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もの書きの素質を感じる

子どもの寝かしつけの時間になっても、まだ一文字も書けていない。それどころか、なにを書くかすら決まっていない。憂鬱になる。書くのは好きだけど、切羽詰まって書くのは好きじゃない。

わたしは、思い切って娘に相談した。娘は5歳である。

「今日はなにを書けばいいと思う?」

娘は、うーんと2秒くらい考えてから、

「お花の話は?」

と言って、わたしの目をのぞき込んだ。一昨日買った黄色い花のことを言っているらしい。わたしは、真顔で説明した。

「お花を買ったというだけじゃ話として足りないなあ。ストーリーになっていないと読んでいておもしろくないでしょう?」

すると娘は、チャットGPTみたいに、秒でストーリーを考えてくれた。

わたしは、黄色いお花を買いました。
お店で買って、家に持って帰りました。
花瓶に水を入れて、台所のカウンターとテーブルに飾りました。

ふむ。「ただ買いました」よりは良くなったね。

わたしは欲が出て、チャットGPTに訊くように、「ほかにもアイデアがある?」と聞いたら、続けざまに4つも案が出てきた。我が家の生き字引ならぬ生きチャットGPTが、幼いくせに頼もしすぎる。

そのうちの2番目か3番目かの案が思いのほか良かったので、ここにご紹介したい。ストーリーというよりは、詩に近い。

The Sun is in the sky.
The Sun is shining on me.
The Sun will be there until night.
The Sun will turn into the Moon.
I will sleep in the light of the Moon.
I will dream of being on the Moon.
The Sun will wake me up in the morning.

娘の即興ストーリー

冒頭が始まったときに、なんだかいいものが出てきそうな直感がした。瞬時に録音して正解だった。

わたしは、娘のこの作品を和訳してみた。

空にお日様がいて、
わたしを照らしてくれる。
お日様は夜までそこにいて、
それからお月様に変わる。
わたしはお月様の光の中で眠り、
お月様にいる夢をみる。
そして朝になり、お日様がわたしを目覚めさせる。

ママによる和訳

あまりいじくりまわさずに、5歳児の描いた世界を素直に日本語に置き換えてみたつもり。

わたしが気に入ったのは、お日様がお月様に変わるところ。交代するんじゃなくて、夜の姿になるっていうイメージなのかな。月の光の中で月の夢を見るっていうのも、ロマンチックでいいね。そして、朝になって目覚めて、また新しい一日が始まる。ちゃんと起承転結になっている

ちなみに、娘は4歳のときに自作の絵本を作ったのだけど、そのタイトルが、「Beauty in the Sky」だった。雨とか虹とかが出てくるお話である。

4歳でこの語感。湧き出すアイデアと言葉たち。

娘にはもの書きの素質があるんじゃないかと、わたしは密かに注目している。

…親ばかですかね。親ばかですね。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
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46日目です

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