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勇気を出した記念日

「勇気を出した記念日」

昨年の今日、私は 乳腺外来を受診した。
しこりに気づいて 知らんぷりしながらいたし、
病院の受付で
「違うと思いますので、今日は帰っていいですか?」とか口走ったけど
「きっと考えすぎって笑われて終わる」と自分に言い聞かせて
問診票に記入。
あてはまる項目に○をつける。
○の数が多かった。

先生の触診後、「生活習慣は?仕事は何をしているの?」と。
きっと誰にも言っているんだ。

看護師さんに
「私 違う可能性ありますよね?」と聞くと
「生理、順調なんですよね。」と 抽象的な答えだけど
お、これは違う可能性高いんだ。と思って、

「乳がんじゃないと思うから あとでLINEするね♡」と○に連打した。

マンモの後にはエコー。

若い技師さんから 熟年の技師さんに変わって。
「私 やっぱり 乳がんなんですか?」
「可能性は半々。」と。
違うよって主治医からでないと言えないのかなぁ。

「やっぱり乳がんですか?」と何度も聞く私に

「こんな小さいのによく気づいたね。勇気を出したね。みんな治療しているからね。」
はじめて涙が出た。

「勇気を出したね。」と 「みんな」の言葉が嬉しかった。

しこりから逃げていたけど
「人は認めたくないものだからね。まだ1センチだから。」と...。

待合室で 声をあげて泣いた。

主治医から告げられて 手術をしたくない。死ぬんですか?と ごねて泣いて。

「今なら命を助けてあげられるから。そのままだと死ぬよ。」と。

「しこりあっても違うかった友達おるから。行くだけ行ってみたら」と、乳がんだろうなって思いながら 背中を押してくれた ○や、

まだ嫁にいかないのかと言わなくなっていた両親の顔が浮かんで

色んな感情が入り混じったあの日。

勇気を出したから 元気な体で 今 ここにいる。

今日は、久々に知人に会いに行った。
前夜には 体調を気遣うLINEがあり

顔を合わせた第一声が
「元気そうで良かった」だったのが嬉しかった。

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