役立つ老人でありたい

役立つ老人でありたい
 “シーチン”修一
【雀庵の「大戦序章」290/通算721 2024(令和6)年5/3/金】先月4/17から1F~2Fの階段天井のペンキ塗りを始め、足場が悪いのでとても苦労したが、ようやく完成した。確かに達成感はあるが「二度とやりたくない」作業、まるで苦戦の連続でどうにか勝った戦争みたいで、暫くは思い出したくない感じだ。古人は「若い時の苦労は買ってでもせよ」と言うが、第2次大戦で日本軍にコテンパにされたフランス兵は時折、不意に当時のことがよみがえり絶句したという。どこの国でも大昔から戦場の兵士はそういう辛い経験をする。

「艱難汝を玉にす」とも言うが、トラウマになるほどの過酷な体験はない方がよさそう。と言っても「そこそこの試練」を願ったところでどうにもならないが…結局、人生は運が半分、努力が半分か? 戦老ヂヂイの小生は「最後までチャレンジし燃え尽きたい」と思っているが、天井のペンキ塗りは「もう堪忍」という感じ。ま、今のところはちょっと弱気。両手両足&腰はサポーターだらけ・・・ま、加齢には勝てないわな。

このところ外交官出身の馬渕睦夫(むつお)氏が気になる。以前はあちこちの媒体やネットで生き生きとした論稿を披露していたが、今は見なくなった。WIKIによると1946年生まれの78歳、小生より5歳年上。加齢のせいもあって論稿はもっぱら著書に集中しているようだ。調べたら2年前の産経2022/3/26の書籍案内「編集者のおすすめ」で馬渕睦夫著『日本を蝕む新・共産主義 ポリティカル・コレクトネスの欺瞞を見破る精神再武装』を版元の徳間書店学芸編集部・浅川亨氏がこう紹介していた。

<日本人が自らを否定するようにWGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)などの施策を展開したGHQ(連合国軍総司令部)。その当事国とも言うべき米国でCRT(批判的人種理論)による自虐史観で社会がゆがみ、少数派の立場を擁護することで大多数を黙らせる逆差別が跋扈しています。
「進歩主義者のやり方は新しくはない。方法論はかつてのボリシェヴィキ革命と同じだ」。2021年10月のバルダイ会議で(ロシアの)プーチン大統領が「ロシア革命以降の共産主義による文化破壊と同じことが21世紀の西欧社会で行われている」と指摘しました。いわゆるポリティカル・コレクトネス。これこそが「形を変えた共産主義革命の象徴」と著者・馬渕氏は指摘します。
新・共産主義革命の目的とは何か、方法論がどう変遷し、何に擬態しているのか? 本書はロシア革命の意図、東西冷戦の構造、東欧カラー革命からアラブの春を経てウクライナ危機と続く米国主導の民主化による混乱、左傾化著しい米国の現実──と、近現代史を見つめ直し、メディアから植え込まれた幻想と誤解、虚構と現実を紐解きます。東西冷戦の残滓で混乱をきたす現在の世界情勢を理解する一助になる内容です。
ジェンダー平等、多文化共生など耳当たりのいい主張と「日本は世界に遅れている」という煽り、文化破壊活動に共通するのは「現在」の否定。日本人としての「核」の再認識こそ、惑わされない最善策と実感できる一冊です>(以上)

なるほど、2021年頃のプーチンは「牙」を隠していたわけだ。翌2022年2月24日、ウクライナ侵略を始めた。現在のプーチンと初代のプーチンは別の人物という説もあるが、それはさておきWIKIによると――
<少年プーチンは小説や映画で、特に日仏合作の映画『スパイ・ゾルゲ/真珠湾前夜』を見てスパイに憧れを抱いたとされる。ソ連国家保安委員会(KGB)への就職を考え、14歳の9年生(日本の中学3年生に相当する)の時に彼はKGB支部を訪問し、応対した職員にどうすればKGBに就職できるのか質問した。職員は少年の質問にきわめて真率に対応し、KGBは自ら志願してきた者を絶対に採用しないため、今後は自分からKGBにコンタクトしてはならないこと、大学の専攻は法学部が有利であること、言動や思想的な問題点があってはならないこと、スポーツの実績は対象者の選考で有利に働くことなどの現実的な助言を与えた。
プーチンは以後そのアドバイスを忠実に守り、柔道に打ち込み、レニングラード大学では法学部を選択し、在学中も自分からはKGBに接触しなかった。そして大学4年次にKGBからのリクルートを受け、プーチンは1975年に同大学を卒業後、KGBへ就職する。KGB職員であるためにはソ連共産党への入党が条件だったため、プーチンは共産党員になった>(以上)

プーチンはガチガチのソ連流共産主義者。まさに「一度アカ、一生アカ」の典型だ。革命を捨てて「確かな野党」で飯を食っているパラサイト日共とは全然違う。

本物の共産主義者、共産党は「世界革命」を目指す。そのためには、まず自国で権力を独占し、一党独裁をさらに強化するために党内の政敵を排除し、強力な個人独裁を確立していく。自由民主国は「多様な価値観を尊重する」が、共産主義国、特にロシアでは独裁者に逆らう者は奴隷か囚人か死体になるのがルールである。独裁者に常に忠誠を誓うのが良き人民で、穏やかに成仏するにはそれ以外の道はない。良い思いをしたければ独裁者に媚びを売る、別荘や豪華船を提供するのが処世訓になっている。共産主義国独裁者は「この世をば我が世とぞ思う・・・」完全なる腐敗! やがてソ連のように自壊する。プーチン・ロシア、習近平・中共も墓穴を掘っているようなものだ。

小生が航空新聞社記者時代の1980年頃、営業部長にAさん(50歳ほど)がいた。石田礼助(禮助、1886/明治19年 - 1978/昭和53年)の秘書を務めていた方だが、当時でも石田は過去の人だったから「石田? Who?」。Aさんは営業が上手くいかないとヤケノヤンパチになって石田礼助がいかに立派だったかをとうとうと営業先の若者に説くのだった。Aさんは若者に「石田礼助のように広い心を持て」と訓示しているつもりだったのだろうが、若者にとっては「変なおっさん」でしかなく、ニヤニヤしていたものだ。

遅ればせながら小生が作家・城山三郎による伝記小説『粗にして野だが卑ではない 石田禮助の生涯』を読んだのは1988年あたりだった。石田は三井物産代表取締役社長、日本国有鉄道総裁を務めた経済人だが、当時の小生は起業して間もないためにバブル景気で忙しく、親方日の丸の国鉄に関心を持つ余裕はなく、どんな内容だったかまったく記憶にない。「なーんだ、ただのビジネス書か」と放り出したのかも知れない。ビジネス書を何十冊読んだところで成功するわけがない、読書は「教養・学問」系に限ると今でも思っている。

で、冒頭の馬渕睦夫氏。教養・学問系の識者のようだから著書の「日本を蝕む新・共産主義」は読むことにしたが、どのような方なのかWIKIで調べたら――
<馬渕睦夫(1946/昭和21年 - )は、日本のノンフィクション作家、元外交官。在イスラエル日本大使館公使、在タイ日本大使館特命全権公使、特命全権大使キューバ国駐箚、駐ウクライナ兼モルドバ大使、防衛大学校教授を歴任。日本文化チャンネル桜コメンテーター。

【経歴】 京都大学法学部3年次在学中に外務公務員採用上級試験に合格し中退、1968年(昭和43年)に外務省入省。研修先であったイギリスのケンブリッジ大学経済学部に入学し、1971/昭和46年に卒業。外務本省では、国際連合局社会協力課長(1984-1986年)、大臣官房文化交流部文化第一課長、東京都外務長(1995-1997年)などを歴任。
在外では、在英国日本国大使館、在インド日本国大使館、在ソビエト連邦日本国大使館、在ニューヨーク日本国総領事館に勤務し、EC代表部参事官(1989-1991年)、在イスラエル日本大使館公使(1991-1995年)、在タイ日本大使館特命全権公使(1997-2000年)を務めた。
2000/平成13年に特命全権大使キューバ国駐箚に就任。2003/平成15年5月には財団法人国際開発高等教育機構専務理事に就任し、2005/平成17年より駐ウクライナ兼モルドバ大使を3年間務め、2008/平成20年11月、外務省退官。同月防衛大学校教授に就任し、2011/平成23年3月、定年退職。

2012/平成24年2月、著書『いま本当に伝えたい感動的な「日本」の力』で作家デビュー。以降、日本文化チャンネル桜などの政治系テレビ番組(主に外交・国際政治関連)にコメンテーター・論客として出演し始める。2014/平成26年4月から2018年3月まで吉備国際大学客員教授就任。2019年12月、南丹市名誉市民。2020年、瑞宝中綬章受章。2022年、京都府南丹市の文化観光大使に任命>(以上)

馬渕氏の最近の著作には「馬渕睦夫が読み解く 2024年世界の真実」(2023/11/26)、「馬渕睦夫が読み解く 2023年 世界の真実 安倍総理が育てた種が芽吹き始める」(2022/12/25)、「ウクライナ紛争 歴史は繰り返す 戦争と革命を仕組んだのは誰だ」(2022/4/29)、「ディープステート 世界を操るのは誰か」(2021/6/20)、「世界最終戦争の正体」(2022/11/5)がある。いずれも勉強になりそうだ。

5月3日には早朝から1F~2Fの階段天井ペンキ塗りの「後片付け」をしたが、4時間もかかってしまった。ずっしりと重いハシゴなどを3Fまで運んだりしたので腰痛がひどくなってフラフラ、体中にバンテリン液αを塗り込み、強烈な腰痛ベルトを締めてベッドに倒れ込んだ。ウトウトしながら思ったのは「こりゃあ“令和の大改修”として記録しておこう」、「自分で自分を誉めてやりたい」と生まれて初めて思った。そう思ったらアラ不思議、根が単細胞だから♪たちまち元気になっちゃって、パイプタバコ、日本酒、アイスクリーム、お菓子を買いに出かけた!! やはりビョーキか?? ビョーキでもいい、 私事であっても自分がそれなりに我が家、カミサンの役に立っている、無為徒食じゃない、というのはなかなか気分が良いものだ。戦老ヂヂイもたまには良いことをする?
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渡部亮次郎 「頂門の一針」ryochan@polka.plala.or.jp
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