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人生をイロ・オトに読み替えてみると

    イロの散歩道  私のイロは何色かなあ?

自分の人生を「イロ」・「オト」に置き換えて読むとどうなるでしょうか
振り返ると、時と場合と年齢によって、イロが変わっていますね。
私のイロは「グレイ」かな?       いやいや「輝くグリーン」だろう!

シャンソンに「バラ色の人生」という歌がありますが、
いまのあなたをイロで表すとしたら「何色ですか?」 

大学・高校にスクールカラーがあります。
落語家は、独自の「出囃子」という三味線の曲をもって登場しますね。

 イロ・オトで人間をみると楽しいです。
目の前にいるヒトを「なにイロかな?」「どんなオトかな?」なんて見る。
イメージが広がって楽しいですよ。

こうした「発想」は、
芸術・芸能・IT関連が先行しています。
自分のイロを持った芸人が、マスコミで受けていますね。
先日聴いたピアニストも「自分のオト」で演奏しました。

科学でイロ・オトは「飛躍」になりますね。発明・発見につながるし・・・
AIの時代には、より「柔軟さ」が求められますから。
記憶力のうえに「イメージ力」をつけると繋がりますね。

      カーテン・デザインの配色は

毎日、何気なく見ている「カーテンの配色」は、どんな根拠で造られていると思いますか?あなたは、どのょうな基準でカーテンを選んでいますか?
カーテンのデザイン・広告デザイン・ウエディングのデザイン・
ファッションデザイン・建築のデザインなどは、
「類似色」や「対比色」から計算されていますね。

この考え方の発端は、化学者シュヴルール「色彩調和論」です。
「色彩」を化学的に分析し、絵画などを「合理的」に描くのです。
これは、ニュートンのスペクトルで、光が科学的に7色に分割されてから
誕生したもので、
インテリア・ディスプレイの色彩に使われ、
カーテンの図柄などに応用されているのです。
最近では、人工知能(AI)の利用にそって、多様なデザインが見られますね。Chat GPTも多様な模様を提案してくれます。

シュヴルールの「色彩の同時対照の法則」では、2色以上の色を組み合わせて「色彩のバランス」や「美しさ」を作り上げるというのです。
デザインも絵画も「色彩理論にそって、科学的に絵画が描かれる」のです。科学と絵画の関係の大転換です。

<チョット寄り道>
交通信号機もカラー・コーディネートの一つですね。
色彩心理は、交通信号でも使われているからです。
街角のカラー配色で、一番身近なものが「交通信号機」ですね。

CIE(国際照明委員会)によって、信号機は赤・緑・黄・白・青の5色と規定され、交通信号機には赤・黄・緑の3色が割り当てられているからです。

ほぼすべての国で信号機の「止まれ」には<赤>、前に「進んでも良い」には<緑(青)>が使われています。
何気なく見ていますが、学問・研究分野としてワクワクしますね。

      シカゴ美術館での「驚き」

アメリカ:シカゴで、ジョルジュ・スーラの『グランド・ジャケット島の日曜日の午後』を観た時、私は、非常に不思議な感覚にとらわれました。
平凡な公園の風景を描いたものですが、
どことなしに「これまでに親しんできた絵画と違う」のです。

縦2メートル・横3メートルという巨大な絵画だから、少し離れた所から観なければならないのですが、「躍動感がない」のです。
静かで「線が動かない」のですね。色と光と影が見事に配置されているのですが、どことなしに不自然です。
これは「点描画」の作品なのです。

      目の錯覚・誤差を利用する絵画

メーンに使うイロに対して、引き立てるイロを補色する・・・
だから、点描画をよく観ると「強い色の横に、それを引き立てる色」が補色」され、絵画を観た人の「印象を際立たせるように計算」されているのです。

視覚混合の理論に基づいているので、「混色が可能」になるのですが、どうしても「強さや統一感を欠く」のです。
目の感覚・誤差を応用しているからです。

新しい感覚の作品を、フェリックス・フエネオンという評論家は「新印象派」と名付けましたが、これは絵画表現方法の「革命」だったのです。

スーラの他に、シニヤック、ピサロの作品は「点描画」です。
私が尊敬する井倉照久先生も「点描画」です。

点描画は、線ではなく「点の集合」や鮮やかな「細かな筆のタッチ」で、明るく表現するところに特徴があります。粘り強さがなくては描けません。

      私は強烈な個性の「ゴッホの絵」が好きです

ゴッホの絵画からは、色彩だけでなく、オトも伝わってきますね。
ゴッホの鼓動さえ聞こえてきます。
感性を思い切り発散させる「ひまわり」や「糸杉」などは、化学的に分解できるものではありません。人間臭く、矛盾だらけの絵画が持つ魅力というところでしょうか。ゴーギャンの絵画にも、同じ匂いがしますね。

日本人が好きなルノアール、モネのような印象派の画家は「色の配列」を使った絵を描きました。
だから、どうしても光の変化が鮮やかな「屋外」で描くことが多かったです。そこが印象派の限界にもなります。

<チョット寄り道>  絵画の技法
絵画の技法はいろいろあります。
①インパクト(厚塗り)     
②Wet in Wet(日本画のたらし込み)
③グラデーション(ぼかし) 
④Scratching・スクラッチ(ナイフでひっかく) 
⑤テンペラ(卵で顔料を練る) 
⑥Mosaic・モザイク(大理石塊) 
⑦フレスコ画(石灰のモルタル塗り)
⑧ふき取り 
⑨はじき画法  
⑩点描画
   
<チョット寄り道> クレタ島の壁画
私の部屋に、クレタ島で購入してきたフレスコ画のコピーがあります。
壁に貼ってありますが、いつも「この絵を描いた人はどんな人だろう」と思います。ミノア文明は、突如消えてしまったけれど、理由はわかりません。

しかし残念ながら、ギリシャ・ローマ時代の名画はどこにもありません。
残っていないからです。
どんな顔料で、どんな絵画が描かれたのかわからないです。
しかし、海底から発見された彫刻・各地で発掘された彫刻などにより、推測できるところもあります。
その中で、クレタ島で発見されたフレスコ画の発見は素晴らしいのです。
  
 <チョット寄り道>  浮世絵には影がない
ヨーロッパの遠近法では「影を描く」けれど、浮世絵には影がないです。
なぜでしょうか?
いろいろな説がありますが、私は、「木版画だから」と考えています。
西洋の絵画は、歴史的に言って「写実画」が多いけれど、
日本には「デフォルメした絵しかない」という説が多かったのです。が、
オランダのランデン国立民族学博物館で、
シーボルトが持ち出したといわれる「葛飾北斎の風景画」が発見されてからこの説は消えたようです。
いろいろな角度から「各国の美術の歴史」を研究するのもいいです。

         パソコンでカラー印刷する

色の散歩道」は、私のパソコンの印刷機でも確認できます。
カラー印刷は、シアン(C)マゼンダ(M)イエロー(Y)とブラック(K)の4色の配合比率を変化させて、色の効果を引き出します。           

私は比率の計算が出来ませんが、「色の三原色」と「光の3原色」の違いを知って、大変面白いと思いました。
カラー印刷は、「白を基調」にして色を重ねて濃くしていくのだそうです。カラーテレビは、「黒を基調」にして光を重ねていって、少しずつ明るい色を作り出していくので、基本が異なるそうです。

カラー印刷は、C・M・YにK(黒)を加え「色を混ぜて」多様な色を作り出しているのです。
色相(Hue)・彩度(Saturation)・明度(brightness)など色の属性を考慮して「色彩環」を作り、多様な要求にこたえていくのだそうですが、面白いですね。

カラー印刷の発展は、名画の普及・一般化にも役立ち、「絵画の存在の仕方」を変えていきました。偽物も多くなりましたね。
また、インターネットの普及により、色彩の分割・再現化は、世界の一流美術作品を、自宅にいて簡単に鑑賞出来るようになりました。ありがたいことです。
私の掛け軸は、日本画の複製画ばかりです。でも、本物の迫力です。

光では、真空放電・ネオンサインなど面白いですね。これらは「物理光学」の分野だと聞きます。こうした分野を学習するのもいいですね。

<チョット寄り道>  ニュートンの「光の屈折」に対立したゲーテ
文豪のゲーテは、絵画にも大きな影響を残しました。
ニュートンが「光の分散、プリズム実験」によって発見し、スペクトルを通して「光の屈折率」によって7つに分解されることを証明しました。

これに対して、ゲーテは『色彩論』で「私達が認識する“色彩”は、光の行為である」と主張しました。

「光とは何か?」…光は粒子であるという主張と、波長であるという主張が長く争われましたが、アインシュタインの「量子力学」で、結論が出たようです。これについては、別の機会に書こうと思います。

 

 


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