ため息

今まで、ちょっと悪いことしたいな〜とか、かっこいいな〜とか、せっかく20歳になったんだし〜とか言うぼんやりした理由でタバコを吸っていた訳ですが。
なんだか馬鹿らしくなって、タバコの匂いも嫌な匂いだということに気づいて、タバコのことが嫌いになりました。嫌いどころか、その存在すら忘れるようになりました。

でも、色々重なって、本当にしんどくて、人と話すのが億劫になって、仕事場での雰囲気も悪くするくらいに気分が落ち込んでいた時、ふと思い出しました。そういえば、カバンの奥の方にタバコが入りっぱなしだな、と。休憩を頂いたので、ポケットに1箱入れて、こっそり職場の喫煙所に行ってみました。誰かいたら引き返そう、と思いながらあっさり着いてしまいました。水の入った灰皿には予想以上の吸殻が重なっていましたが、人間は誰もいませんでした。これは、吸うしかないな、と。
1本手に取って、口に軽く咥えます。左手を風よけにしながら右手にライターを持って、カチカチやります。久しぶりなものでライターに火をつけるのにかなり手間取りました。火がついたら鋭く息を吸って、その瞬間脳を直接締められたような、全身の血が物凄い勢いで回るような感覚がしました。あー、ヤニクラ。壁にもたれて煙を肺に入れて、ため息と一緒に煙が出ていく度に嫌な気持ちが消えていきます。「ため息を吐くと幸運が逃げる」なんて迷信も、煙を吐くためという大義名分でかき消されていきます。もう1度大きく吸って、吐いて。汚れているはずの空気がどうしようもなく美味しく感じるのです。タバコが美味しいって、こういうことなのか。
ニコチンで締められた血管に、ぼんやりとした意識の中、何度か呼吸をすると、タバコの熱が口元ギリギリまで迫っています。満足したような、ほんの少し物足りないような。もう一本、と思ったところで人が来ました。お疲れ様です。と笑顔で軽く会釈して休憩終わり。

これは、やめられないな。


こういう文体って、こいつ自分に酔ってるのか?とか思われそうで恥ずかしい。けど書いていて1番楽しい。
後半はかなり喫煙からかなり時間が経ってから書いたので、なんだかよく分からなかった。
どんな感動も、覚えてるうちに書き残さないと忘れてしまうね。後回し良くない。

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