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富美緒の眉毛

食卓用の海苔を二つ、ハの字にくっつけたような富美緒の柄。

うちの猫は狙ったわけではないはずだが、白黒が5匹中4匹という高確率なので見分け辛いと思う。

唯一毛色が違うのは、アメショの血が入っているような茶トラのLunaだけ。


富美緒は、いじらしい性格で放って置けない。

テンとは違うけど少し似ているかな。

とても繊細で臆病な富美緒だが、例えば小さな人間の子供が撫でたい触りたいと思いを伝えれば、頑張って応えてくれる。

身を固くして、耐えるようにじっとしている。
触られて嬉しい、でもちょっと怖い、という感じ。

彼のお母さんには会ったことはないが、その後の施設での拠り所となった猫は知っている。

保護施設でこの臆病な富美緒の唯一の逃げ場となったのは、大きな仏頂面の雄猫だった。

人馴れなど程遠いという感じの生粋の野良猫、幻で刺青が見えそうな勢いだった。施設でもほぼじっと身を隠していたが、幼い子猫には優しいおじさん猫だった。

抱きしめられて
お、お、おう…と身を固くする
富美緒

富美緒は乳飲子である子猫の面倒もよく見てくれた。
たくさん遊んで、しつこいほど毛繕いをしてくれた。

静かな富美緒。

いつもこちらの様子を伺って気遣いの塊のような。

もう1猫、それに輪をかけたような
ゆきという雄猫がうちにはいるのだけれど、そのお話はまた今度。


さあ寝よう。
明日も労働者諸君はがむしゃらに働くのだ。

ただ、この愛おしくも大切な時間を長引かせるために。

明日も晴れるとちょっと嬉しいな。

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