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僕の「哲学」〜自己紹介を兼ねて〜

「哲学」という言葉を初めてしっかりと認識したのは、高校1年生の時でした。当時所属していた部活動の先生の話の中であったと記憶しています。
「人格=性格+哲学」。
稲盛和夫さんの著書『生き方』に登場する一説です。その言葉に出会ってから、僕の「哲学」磨きの日々は始まりました。

改めて自己紹介をさせてください。
僕は現在、東京大学の教育学部3年に在学中のいわゆる東大生です。元々は理科一類に所属していましたが、東京大学特有の制度「進振り」において教育学部へ進学することを選びました。
つまり、大学2年生にもなって文転することを選んだのです。その理由は簡単に言えば、「僕は優秀なのだろうか」という問いを抱いたことにあります。


もう少し具体的に話しましょう。
僕は昔から勉強が得意でした。小さい頃から勉強のことで褒められることは多かったです。浪人生活こそ経験したものの、今ではこうして東京大学に通っています。
側から見れば、僕は東大生という肩書きのおかげもあって、「優秀」な人と思われることが多いでしょう。
実際、周りの方々からそう言っていただくことも多いです。正直、僕自身も「僕は優秀なのだろう」と東京大学に合格したばかりの頃はそう思っていました。

しかし、大学生活を始めてみると「僕は優秀ではないのではないか」と考えるようになりました。上には上がいるということを身をもって体感したのです。
考えてみれば当然のことのように思えますが、そう単純な話ではありません。
僕が驚かされたのは、いわゆる勉強とは全く別の軸で、次元で、ベクトルで、彼らなりの凄さを持つ人がたくさんいたことです。勉強ができるかできないか、そんなシンプルな話ではありません。


大学生のうちから起業に挑戦しようと、企業の社長と呼ばれるような人を訪ねては、自分の起業立案をプレゼンしてアドバイスを求めて回る人。
まともに授業にも出ずに、部活動やサークル活動に熱中し、いつ会っても僕なんかより遥かに、顔が充実感で溢れかえっている人。
将来やりたいことに近いという理由で、授業やアルバイトの隙間時間を見つけてはボランティア活動に没頭する人。


途端に僕は「優秀」とは何なのか分からなくなりました。彼らの凄さはひしひしと伝わってくるのに、僕自身が彼らのような凄さを身につけようと思っても、僕に具体的に何が足りていないのか、僕は今何を頑張ったらいいのか分からない。そんな状況に陥りました。
そして、今まで勉強しかまともにやってこなかった自分に自信が持てなくなりました。

ここで、「哲学」の話に戻ります。
ここで言う「哲学」は「これまでの人生で自身が培ってきた価値観や考え方」を意味します。要するに、自分の思考のコンパスです。
いわゆる学問上の哲学とは少しずれるのかもしれません。

人は何かについて思考をめぐらす際、無意識のうちにこの自分の「哲学」を頼ります。そして、その「哲学」をもとに答えを導き出すのです。
僕も自分の「哲学」に頼って、僕の中に生じた「優秀とは何か」という問いに答えを出そうとしました。でも、納得のいく答えは出ませんでした。
そのとき僕は、僕のこれまでの人生で経験してきたことの「薄さ」、それらの経験を通じて考えたことの「浅さ」、社会に対する視野の「狭さ」を思いしらされました。それゆえに僕の「哲学」は弱いのです。
早くなんとかしなくては。そう思わずにはいられませんでした。
そこで教育学部への進学を決意し、そして読書や映画鑑賞など自分の視野を広げてくれそうな活動に力を入れていこうと思い立ちました。


東京大学の教育学部は、教員免許を取得するための勉強をする学部ではありません。もちろん、そういった教職課程も存在します。しかし、基本的には学問としての教育を学ぶ学部です。
僕はこれまでの人生で、学校の先生に言われたこたをまじめに知識として身につけてきました。要するに、今日の日本の学校教育をまじめに受けてきたのです。
その教育が理想的なものであるならば、僕は今頃「優秀」な人間になっているはずです。しかし、そうはなっているという実感はありません。
僕の至らなさを教育のせいにしているわけではありません。
今日の日本の教育の何が足りていないのか。
そういった観点から、「優秀とは何か」という問いについて答えを出す方法もあるのではないかと考えました。


さらに読書によって、自分の視野、知見をもっと広げようと考えました。本を読むと、著者の方の考え方や思考プロセスを感じ取ることができます。
言い換えれば、他人の「哲学」にアクセスできるのです。
今まで自分が見たり触れたりしてきた世界とは、全く異質の世界に出会える可能性も孕んでいます。
それが読書の魅力であり、僕がもっと読書に取り組もうと考えた理由です。


このnoteを書こうと思い立ったのは、僕の人生経験をより豊かにしていこうと考えたからです。言い換えると、より自分の「哲学」を磨いていこうと思ったからです。
このnoteに、本を読んだり、教育学部の授業を受けたり、はたまた映画を見たりして感じ、考えたことを綴っていこうと思います。僕の思考の備忘録にしよう、ということです。

ここに書くことはあくまで僕の、所詮自分に自信を持てなくなった大学生の一見解、一意見です。
そんなにむきにならずに読んでくださると嬉しいです。
時には思い切り的外れなことを書くかもしれません。
時にはあなたの考えと正反対の意見を提示するかもしれません。
そんな時は「そう考える人もいるよな」と軽く流してくれたら嬉しいです。

是非とも優しい目と大らかな心を持って、僕のnoteに接していただけたら幸いです。




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