のびやかな1日を

1.前章

 コロナ禍の中、世の中が変わったと思う方が多いだろう。私もそのひとりだ。風の時代に入ったと言われ、1日が風の吹いたように、あっという間に過ぎていく。時代が変わる節目。その真っ最中に生きている。

2、70歳からの就活

 コロナ禍で、仕事をいくら探してもなくて困っている若い人も多いと思う。仕事が見つからない。とてもそれは苦しい。かくいう私もそれを経験した。明日をどうしよう、手当たり次第にハローワークや派遣会社を通じて会社に、連絡をいれたり、動き回る。1ヶ月が過ぎ、焦り出す。仕事が決まらず夜も眠れない。資金が底をつく。胸が苦しくなる。

3.年齢の壁

 70歳の壁、ハローワークから、通知が来る。旗振りなら、パートでありますけど、いかがなさいますか?の問い。まーしょうがないか、いくら、現役時代に、スキルがあっても、年齢の壁は今の世はくずせない。取り敢えず申し込んでおこう。

4.面接

 旗振りの面接、社長より条件を切り出される。うちは県内どこでも行ってもらう。そこまでいく交通費は、一日二百円だ。

 まーしゃーない取り敢えず申し込む

 1週間以内に書類を作成して提出してくださいと10枚くらい書類を揃えて社長がいうので、丁寧に対応し了解した旨をつたえる。

 5.友人の援助

 そんな中、ある友人からこんな仕事があるよと、広告をメールで送ってくれた。

あっ、これなら近いし行ってみる価値あり、介護の仕事だ、早速応募。面接、もうここまでくればシノゴの言っていられない。

6.ケアハウス説明会参加

 会社説明会の当日をむかえる。介護の世界は、女性が多い。面談に集まった女性達は緊張の中にも凛とした人が多い。果たしてこの世界で、自分を受け入れてくれるだろうか、不安がよぎる。

 一通り会社の説明があり、いよいよ面談、Ggさん、名前を呼ばれ面談室へ。介護施設にしては中々作りが良い。全て個室だ。受け付けで提出した書類を見ながら、面談に入る。面接官は、

ほー、習字初段ですか?今までにない切り口だ。

えー、若い頃20年も前に初段をとりまして・・・残念ながら2段は落ちました、正直に答える,

7.結果待ち

 面談を終え、採用不採用の通知は1週間後電話にて連絡しますとの事。うわー旗振りの採用時期ギリギリだなと心でつぶやく。1週間連絡を待ち続ける。1週間後の金曜日、やはりダメか、旗振りにするかと思っていた矢先、電話が鳴り響く、恐る恐る電話をとる。

8.採用

 G gさん一緒にやっていきましょうの声。

カクシテ介護職に一員となった。

 旗振りと、ハローワークには丁重にお断りして、介護の世界に入る。

 人生は、どこでどう繋がっているかわからない。

9.町内会長とケアハウスとの2足のワラジ

 このようにして、現在、町内会長と、介護の仕事の両立をはかっている。冒頭でも述べたように、コロナ禍の中、若い人が、職を探しているニュースをよく聞く。ここで言いたい。絶対に諦めないこと。活路は必ずみつかる。 

10.ケアハウスのお客様との会話

 介護に来られるお客様とよく会話するのは、僕らの若い頃は、モウレツ社員が当たり前、徹夜当たり前だったね。と言うと。お客様は、そうだったわね。と笑う。1日前の事を忘れてしまう方々だが、その時代その時代を必死に生きて来られたあかしがある。今、介護施設に入って思うこと、仕事は、キツくて大変だが、1日をのびやかに過ごすこと。自分の心をどう現実と向き合う事ができるかで、進む方向が、決まるような気がする。

11.のびやかな一日を私の生き方

 のびやかな1日、今の世、難しい命題である。しかし、擦り切れるほどの緊張感の中、求められるのは、心にゆとりを持つという事。心のどこかにジョークを言えるゆとりを持って一日を乗り越えたい。これが、私の生き方となっている。

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