夢酔藤山

ようこそ! 歴史時代小説を執筆しています。2024年は連載3本と単行本2本のお仕事です…

夢酔藤山

ようこそ! 歴史時代小説を執筆しています。2024年は連載3本と単行本2本のお仕事です(5月現在)。 講演・執筆のご依頼がございましたら、どうぞよろしくお願いします。 四方山のことは、こちらにも……! 散文小径 http://musuitouzan.blog.fc2.com/

最近の記事

  • 固定された記事

仕事依頼テンプレート

先に、ここね   ⇩ 自己紹介2000年「奇本太閤記」で第73回コスモス文学新人賞長編小説部門新人賞を受賞。以後、文筆へ。現在、「満洲-ここはお国を-(南信州新聞)」「真潮の河(房州日日新聞)」「千人同心がゆく 北のまほろば(西多摩新聞※令和薫名義)」を連載中。 故遠山あき氏に縁深い文芸同人槇の会に所属。全国里見一族交流会理事、小山田信茂公顕彰会賛助会員をはじめ歴史研究会東京支部会員(H30年歴史大賞功労賞受賞)などに属す。 現在できること・やってみたいこと 2023年

    • だんだら羽織

      新選組の定番。 浅黄色の羽織。目立ちますね。しかも高価な代物。 そして……隊士からの評判は芳しくない。 このデザインのベースになっていたのは『仮名手本忠臣蔵』に出てくる赤穂浪士たちが着ている討入のオマージュ。 浅葱色は武士が切腹するときに着用する裃の色。青じゃなく、浅黄色が正しいのです。そこには常に死を意識して、徳川の治安維持と尊皇攘夷に邁進する覚悟を込めたものとされる。 この奇抜なデザインを採用したのは、芹沢鴨のトップダウンとされます。 文久3年4月下旬、大坂今橋の鴻池

      • 「箕輪の剣」第12話

        第12話 箕輪籠城  武田勢が最初に殺到したのは、鷹留城だった。城主・長野三河入道業通は数百の兵で籠城したが、多勢に無勢、たちまち城内へ雪崩を打って武田の兵が攻め込んできた。とても、適うものではない。城は落ち、全滅した。この戦いは、箕輪城兵を震え上がらせた。  長野の家臣・小暮弥四郎が、助命と引換えにさっそく武田方へ内通した。小暮弥四郎だけじゃない、命を惜しむ者たちが、そういう行動に奔った。これを咎められるものではない。戦国の世は、家臣が主君に殉ずることこそ稀で、見限る自由

        • 「真潮の河」菱川師宣は歴史の第一歩を踏む

          本編は、菱川師宣が父親と合作の「釈迦涅槃図」へ取り組む場面を描いた。これは、史実上あったエピソードで、創作はせいぜい登場人物のやりとりくらいだろうか。 浮世絵師としての大輪を咲かす姿にはまだ及ばないが、絵師として、歴史に名を残す第一歩が、この作品だ。 いつか、実物を観たい!

        • 固定された記事

        仕事依頼テンプレート

          「箕輪の剣」第11話

          第11話 西上野攻防  武田信玄という武将は、戦国が生んだ魔物といってよい。信濃をおおよそ支配下に握ったのち、信玄は戦線を関東へ向けた。吾妻方面に侵攻した真田の軍勢は、抵抗を圧倒し、やがてこれを制圧した。箕輪のある榛名山麓の北側が、武田の支配下となったのである。  しかし、これは武田勢のなかで、ほんの一握りに過ぎない。信玄の本命は、駿河だった。武田・今川・北条と同盟を結んでいた三国であるが、今川義元が桶狭間で織田信長に討たれると、信玄は駿河へ遠慮することをやめた。  信玄の

          「箕輪の剣」第11話

          「JIN-仁-」から読み解く人の世の営み

          皆様は日曜劇場「JIN-仁-」に笑い、そして泣いたことでしょう。あの漫画原作を、ドラマとして、別の作品へと「いい形」で結実させた。 そう。 ドラマと漫画原作は、別の作品です。 しかし根本のテーマは変わりのないものだと思います。 どちらも幕末を丁寧に描き、その時代の一面的なガイドとなっているから歴史を知る教科書になる。しかし、それはあくまでも時代背景をなぞったもので、本質は、歴史上の人物を拾い上げていってネタにしているわけではない。これは、夢酔もよくやる手法だから、分かる。 そ

          「JIN-仁-」から読み解く人の世の営み

          いい夢みろよ https://www.youtube.com/watch?v=Jl6MW3iLgKM

          いい夢みろよ https://www.youtube.com/watch?v=Jl6MW3iLgKM

          「箕輪の剣」第10話

          第10話 後継  長野業政が病であえなく没したのは、永禄四年(1561)一一月二二日のことである。小田原より戻ってすぐ、体調を崩した業政は、己の死期を悟り、こののちは越後の指図に従い、断じて武田に屈することなきよう、主だった者たちに云い含めた。  上泉秀綱は切なかった。小田原で会った正木時茂もまた、上総へ戻ってすぐの、四月六日に死んだ。 「みんな、死んでしまった」  命とは、儚い。残された者は、その夢を託されて、次の世代へ繋いでいく。  新陰流。上泉秀綱の興した剣の道も、弟

          「箕輪の剣」第10話

          「満洲」GW後も、空を飛んだ女の物語である

          南信州新聞連載作品「満洲-お国を何百里-」第5話は「空を飛ぶ女」。 この登場人物は実在しており、物語はフィクションではなく伝記にならない程度に史実を拾いながら、実際の生涯に肉付けするストーリーです。思えばフル創作の多かった本編で、8割方が史実に寄り添う一篇は初めてになるかも知れません。 松本キク。のちに結婚して西崎キクとなるこの女性は、連続テレビ小説「雲のじゅうたん」のモデルとされた女性パイロットの一人とされます。 昭和12年(1937)7月、樺太豊原市(当時)市制施行を

          「満洲」GW後も、空を飛んだ女の物語である

          「箕輪の剣」第9話

          第9話 小田原へ  年が明けた。  越後勢は古河をめざした。ここは、古河公方足利義氏の御所がある。長尾景虎は足利義氏討伐を命じていた。義氏の母は北条氏、傀儡の古河御所だ。腹違いの兄弟・藤氏こそ正統という声に景虎が応じたのである。これを支持したのは、随行する関白近衛前久だ。  義氏は戦わずして逃亡した。古河を抑えた越後勢は、武蔵国を蹂躙していった。まるで、無人の野を行くが如し、だった。松山城も、たちまち陥落した。時間を稼ぐことも許されぬ、怒涛の進軍だ。  二月二七日、長尾景虎

          「箕輪の剣」第9話

          一応、広報マン気取り:新選組篇

          5日に日野を流離いました。 土方歳三資料館はリニューアル後、初の訪問。個人宅での資料館にしては、訪問する人数規模は大きくお手伝いされる方がいてこその切り回し。 今回お伺いしたかった理由は三点。 ひとつはリニューアル後の資料館を拝観したかった。 ふたつめは新しくなった収蔵カタログが欲しかった。 さいごは、この季節ならではの「和泉守兼定」の刀身が観られる。 せっかくなので、歴史研究第719号を謹呈する。 ミニバスに乗り日野本町へ。 佐藤彦五郎新選組資料館へ……👣 今回は越

          一応、広報マン気取り:新選組篇

          「箕輪の剣」第8話

          第8話 上州模様  越後勢は厩橋城まで、僅か一日で押し寄せた。越後勢を迎える筈の上野勢よりも早く、軍勢は厩橋城に殺到した。北条勢は蜘蛛の子散らすように逃散し、越後勢の馬印である 「毘」 の旗幟がはためいた。  箕輪城より馳せ判じた長野業政は 「なんとも素早いことだ」 と驚き、長尾景虎が本丸に入った半刻遅れで、参上した。 「そなたが信濃守であるな。再三の関東出兵要請に応えられなかったこと、まことに申し訳なく存ず」  長尾景虎は詫び口上を述べた。長野業政は、じっと、長尾景虎の表

          「箕輪の剣」第8話

          世間は小山田信茂をまだ、どう、観ているのか?

          「小山田信茂公は裏切り者にあらず」 というスタンスで大月市を本拠に活動される小山田信茂公顕彰会。 前身にあたる小山田情報館活動から、10年になろうとする顕彰活動だ。もう、すっかり大きな団体になり、その声は大月に留まらない。ひとえに会長の尽力あってのことと、頭の下がる思いである。 夢酔はせいぜい末席で、すみっこに居座っているだけに過ぎず、精力的な皆様に声援を送るのが関の山という塵芥な存在に過ぎぬ。 さて。 これほどまでに支持され、定説の矛盾を声に出してきた。 その成果は、

          世間は小山田信茂をまだ、どう、観ているのか?

          「箕輪の剣」第7話

          第7話 関東出陣  沼田万鬼斎顕泰という男がいる。上杉憲政が北条に負けて越後へ去ったため、沼田家は父子対立の修羅場になった。沼田万鬼斎顕泰は上杉派、その嫡男・左衛門尉三郎憲泰は北条派。万鬼斎は子の憲泰を殺さなければいけない運命だった。その後、北条孫次郎康元が攻め入り沼田を奪った。  沼田万鬼斎顕泰は主君を追って越後へ逃れることとなった。  今度の関東出兵にあたり 「先陣を賜りたし」  沼田万鬼斎顕泰は長尾景虎に請い願った。 「城を取り戻したい」  その願いに、長尾景虎は快く

          「箕輪の剣」第7話

          新選組の5月 千人同心にも見どころアリ

          5月になると、日野は蒼く熱気に燃え上がる。 そんな印象を抱く貴方は、もう手遅れなほどの新選組熱烈ファン。 近頃では 「土方さんはマヨネーズが好きなヘビースモーカー」 とか信じている人がいます。それは、違う世界の人なので、くれぐれも間違えないで下さい! 5月5日は、こっちの世界の土方歳三生誕日ということで、ざわつく人も多いでしょう。 そして5月11-12日。 日本でも最大規模の新選組イベントになったことは、たいへん喜ばしいことです。 さて。 新選組ばかりに目を奪われており

          新選組の5月 千人同心にも見どころアリ

          アルファポリス公開中「小河内ムーンライト」最終回、公開。 https://www.alphapolis.co.jp/novel/569322769/177873560

          アルファポリス公開中「小河内ムーンライト」最終回、公開。 https://www.alphapolis.co.jp/novel/569322769/177873560