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先週の(4/22〜28)ぼくのコンテンツ#28

映画 『オッペンハイマー』 (2024 / クリストファー・ノーラン)

まず始めにIMAX版ではありません。

日本人として複雑な気持ちにならざるを得ない映画ですが、この映画は「「日本人としては複雑な気持ちになってしまう」という状態になる」という事が大事なんじゃないかと、思いました。日本人にしか感じ得ない、方言のような感想が生まれると思いました。

ぼく個人としてはこの映画は何か物を作る人への労いのような映画だと思いました。時代に翻弄され、人に翻弄され、パニックになってしまった主人公・オッペンハイマーはいつの時代にも存在するクリエイター自身の鏡のようで。躁的時間(カラー)と鬱的時間(モノクロ)が引き起こす、記憶の改ざん、記憶の核分裂と核融合は昨今の歴史修正主義への警鐘かつ、物語を作るクリエイターの快楽という両義的な主題にも見える。怖い映画でありながら、何か物を作りたい、物語たいという人間の本当の美しさがありました。この複雑な、人間のジレンマがオッペンハイマーという人物を通して、極めてクリティカルに表現されていると思いました。戦争は全ての意味を書き換えてしまう、それでもなお、それすらをも書き換えてしまう事で、上書きしてしまう事で、まるで無かったことのようにする事も出来る。物語の可能性と危険性が表裏一体、スリリングで大変面白かったです。


テレビ 『華大さんと千鳥くん スパイ7分の1の回』 (2021〜 / カンテレ)

アマプラに追加されていたので見てみた。「スパイ7分の1」の回が面白すぎて、1日で全て見てしまった。人はゲームをプレイしている時、皆1人のプレイヤーとなって性差や年齢差、身分やコネを越えて、演じるかのようにゲームを楽しむ。それは戦いのようで戦いではない「ゲーム」である。ゲームを戯れる人々を見るという行為そのものの快楽、観察するという快楽が詰まっている。


ドラマ 『フォールアウト シーズン1』 (2024 / Amazon Prime)

シーズン1エンド。回を重ねるごとにフォールアウト度が高まっていき「人は過ちを繰り返す」の格言へと辿り着いた。権力に抵抗する、反旗を掲げる、自分で自分の道を切り開く、そして最後は知りたくなかった事を知ってしまう感覚がまさにフォールアウト。


鬱っぽい…というかオッペンハイマーを見てから、人体の構造が再練成、書き換えられた気分になってしまった。

4月は『オッペンハイマー』『フォールアウト』『虎に翼』って感じの1ヶ月でした。

以上、先週のぼくのコンテンツでした!


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