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【発達障害】こんなときどうしたらいいの?#8~パニックを起こすと、感情がたかぶって抑えられない~

はじめに
 
こんにちは、皆さん。

 今回は、発達障害の子どもがパニックを起こしたときの対処法についてお話しします。子どもがパニックを起こすと、親としてどう対処すれば良いか戸惑ってしまうことがあります。この記事では、具体的な例を交えながら、パニックの原因とその対処法について詳しく説明します。


1.パニックの原因とその兆候

 発達障害の子どもは、突然パニックを起こして怒りを爆発させたり、泣き叫んだり、例えばテレビのリモコンやおもちゃを投げたりすることがあります。場合によっては、しゃがみこんで動けなくなってしまうこともあります。周囲からすると、何の前触れもなく突然パニックになったように見えますが、パニックを起こすのには必ず理由があります。

①急な予定変更
 
例えば、動物園に行く予定が急にキャンセルされたり、家族で行くはずだった遊園地が突然ショッピングモールに変更されたりすると、子どもがパニックを引き起こすことがあります。

②ゲームに負けたとき
 
例えば、お気に入りのゲームで何度も挑戦していたステージをクリアできなかったときや、友達との対戦で負けたとき、感情のやり場がなくなってしまい、子どもがパニックになることがあります。

③感覚過敏
 嫌な音やにおいが原因でパニックを起こす
ことがあります。例えば、駅のホームで聞こえる電車のブレーキ音や、近くにいる人の強い香水のにおいなどです。

2.パニック時の対処法

 パニックを起こしている最中に「どうしてそんなことするの?」と尋ねても、子どもには届きません。責められたと感じて、余計に不安になってしまいます。以下の方法で対応しましょう。

①静かな場所に移動する
 
例えば、家では子どもを寝室やお気に入りのぬいぐるみがある子ども部屋など、人のいない静かな落ち着ける場所に連れて行きます。学校では、図書室や特別に用意された静かな部屋に誘導しましょう。その場所を使って、パニックになる前に自分で気持ちをクールダウンする練習をしていけば、徐々に気持ちをコントロールできるようになることもあります。

②危険なものを片付ける
 
例えば、はさみやガラスのコップなど、投げたら危険なものは手の届かない高い棚に置いておきます。

③クールダウンスペースを設ける
 
例えば、押し入れに子どものお気に入りの柄の毛布やぬいぐるみを入れて、いつでも避難できる落ち着ける場所を用意します。また、大型の段ボール箱にクッションを入れて秘密基地のようにしたり、ついたてで囲まれた静かなスペースを作ったりするのも効果的です。

3.フラッシュバックへの対応

 発達障害の子どもは、過去の嫌な経験を忘れにくく、フラッシュバックを起こしやすいです。フラッシュバックとは、過去の嫌な経験が何かのきっかけで鮮明によみがえり、そのときの気持ちを追体験してしまうことです。

①気持ちを切り替える
 
例えば、子どもが突然不安定になった場合は、公園に行って遊具で遊ばせるなど場所を変えたり、好きなアニメの話をするなど話題を変えて、気持ちを切り替えさせましょう。

②原因を探る
 
子どもが落ち着いたら、具体的に「何か嫌なことがあったの?」と尋ねてみます。例えば、「今日の昼ご飯が嫌だったのかな?」など、具体的な場面や事柄を挙げて聞くのも良いでしょう。

4.事前の準備と予防

①共感と指導
 
原因がわかったら、例えば「バスのエンジン音が嫌だったんだね」と共感し、そのうえで「今度から、『静かな場所に行きたい』と言葉で伝えるようにしようね」と、正しい行動を教えます。

②環境調整
 嫌いな音が聞こえる場所には、行かないようにします。
例えば、子どもが怖がる消防車のサイレンが聞こえる公園などです。また、予定変更は事前に伝えましょう。例えば、家族が予定していたピクニックが天気の悪化で中止になる場合には、前日に「明日の天気が悪いのでピクニックは延期になるよ」と伝えます。

最後に
 
発達障害の子どもがパニックを起こしやすい状況を理解し、適切に対処することで、お子さんのストレスを軽減し、安心して過ごせる環境を作りましょう。無理をせず、お子さんと一緒に少しずつ成長していけるようサポートしていきましょう。

 お読みいただき、ありがとうございました。これからもお子さんの成長を見守りながら、一緒に頑張りましょう。

前回の記事#7~人がたくさんいる場所が苦手~

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