好きな歌詞の主人公 -女性編-

さていきなりだが今回は「この歌詞の主人公が好き!」という曲を女性シンガーに特化して勝手に3曲紹介したいと思う。

貴方の恋人になりたいのです / 阿部真央

この曲の歌詞は、主人公である女の子が好きな男の子に思いきってメールを送りつけたけど返信がない…というところから始まる。

その後は、相手のことを色々知りたいけど勇気がなくて聞けないといった苦悩であったり、ひとり悶々と相手のことを考えたりしている女の子の姿が描かれている。なんとも切なく、かわいらしい内容だ。

特徴的なのは二人称が「貴方」であったり、随所で敬語を使用していたりする、卑屈なほどの低姿勢さ。

自分に自信がなく、ネガティブマインドになってしまう点は性別こそ違えど、私も大いに共感できる。

歌詞の内容から主人公や相手の男の子は学生であると思われるのだが、私も女の子からこんなふうに思われる学生生活を送ってみたかったものである。いや、もしかしたら思われていたかもしれない。せめて妄想くらいはさせてくれ

それでそれで? / 藤岡みなみ

この曲ははっきり言うとマイナーな曲なので知っている人は多くないと思うんだけど、とりあえず一度聴いてみてほしい。めちゃくちゃいいから

歌詞の内容としては、主人公の女の子が仲のいい男友達と深夜に電話で話している様子と、その際の女の子の心情が描かれている。

主人公の女の子が相手の男の子のことを好きであることは間違いないんだけど、彼にはどうやらそういう気はないようで、なんなら彼女の気持ちにすら気づいていない様子。

そんな鈍感な彼から電話で興味のない映画の話をされたり、ほかの女とデートしていい感じになった話など、本当は聞きたくもない話をされながらも「それでそれで?」と聞き役に徹している女の子がなんとも健気で切ないのだ。

「それなら電話しなきゃいいじゃん」って話にも思えるかもしれないが、この子にとってはそれでも彼の声が聴きたくて、つい電話をしてしまうのだろう。

歌詞の途中で「たわいもない会話がしたかった」という表現もあり、恋愛関係になりたいとかイチャイチャしたいとかそういったことではなく、彼女が求めているのはただただ彼と楽しくお話がしたいというだけなのだ。

あまり好きな言い回しではないが、今風に言うとまさにこの曲は「エモい」と言える曲だと思う。

悪女 / 中島みゆき

中島みゆき、往年の名曲「悪女」。

リリースから40年以上経った現在も多くの人たちに愛されている「悪女」だが、この歌詞の主人公もまた非常に健気で切ない。

交際している彼氏がいるものの、彼からの愛はとっくに冷めきっている上に、どうやらほかに女がいる様子。

だからいっそ自分もほかに男を作り、愛想を尽かされて別れられればいいものの、どうしても彼への気持ちが断ち切れずに苦悩する。。

そんな“悪女”になりきれない女性の姿がとても切なく描かれている。

自分にはほかに男なんかいないのに、女友達に電話をかけてわざわざほかの男の影を匂わそうとしたり…
わざと男用のコロンをつけて朝帰りしてみたり…

余談だが、朝帰りに関しては今の時代なら深夜営業のファミレスやらネットカフェやらで時間を潰せるけれど、あの当時朝まで時間を潰すというのは相当大変なことだったはずだ。

歌詞中に「凍えて帰れば」とあるので、もしかしたらこの女性は朝まで外で時間を潰していたのかもしれない。切なすぎる。。

しかし曲調は悲壮感が漂うものではなく、わりと淡々としたものなのだが、だからこそまた逆に涙を誘う一曲にもなっている。

この主人公の女性については「好き」というより「がんばれ」みたいな気持ちの方が近いかもしれない。これほどまでにいじらしく、健気な女性には実に幸せになってほしいものである。

結局…

3曲紹介してみて気付いたが、私は結局のところ健気な人を応援したくなる性格なのだろう。

それは自分自身が不器用で間が悪いタイプだからこそ、似たような人を応援したくなるのかもしれない。

ちなみに今回の内容、過敏な人が読んだら“女性に慎ましさを求める時代錯誤の男”みたいに勘違いされるかもしれないが、実際私は全然そんなことはない。

男女関係なく私は健気な人が好きだし、そういう人にこそ幸せが訪れてほしいと本気で思っている。おぱんちゅうさぎみたいな(知ってますか?)。

なので次は好きな歌詞の主人公 -男性編-も書いてみようと思う。あ?需要がなくても書くよ。





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