ピクト図解でサステナブル_リディラバジャーナル

ピクト図解でサステナブル(2)“逆フリーミアム”で記事拡散も

ピクト図解を活用して持続可能なビジネスを解説する「ピクト図解でサステナブル」。今回は"逆フリーミアム"モデルで記事拡散を目指す「リディラバ・ジャーナル」です。

社会問題を構造化する「リディラバジャーナル」

リディラバジャーナルは、社会問題の現場を訪れるスタディーツアーを提供する一般社団法人リディラバ(東京都文京区)が運営する社会問題に特化したWebメディアです。

数々の問題を取り上げるだけでなく、問題の背景にまで踏み込んでいるのが特徴。昔の社会問題は良い者、悪者がはっきりしていて構造もシンプルでしたが、現代は個人の価値観も多様化し、問題の発生状況も複雑化しています。そこで、システム的な視点で問題発生の流れを解明し、「問題の全体像、背景、関連性を解きほぐして整理する」という「構造化」を目指しているのがリディラバジャーナルです。

編集長も「『社会問題って難しそうだし、向き合い方がわからない』。そんな人にこそ、『ちょっと頭を使ったゲームを楽しむ』くらいの気軽さで読み始めてほしい」と語っています。

熱心な読者で成り立つ“逆”フリーミアム

このメディアを支えるのが「エヴァンジェリスト(伝道師)」。月額課金制の購読料を支払うことで、エヴァンジェリストの人たちがSNSなどで周囲にシェアした記事は1週間無料で読むことができます。いわば「“逆”フリーミアム」モデル。そのモデルをピクト図解で解説します。

従来型のWebメディアでよく見られるのは、「フリーミアム」モデルです。記事の冒頭リード部分だけ、あるいは、1カ月○本など、基本サービス部分は無料で公開し、それ以上詳しく本格的に記事を読みたい人は、購読料を支払ってもらうことで本格サービスを提供するというもの。一部の有償読者が存在することで、無償読者へのサービスも支えられています。

フリーミアム従来モデル

ただし、このモデルの問題点は、(1)最初に膨大な無償読者が必要(2)無償読者のうち、実際に購読料を支払ってくれる読者の比率(コンバージョンレート)をある程度確保する必要がある――ということ。

これを解決するのが、リディラバジャーナルの「“逆”フリーミアム」モデルです。
メディアのコンセプトや内容に共鳴した読者が「エヴァンジェリスト(伝道師)」として、購読料を支払います。このエヴァンジェリストがSNSなどで知り合いに記事をシェアすると、知り合いは1週間無料で当該記事を読めます。

逆フリーミアムモデル

熱心な読者で記事拡散する仕組み

この"逆"フリーミアムモデルの優れた点は、賛同してくれる人を活用して、記事をどんどん拡散していく仕組みです。時間の流れを追って見てみます。

リディラバジャーナル

リディラバジャーナルでは、2週間単位で特集記事が組まれており、その初回記事だけは無償で読めます。このメディアを気に入った人が購読料を支払うことでエヴァンジェリストとなります。

エヴァンジェリストがSNSなどで知り合いに記事をシェアすると、知り合いも1週間無料で当該記事を読めます。さらに知り合いの中から、新たに購読料を支払うエヴァンジェリストが誕生していくという流れ。


従来メディアにないコンテンツと仕掛け

リディラバジャーナルは、従来メディアが回避するような複雑な問題、見解が分かれるような問題でも、逃げることなく真正面から取り上げています。テーマも切り口が斬新なだけでなく、課金モデルと記事拡散を狙った仕組みも、従来メディアでは考えられなかった新しいタイプのWebメディアです。


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