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博士号の価値:知識の投資と経済的リターン

正直に言うと、私はやりがいと報酬が相関すべきだという考えを持っています。
私が製薬企業の会社員を選んだ理由は、やりがいだけでなく、その対価を受け取ることを重視したからです。
特に医療関係者は人の健康と生命に影響を与えるため、大きな責任と高度な知識や技術が求められる職業であり、それに見合った報酬を受け取るべきだと私は考えていますし、その価値があると思います。しかし現実には、やりがいを感じながらも、過重労働や緊急対応による勤務時間の長さなどのため、それに見合う満足な報酬を得られるとは限りません。

製薬会社は、やりがいと報酬の両立が可能な場所の一つとして考えていました。医療に関するイノベーションや研究開発に携わり、その成果に見合った報酬を得ることができます。また、薬学の知識と博士課程で培った専門知識と経験を活かし、経済的な安定も得られると思います。

Ph.Dを取得し、希望は叶わず非研究職として製薬会社に入社しましたが、費用対効果を考える際、その選択が将来的にどのような影響を与えるかについて私見を述べたいと思います。

まず、Ph.Dを取得には一定の費用と時間がかかります。しかし、製薬会社には博士課程修了者向けの給与体系が存在することがあり、これにより博士課程修了者は他の入社者よりも高い給与を得ることができます。さらに、製薬会社では学位取得者に対する評価が高まる傾向があり、これは博士課程修了者が高度な専門知識や研究能力を持っていると見なされるからです。
実際に私も修士卒に比べても昇給は早いと感じています。

私自身は研究職(創薬研究)を希望していましたが、その夢は叶いませんでした。
それでも非研究職として製薬企業を選んだ理由は、新薬がもたらす可能性に夢を抱いたからです。つまり一人の薬剤師の影響力は、個々の患者に対する直接的なケアとアドバイスを通じて大きいものですが、画期的な新薬の開発は、広範囲にわたる患者に対して非常に大きな恩恵をもたらします。医薬品を通じて医療に貢献することを次の目標に設定しました。

実際、そのやりがいに対しての報酬も満足できるものです。また、福利厚生の面でも恵まれています。ワークライフバランス(フレックス、在宅勤務、有給休暇、育児休業)をはじめ、住宅手当やキャリア開発支援まで多岐にわたり、業界全体で非常に充実していることが多いです。

したがって、Ph.Dを取得後に非研究職として製薬会社に入社した場合でも、仕事にやりがいを感じられるのであれば、将来的なキャリアや給与の面で有利であると考えられます。

6年卒で製薬会社の研究職に入社するのは難しいですが、非研究職(MRを除く)であれば可能性は十分にあります。薬剤師として働くことに経済的な不安を感じている方は、製薬企業にチャレンジしてみるのも一つの手かもしれません。

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