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スタンプカードをめぐる小さな争い 【オヤジの観察 #12】

「スタンプカードをお作りしましょうか?」
「えーっと… どうしようかな?」
立ち寄った店舗でカードを勧められたときに感じる無意識の拒否反応、
物理的な煩わしさに加えて、数知れぬ負の歴史が大きく影響している。

カードを作成はしたものの、
  持って行くのを忘れた😢
  出したら期限が切れていた😢
  行方不明になった😢
  行方不明になって2枚目を作ったら1枚目がでてきた😢
  作ったことすら忘れていた😢
同じ過ちを何度も繰り返し、多くのスタンプ達は何処かへと消え去った。

お得感には目ざといが、管理能力は人一倍劣るオヤジ、還暦過ぎてようやく学習能力も身についてきた。
店舗での購入頻度を考えて、カード類は常に財布に入る程度に制限、
手元に残った厳選のカード達にはその特徴を生かして大いに活躍してもらっている。

昨今はデジタル化が進んで、量販店を筆頭にポイント制のスマホアプリが主流、
一方、個人経営の店舗では未だに「スタンプカード」も多く使われている。
機械的無機質なアプリと違い、カードに溜まるスタンプを通してお店との絆を感じ、常連客として認知されることの特別感を引き立ててくれる

スタンプカードの最もポピュラーな運用方法は一定の購入金額毎にスタンプを押してくれるというケース。
明確に金額が設定されてはいるものの、その運用はアナログ以前で、店主の感覚、裁量に左右されるケースが多い。
厳格であったり、寛大であったり様々だが、個人経営のお店は一般的に緩めに感じる。まれに50%超え(設定金額が500円であれば251円以上)でも、たくさん買ったら端数が20%程度でも押してくれたことがあった。
にっこり笑顔でサービススタンプをポンッ!
客はその価値以上にお得感、特別感を感じ、常連客となっていく


小さな争い

『スタンプカード』が紡ぐ特別感

少し、前置きが長くなったが、ここからが本題。
車で10分のパン屋さん、オヤジの好きなズッシリ、ハード系のパン類が充実していて、毎週末の楽しみとしている。

その店はオヤジの厳選スタンプカード店の一つ、500円毎に1スタンプ、30個スタンプが溜まると500円分の金券として使える。
家族経営に近いお店で、奥さんがレジに立つことが多く、
感覚的には端数が400円を超えるとサービスでスタンプを押してくれる。

「いつもありがとうございます。ヨイショ、スタンプ押しておきますねー。また、よろしくお願いします😀。」
「このパンの食感とわずかな酸味が好きでね、ワインによく合って週末の楽しみなんだよね。フッフッフッ😋」
愛想のいい奥さん、いつもにっこり笑顔で、端数のスタンプを押してくれる。
加えて、一言、二言の会話に常連として認知されているという一種の特別感を感じて心地よい。

厳格な新人店員

ある日、いつものようにパンを買いに行くと、アルバイトで入ったのか?レジには見慣れぬ若い女性の店員さん。
何個か買って、レジに持って行くと995円だった。
ちょうどいっぱいになったスタンプカードがあったので、それと新しいカードを合わせて出す。
500円引いてくれて、会計は495円だった。

お金を渡すと、彼女がなにか言いたげにオヤジの顔を上目づかいに見ている。
しばし、微妙な沈黙の後、彼女がカードに手をやり、
あのー、これ😒」と言って、押し返そうとしている。
ポカンと見ていると、「足りていませんので😒」と無表情で一言。
総額が995円だったので、いつものようにカードを出したが、
500円引かれるとスタンプには5円足りない

『5円足りないのでスタンプは押せません。申し訳ありませんが、カードをお引取りください😒。』
言葉としてこそ出さなかったが、その侮蔑したような表情が物語っていた。
スタンプでいっぱいになった500円引きのカード、何度もお店に通い、たくさんのパンを購入してきた勲章、常連客としての証である。
『その勲章カード、常連客が目に入らぬか?』オヤジは目で訴えるが、
彼女の無機質、事務的な表情が『そんなの関係ねぇ』と語っている。 
わずか5円、されど5円、この店員にはご縁(5円)がなかったようだ。

『きびしさに負けた~♪ この~店員に負けた~♬😭 わずか~5円に負けた~♬😭 いっそ~出直しましょうか~♬』
オヤジの心境は18番の ”さくらと一郎” の ”昭和枯れすすき
きまずい雰囲気の中、スタンプ付かれぬカードをしぶしぶと引き戻しレシートを受け取った😥。
金額的にはわずか20円足らずのスタンプ1個、だが、金額以上の損失感を覚えた😧。

いつもの奥さんとなら、

「スタンプいっぱいになったんですね。500円引かせていただきます。いつもありがとうございます😀。」
「スタンプで埋まったカード見ると妙にうれしいよね。それだけおいしいパンをたくさん食べさせてもらえたってことかな。ヘッヘッヘッ」
「新しいカードにスタンプ押しときますね。毎度ありがとうございました。」
「あーパンのいい香りがする😋。ありがとねっ!」
・・・にっこり笑顔でスタンプをくれて、一言、二言話して、心地よいひと時を楽しめたはずだ。

パンの味まで変わる

・・・常連客としての特別感を十二分に堪能し、気持ち良く店を後にしていたはずが、
その機会損失に加えて、微妙に冷たい空気感にさらされたあげく、嫌な汗までかいてしまった😓。
『金額足りないのにカードを出してくる厚かましい人っているのよねー。 スタンプを期待してたのかしら? あのオヤジ厚顔無恥な顔してたわ😩。』
そんな声が聞こえてきそうだ。
一見、厚顔・強面こうがん こわもてのオジタリアンだが、実はガラスのハートの持ち主、スタンプカードでへこんだ気持ちがパンの味にまで影響する😥。

一番の機会損失?

常連客として認知されることを無情の喜びとするオヤジ、せっかく貯めたスタンプカードを軽く扱われ、全く特別感を引き立てられなかったことが寂しかった

おいしいパンを買うことも目的だけど、厳選スタンプカードをツールに、オヤジはちょっとした心地よさを求めている。

フランスパンが30円値上げされたってクソみたいなもん、
スタンプ1個の価値が5円であろうと20円であろうと屁でもない。

ニコッとオヤジに笑顔をくれて、一言二言話せて、気持ちのスタンプをくれたら、それだけでお店への忠誠心が揺らぐことはないのです。

流行るもすたるも人次第、大事なのは人的サービスの満足感かな?
今後は入店前にレジの人を確認してから入るようにしよう


追伸1(一五いちごオヤジでなく『せこオジ』の考察)

ふと、思ったのだけど、5円足して500円にすればスタンプもらえたのかなー🤔?
スタンプ1個の価値が約20円、とすると15円損したってことにならない🤔?
お店は、そのボーダーラインについて考えたことってあるのかな🤔?

オヤジには全く思いも付かないけど、『せこオジ』は気にするみたいね、
こんなせこい事?

追伸2(酒の肴)

ちなみにこのスタンプカードの話は、酒の肴に受けました。
ある面、厳しい店員さんに感謝😄

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