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誰も教えてくれなかったパワハラに巻き込まれない方法

一般的なパワーハラスメント講習は、どんなことがパワハラで、何をするとパワハラに該当するのかを理解して、くれぐれもパワハラにならないように気をつけましょう、ということが多いと思います。しかし、わたしとしては、パワハラ講習にあと二つ足りないことがあると思っています。

一つは、前回の記事で紹介した、パワハラしてしまう心理的背景を理解することです。頭では理解していても、パワハラしやすい心理的背景を持っている人は、ストレスやプレッシャーの状況におかれると、気をつけるだけではパワハラ行動を避けられない場合があるからです。まずは自分がその心理的背景を持っていないか振り返る必要があります。

もう一つは、どうやったらパワハラに巻き込まれないか、パワハラに遭遇してしまったらどうすれば良いかなどの、パワハラの対処法です。パワハラと認定されるにはそれなりの事実の積み重ねが必要ですが、パワハラされている方は、積み重ねている最中にものすごく辛い思いをしています。

パワハラの事実を積み重ねている場合ではありません。一度でも不愉快な思いをしたり、おかしいなと思ったら、すぐに対処するべく行動するようにしましょう。

というわけで今回は、パワハラに巻き込まれないためにはどのような態度を取ればよいか、パワハラにあってしまったらどのように行動すれば良いかを一緒に考えてみましょう。


1、相手のお気に入りにならない

パワハラしやすい心理的背景を持った人の場合、お気に入りになって距離が近づくと、パワハラされやすくなります。お気に入りにならないように、距離が近づかないように、具体的に以下の4つのことに気をつけましょう。

  • 合わせない。相手が言うことに、毎回毎回、同意しないようにしましょう。

  • 笑わない。相手が笑っても笑わない、笑顔を見せない。相手が喜んだり楽しんだりしていても冷静さを保って反応を控えましょう。

  • すぐ返事しない。すぐに反応すると相手に自己重要感を与え、大切に扱っていると勘違いされる可能性があります。メールの返事は時間をおくなどしてみてください。

  • 相手の期待に応えない。はっきり要求されてしまったら断るのは難しい場合がありますが、進んで相手の期待に応えるような行動は控えましょう。

これで、相手に合わせず、笑わず、返事が遅くて、気が利かない人になります。
パワハラする気配を感じたら、これで心理的な距離を保ち、決してお気に入りにならないように気をつけてみてください。


2、全力で逃げる

人間以外の動物は、危険が迫ると全速力で逃げます。逃げることは、危険を回避する第一手段といっても過言ではありません。アフリカの動物の映像を見ていると、獲物として捉えられそうな動物はみんな全速力で逃げています。

パワハラにあったら、できるだけ早くその場からさっと逃げましょう。
ここでも、相手との距離をおくことがとても重要です。

世の中には逃げられずに苦しんでいる人がどれだけいるかわかりません。逃げられなくて起きている悲劇はいくらでもあります。パワハラだけではありません。家庭内暴力やいじめもそうですね。

察知したらさっと逃げましょう。そして普段からできるだけ避けて、物理的な距離もとるように意識しましょう。

実際には、逃げることで、後で自分に不利益が被るのではないかと思うと、なかなか簡単にはいかないかもしれないのですが、まずは、逃げるものありなんだ、逃げてもいいんだ、と自分に逃げることへの許可を出しておいてください。それだけでも、選択肢がひとつ増えることで気持ちに余裕ができます。


3、勇気を出して相談する

パワハラ被害にあったら、相談はいつの時点でも有効です。ハラスメント対策で職場にも相談できる環境が整いつつあります。

しかし現実問題として、なかなか相談しづらい場合があるのも事実です。
自分でなんとかしたい、自然に解消するかもしれないからそれまで耐えよう、人に話すのは恥ずかしい、誰を信用していいのかわからない、などの理由があげられます。

でも、何がなんでも勇気を出して、誰かに相談してほしいタイミングがあります。

それは「フリーズ」してしまったときです。硬直してしまう、その場で固まってしまう体験です。

恐怖で一歩も動けなかった、と言うような恐怖体験をしたことはないでしょうか。あれです。恐怖でフリーズして何もできなくなってしまうのです。

こうなると、もう逃げることもできません。ここまできたら、一人では解決できません。心にも深い傷を負っていますし、トラウマやPTSD(心的外傷後ストレス障害)を抱えている可能性もあります。

相談して、
・パワハラにあわない現実的な対策、対応、対処をとる
・心の傷、トラウマや恐怖のケアをする
の2つのことをしてください。

フリーズして硬直している自分に気づいたら、逃げられないところまで来ていると思ってください。そして必ず誰かに相談してください。
全力で相談する勇気をだしてほしいです。わたしも全力でサポートします。


まとめ;

今回は、パワハラに巻き込まれないためにどうすれば良いか、パワハラに直面したらどのような行動を取ればよいか、3つのことを取り上げました。

・お気に入りにならないための4つの態度
  合わせない、笑わない、すぐに返事をしない、期待に応えない
・全力で逃げる
・フリーズしたら勇気を出して相談する

パワハラ対策としては、
・パワハラの定義とやってはいけない具体的な言動を知る
・パワハラに至る心理的背景を理解する
・パワハラに巻き込まれない態度、直面した時の行動を準備しておく
の3つの方向からのアプローチがとても大切です。

快適な職場となるように、リーダーとして、パワハラには十分対策を立てていきたいですね。この記事がお役に立てれば幸いです。


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