元選手へのパスコースが開くだけでなく、中盤の厚みを増すことができます。実際にこのシーンでは中央から崩すことができました。この崩しは野嶽選手の状況を見たポジションチェンジから生まれています。

 また、10分のシーンでは左サイドに張った位置でボールを受けてから、伊佐選手へのスルーパスを通したり、18分には野嶽選手のインターセプトからカウンターシュートまで繋がったりと、野嶽選手が現在の大分のサッカーの中心とも言える活躍を実はしています。

 最近宇津元選手がイキイキとプレーし始めたのも、左サイドの相方が野嶽選手になってからです。これは偶然ではなく、野嶽選手のポジショニングタイミングの良い関わりがあるからこそだと思います。野嶽選手が怪我をすることが一番怖いと思えるほど、現在の大分の攻撃を下支えしています。


ペレイラ選手はどうだったか?

 今季初スタメンだったペレイラ選手。今節はマンマークディフェンスで相手の強力な外国人FWに対して素早い出足で何度もピンチの芽を積み、活躍しました。

 守備のタスクに関してはほぼ満点の出来でしたが、ポゼッションに関しては、藤原選手に比べると課題が見えました。パス回しの判断が1テンポ遅いのと、どこに出すかがモーションでわかりやすいので、相手に対応されやすく、なかなか有効なパスになることがありません。

 藤原選手は大分のDF陣の中では一番攻撃的なパスがうまく、守備対応も問題ないので、このままだと藤原選手と安藤選手がファーストチョイスになってしまうだろうと感じました。

 対人能力に関しては、藤原選手よりも少しだけペレイラ選手の方が上だと思うので、スタメン奪取に向けて、パス回しの質がこれから成長するかをサポーターは見守り、応援したいと思います。


有働選手の右SB起用について

 現在現役の大学生で、特別指定選手ながら、今季8試合目の出場となった有働選手。今節、長崎の強力なサイドアタッカーに何度もドリブルで抜かれてしまいましたが、本職はFWの選手なのでこれはある程度仕方ないと思うし、今節はよく頑張っていたと思います。

 では、なぜ有働選手が右SBで出場しているかの理由は以下の2つです。

・右SBの選手層が薄い
・右インサイドハーフが野村選手や中川選手というトップ下タイプ

 1つ目の理由はそのままですが、2つ目の理由が大きいと個人的には思います。左サイドは前にドリブルで仕掛けられ、スピードと強度のある宇津元選手がいるので、SBは落ち着いてビルドアップにも参加できる野嶽選手が入り、非常にバランスが良いです。

 右サイドの前はドリブラーというよりは周りを生かすトップ下タイプの選手が現在起用されているので、右SBはスピードスタミナがあり、上下運動できる選手が入るとバランスが良くなります。そのため、現状茂選手の次に適任なのが有働選手になるわけです。

 守備対応はこれから勉強するとして、有働選手には攻撃時に決定的な仕事ができることを期待したいと思います。屋敷選手が復帰すれば右SBの選択肢が増えて、有働選手も前目のポジショニンで出場できるかもしれませんね。


最後に

 3連戦を限りある戦力で、勝ち点7稼ぎ、上昇ムードがチームに出てきました。サッカーの内容も、誰が出ても非常に組織的なサッカーができており、スタイルの浸透が見られました。

 序盤は怪我人の多さスタイルが浸透していなかったことが勝ち点を落とした原因なので、これ以上怪我人さえ増えなければ、順位は上がっていくことでしょう。

 ただ、ここからは個人的な感動ですが、今節はダービーだったので、最後の交代はキム選手で勝ちに行ってほしかったです。片さんの判断の方がおそらく正しいのでしょうが、サポーターはそう思ってしまいますよね?(私だけ?)

 次節は再びホームで愛媛戦が行われます。ホームで最近勝てていませんので、次こそは大分を湧き上がらせてほしいと思います。プレビュー記事も出す予定なので、ぜひXやnoteのアカウントをフォローしていただけるとありがたいです。

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