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岡本太郎氏が感動した『藤沢野焼祭』

2024年は、8月10日(土)、11日(日)に開催!
私もまだ参加したことはないのですが、この町で一番大きなイベントなので「これは地域おこし協力隊として絶対紹介せねば!」と思いペンを執った、基、キーボードに手を置いた次第です。すでに第1回企画委員会が開催され、観光物産部をはじめとして各部が動き始めています!
今年も町が一丸となって『第47回藤沢野焼祭』を開催しますので、皆さまぜひお越しください!


藤沢野焼祭とは?

「野焼きってあれだよね?野原で草とか焼いてるやつ。そのお祭りってどういうこと?」と思った方も多いでしょう。私も最初は「野焼祭って何をするの?野を焼く祭?…???」と思いました。
町内の人に話を聞いてみると、「小学校のグランドがその日だけ火の海になるんだよ~」とか、「真ん中の炎がすごいんだよ」とか、「空を焼くといわれるお祭りなんて聞いたことないでしょ(笑)」とか、「岡本太郎さんが来たんだよ!」とか、「藤沢の人はみんな1回は焼き物を作ったことがあるんだよ~」とか、「町のいたるところに焼き物が置いてあるから周りを見ながら歩いてみると面白いよ」とか、「なんか焼き物を焼く祭?」のようで、絶対関わるお祭りだから歴史とか知りたいなと思っていたこともあって、野焼祭についてまとめてある書物をいくつか読んでみました。
するとどうやら藤沢野焼祭とは、1976(昭和51)年に考古学者の故・塩野半十郎氏が古代縄文式野焼きを復元した祭りを提唱し、藤沢焼窯元らが中心となって第1回が開催されたお祭りだそうです。祭りが始まった当時の藤沢町は急激に過疎化が進んでいて、「祭りを地域振興のバネにしよう」と住民と行政が手を携え、新しいまちづくりに挑みました。今から48年前に灯されたその「古里再生の炎」が今なお燃やし続けられているのです。

祭の概要

参加者300人程度の地域の祭りとして始まった藤沢野焼祭でしたが、年を重ねるごとに広がりを見せ、第5回から藤沢町全体の祭りとして定着しました。野焼祭には、多くの住民が主体的に関わっています。作品を作る人、窯を造る人、火を熾す人、薪をくべて焼く人、料理でもてなす人、イベントを仕切る人、ステージで演奏する人や踊る人、みんなで踊る藤沢音頭など。主催者と参加者全員でお祭りを作り上げます。これまで祭りに出品された作品は約6万点、作品制作に携わった人は約13万人にも上ります。
祭り会場の藤沢運動広場「特設縄文村」には、縦8m×横4mの窯11基が設営され、出品作品が焼き上げられます。夜通し焼かれた作品は、翌朝窯から取り出され、作品審査会場へ運ばれます。

第15回に岡本太郎氏が来場

1990(平成2)年の第15回藤沢野焼祭には、洋画家の岡本太郎氏、版画家の池田満寿夫氏、陶芸家の辻清明氏ら日本を代表するアーティストを迎え「縄文野焼サミット」開催し、祭りに感動した洋画家の岡本太郎氏からブロンズ像「縄文人」が寄贈されました。寄贈された「縄文人」は、藤沢文化センター(愛称:縄文ホール、住所:岩手県一関市藤沢町藤沢字仁郷12-5)の前庭に設置され、その周りには同氏制作の「座ることを拒否する椅子」も置かれています。また、同ホールロビーには同氏の「光る彫刻」が設置してあり、さらにホールの緞帳には岡本太郎氏が藤沢野焼祭を見て感動して描いた作品「炎」が再現されていてその迫力はぜひたくさんの人に見て感じてもらいたいものです。
もし岡本太郎氏のファンの方が読者の方の中にいらっしゃいましたら、もしくはご家族・ご友人の方でファンの方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度は訪れてほしいおすすめの場所です。縄文人と椅子は外にあるのですが、緞帳やロビーの中を見たいときは、土日祝はイベントをやっているとき、平日は火~金の10:00~16:00頃がおすすめです。

祭と地域の関係

「陶芸の産地」と呼ばれる町には大勢の作家やプロの陶芸家がいて、その人たちの作品が地域のブランドとして定着していますが、藤沢町の場合は陶芸で生計を立てている人はごくわずかで、小さい子どもからお年寄りまで陶芸の体験をしたことがある「町民みんなが陶芸家」の町です。
毎年祭りの季節になると、こども園や保育園の園児、小中学校や高校の児童や生徒は親子や個人、グループで作品を作ります。大人は、個人のほかに自治会や事業所等で共同作品を制作します。
町の中心部にある藤沢商店街には、藤沢野焼祭で焼かれた個性豊かな作品がいたるところに並べられており、視線を上に移すと赤地に白抜きで「炎」と記された鮮やかなフラッグが目に飛び込んできます。
他にも、公共施設や観光施設、自治会館や事業所、バス停、花壇、田んぼや畑の中、民家の入口など、町内を巡るとあちこちに焼き物を見つけることができ、藤沢町は町中が美術館になっています。

当日の流れ

昨年と同様の流れでしたら、祭り初日の13:30頃から作品受付をして、15:00頃作品を窯に入れ、焼く準備が整ったら、18:00頃開会式と火入れの儀を行ないます。そこから22:00の火止めまで、各窯の火の番人が薪をくべ作品を焼き、メインステージでは太鼓演奏やダンス披露などのイベントが行われます。そして2日目の朝7:30に窯出しを行ない、作品審査を経て、11:00頃表彰式が行われます。
祭り当日は、地元業者をはじめとして、近隣市町村から屋台やキッチンカーの出店もあります。藤沢野焼祭グッズも販売予定ですので、お楽しみに☆

最後に

縄文時代そのままの手法で土器を焼き、素朴な土の香りと燃え盛る炎に、私たち現代人が忘れがちな自然への感謝や先人への畏敬を取り戻そうとする「土と炎の祭典」を、1度でも良いのでぜひ見にいらしてください!
2024年は、8月10日(土)、11日(日)です!

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!ではまた!