見出し画像

熱が出たらできなくて困ること

あ、風邪ひいたなと思ったのが3日前。それからあれよあれよと悪化して、この2日間、熱が出たり引いたりを繰り返している

最初からおとなしく寝ていたら良かったものを、寝る間が惜しくて家でいろいろやっていたら、案の定、全然良くならない。今朝も微熱があった。今日こそはしっかり休んで回復する日にしようと決めて、ベッドに横になった。

……のに眠れない。体を休めるだけでも意味はあるだろう、と思いながら、横になったままキンドルをもって読書を始める。そのうち疲れてちょっと目を閉じる。また読む。

そうこうしていると、書斎で仕事をしていた夫が、様子を見にやってきた。

「おー、ベイビー。かわいそうに。」

彼は、こういうときシンパシーが必要だということをよく心得ている。人生経験をきちんと積んでいる。

「もう風邪にはうんざりだよ。」

元気なく沈んだわたしの顔を見て、夫はもう一度「かわいそうに」と言いたげな表情を作ってから、傍にあったリモコンを操作してテレビのスイッチをつけた。

ハニー、こっちに座ってこの動画でも見てみなよ。

身体を動かすのが少し億劫に感じながらも、わたしは促されるがままにごそごそと起き出して、ソファに移動し、テレビの画面を見つめた。

それが、これ。

ブラジリアン柔術の世界で有名なインストラクター兼コーチである、ジョン・ダナハー。彼が、ガードをパスするためのテクニックを丁寧に解説している動画である。BJJ Fanaticsのページから、彼の解説動画を観ることができる。

さすが夫。ちゃんとわかっているね。急に気持ちが切り替わっちゃった。

熱が出たら何がつまらないって、柔術ができないのがつまらない。先週のトレーニングで腰に痛みが出て、数日クラスを休んでいる間に風邪をひき、かれこれ1週間も柔術から遠ざかっている。なんてことだ。

ブラジリアン柔術を習い始めて6か月になる。夫もほぼ同じ頃に始めた。というか、子どもたちも含めて家族全員でやっている

子どもたちとじゃれ合うときは、自然に柔術の攻防になる。特に息子は、隙を狙ってはマウントポジションをとりにくる。だが、よほど甘やかす気分になっていない限り、わたしはさっと攻撃をかわして、やり返す。世の中そんな簡単に思いどおりにはならないのだよ。さすがに関節技や締め技はかけないが、ゆるくかける振りをして、母の強さを誇示している。

それにしても、家族で共通のスポーツをするのはとてもいい。条件がそろうなら、ぜひおススメしたい。どうしてかというと。

まず、家族で共通の話題ができる。我が家では、「こういうときは、こういう技を使ってこう動くといいね」などという話を、夕飯のときにみんなで話したりする。

子どもとの関係では、親子という関係性に加えて、同志という横向きの繋がりができたように感じる。柔術に限らずなんでもそうだが、見て知っていることと、実際にやることは違う。同じ動きでも、それを体得して実戦で使うことの重みが、やったことがあれば体感としてわかる。だから、練習を見学するだけで、わたしには息子や娘の頑張りがこと細かく理解できるし、逆に子どもらにとっても、親の柔術の動きをみることで、その良し悪しがある程度わかるのである。同志としての会話ができるようになる

あとは、ストレートだけど、家族みんなで一緒に楽しめる。いま通っているジムでは、土曜にファミリークラスを開催していて、わたしたちは家族4人で毎週参加している。ペアになって練習したするときには、夫と息子、私と娘でしばらくやった後、私と息子、夫と娘と入れ替えたり。子どもたちも、パパとママと一緒にする練習は、いつもと一味違って楽しそうだ。わたしも楽しい。こういう日常を、後々、家族の思い出として懐かしく思う日がくるんじゃないかな、とふと想像したりする。

はやく風邪を治して、柔術がしたい。


ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
Xもやっています。繋がってくださると嬉しいです。https://twitter.com/Matsumura_us

22日目です。やっと3分の1か。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?