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カラージャービルとは?


カラージャービル=スナネズミ

カラージャービルとは、和名でスナネズミ(学名:Meriones unguiculatus)という種のペットとしての流通名です。
英名ではモンゴリアンジャービル(Mongolian gerbil)といいます。
野生種にはない、様々な毛色が発現するよう品種改良が行われています。

○○ジャービルと名の付く動物種はペット種の中にも他にいますが、単にジャービルといった場合はこの種を指します。

野生下の原種のスナネズミとペットとして流通している個体群は遺伝子的にいえば既に差異があるとする説もあります。
スナネズミは研究目的として何度も野生個体群が捕獲され、その都度その子孫たちは研究用またはペットとして流通していますが、その過程で近縁種や地理的亜種が交雑した可能性があると今日ではいわれています。
ちなみに、野生下でも生息域が重なった近縁種との交雑は時たまあることのようです。

野生下のスナネズミ

シベリア、モンゴル、中国北東部の乾燥した砂地や草原、低木地に生息し、 地面に巣穴を掘って生活しています。
雑食性で植物の葉や根、種子、昆虫などを食べます。一夫一婦制で、基本的にオスとメス1組のペアとその子供達でコロニーを形成し、高度な社会性をもっています。群れの中で最も強いオスと最も強いメスのみが繁殖を行います。
薄明薄暮性であり、明け方と夕暮れの時間帯に特に活発になります。 地上が過ごしやすい気温であれば日中でも夜間でも活動します。 活動に適した温度は20-26℃程度とされ、冬眠の習性はありません。

野生から研究用、その後ペットに

スナネズミが人々に知られるようになったのは1866年、中国北部からパリの自然史博物館に標本が送られました。 科学者のMilne-Edwardsによって、1867年にMeriones unguiculatus と学名が付けられました。
生きたスナネズミが初めて生息地から持ち出されたのは1914年、中国で捕らえられた個体がパリへ送られました。
1935年、日本の研究チームによりモンゴルで20組のペアが捕らえられ、日本の研究所内での飼育、繁殖が行われます。
その後1954年、日本からアメリカ、ニューヨークへ11組のペアが研究用として導入されます。この11組の子孫たちは様々な研究のモデルとして世界中に普及しました。

アメリカのファームで繁殖が行われるうちペットとしての資質が高く評価され、1964年ペット業界へ初めて導入されました。日本へも研究用の動物として、ペットとして再導入され普及することとなります。国内ではそれまでも元々の研究所由来の個体がペットとして飼われることはあったようです。  

ペットとしてのスナネズミ

扱いやすさから研究用として普及したスナネズミですが、その性質は愛玩動物としても非常に優秀でした。社会性を持っているスナネズミは人間に対してもとても友好的であり、攻撃性はほとんどありません。
排泄物の量やにおいも少なく、世界中で人気のペットとなりました。

日本でのスナネズミ

かつて日本にシベリアンハスキーブームを引き起こした大ヒット漫画、「動物のお医者さん」(1987年から1993年にかけて、白泉社『花とゆめ』にて連載)にスナネズミは登場し知名度が上がりました。
しかし小型ペットの入門種としてはハムスターがすでに圧倒的に普及しており、スナネズミはやや珍しいペットとしての扱いでした。 (日本人は丸く幼いぬいぐるみのような可愛さをペットに求める傾向にあり、手足の長いスナネズミの外見はあまり好まれなかったようです。)

近年では国内でも愛好家が増え、様々なカラーバリエーションのスナネズミが入手できるようになりました。流通が増え徐々に知名度は上がってきていますが、飼育方法に関してはハムスターと混同されたり、ネット上でもいまだに古い情報が多く、ペットとしての適切な飼育情報は海外ほど普及していません。

海外でのスナネズミ

海外でも「Gerbil」といえばこの種を指し、アメリカやヨーロッパでは、スナネズミはハムスターと並ぶ入門種のペットとして飼育が盛んです。
特に子供が世話をする際は、ハムスターよりも気質が温厚で噛む心配の少ないスナネズミが選ばれる傾向にあるようです。
各国には熱心な専門のブリーダーがたくさんおり、スナネズミの品質や気質を競うショーが開催されています。日本よりも毛質や毛色の遺伝子が非常に豊富です。   

     


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