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同居の手順、相性


同居をさせる際の注意点

ジャービルは同じコロニー内の個体には友好的ですが、初めて顔を合わせる個体に対しては縄張りへの侵入者とみなし攻撃的になります。
1匹で飼育していた個体の同居相手として、または繁殖相手として新たな個体を迎え入れる場合、初対面の個体同士をいきなり同じケージに入れてしまうと激しい噛みつき合いになってしまいます。

また、もともと複数で飼育していた個体群を治療など何らかの理由で引き離した場合、24時間以上の経過またはたった数時間でも仲間とは認識しなくなる場合があります。
過去に同居経験のある個体同士であっても一度離れてしまえば、たとえ血が繋がっていようと単なる別個体として認識されます。
闘争を防ぐために正しい手順を踏む必要があります。

年齢と性別における相性

年齢

生後10週未満の若い個体同士であれば縄張り意識がまだ強くなく、同居はとても簡単です。
また成体と若齢の個体の組み合わせもうまくいくことが多いです。大人は若齢個体を脅威とみなさず、また若齢個体は大人を親のように慕うため受け入れられやすいです。

性別

・オス+オス
オス同士の同居は比較的簡単で、仕切り越しに1週間ほど接していればすんなり同居開始できる場合が多いです。また、同居後も大きな喧嘩には発展しにくいです。
・メス+メス
大人のメス同士を新たに引き合わせることはやや難易度が高く、お互いを受け入れるまでに時間がかかることもあります。同居開始に成功した後も順位争いなどで喧嘩が起こる可能性があるので、継続して注意が必要です。
・オス+メス
通常オスがメスを攻撃することはなく、特に攻撃的なメスでなければうまくいくことが多いです。ただ、他のオスとすでに繁殖経験のあるメスは新たなオスを受け入れるまで時間がかかったり、どうしても同居が不可能な場合があります。
繁殖が目的でない場合は異性での同居はさせないようにします。

既存の群れに1頭を加える場合

すでに複数の個体が存在するコロニーに新たな1匹を加えると、侵入者とみなされ集中攻撃を受ける可能性が高いです。
若齢個体であれば成功することもありますが、より慎重に観察する必要があります。

同居までの手順

①仕切り付きケージの準備

同居は中央を金網で仕切ったケージを使用します。金網越しにジャービルはにおいや音声で相手を確認します。大きな水槽や衣装ケースをバーベキュー網などで仕切って使用すると良いでしょう。
吸水ボトル、食器と食事、回し車などはそれぞれのスペース内に同等に用意します。運動不足や食料不足などストレスのある環境下では相手を受け入れる余裕がなく攻撃的になりますので注意します。

同居を開始したばかりの時は警戒しスタンピング(足を踏み鳴らすこと)をしたり、金網越しに相手に噛みつこうとすることがあります。お互いが好戦的な場合は金網を二重にして鼻先が触れ合わないようにします。

②経過観察

この分割ケージ内では1~2週間程過ごしてもらいます。この期間中は過剰な掃除は控え、排泄物で汚れている床材を部分的に交換する程度とします。
お互いのにおいに慣れてもらうため、それぞれのスペース内の床材をお互いの床材と少量ずつ毎日入れ替えます。
関係が良好であれば金網越しににおいを嗅ぎ合うようになったり、近くで寄り添うように寝る光景が見られるようになります。

③仕切りを外す

1~2週間後に金網越しでの関係が良好なようであれば、仕切りを外して会わせてみます。
初めはお互いにおいを嗅ぎ合いますが、すぐにいつも通り各々の行動を開始すれば成功です。ただし、数日間は喧嘩が起こる可能性が高いのでよく観察してください。

においを嗅ぎ続けにらみ合っている、ひげを震わせて緊張している、立ち上がってボクシングのような行動をとっている場合は激しい喧嘩に発展する可能性があります。また、お互い噛みつき合っている場合はすぐに引き離します。
この時素手で触ると興奮したジャービルに本気で噛まれる恐れがあり大変危険ですので、丈夫な皮手袋をはめるか、板などを使用して引き離してください。

関係が良好でなく引き離した場合は、再度同じように分割ケージで1~2週間様子を見ます。

うまくいかない場合

大人のメスに多い傾向が見られますが、中にはどうしても相手を受け入れることのできない個体もいます。その場合は無理をせず、1匹ずつ飼育することも検討してください。

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