岩田健太郎 K Iwata

最新刊は「手軽で便利な文献整理 ZOTEROのすすめ」。米国感染症専門医、米国内科専門…

岩田健太郎 K Iwata

最新刊は「手軽で便利な文献整理 ZOTEROのすすめ」。米国感染症専門医、米国内科専門医、漢方専門医など。渡航医学や感染防御も。神大感染症内科。コメントは個人の見解。

最近の記事

作家との遭遇

沢木耕太郎は冒険者なだけでなく、研究熱心でもあるし読書家でもある。特に向田邦子と塩野七生の文章がよかった。いずれも80年代の文章だ。その塩野が書くチェーザレ・ボルジア、そしてレオナルド・ダ・ヴィンチについての文章。 「二人には、その精神の根底において共通したものがあった。自負心である。彼らは、自己の感覚に合わないものは、そして自己が必要としないものは絶対に受け入れない。この自己を絶対視する精神は、完全な自由に通ずる。宗教からも、倫理道徳からも、彼らは自由である。ただ、究極的

    • 勇気論

      現在、「ハードボイルド科学論」をまとめているところですが、「孤立を恐れない」勇気論、ということで先を越されてしまいました。しかも、引き出しが多いこと多いこと、カミュ、レヴィナス、マックス・ウェーバー、ジャレド・ダイアモンド、数々の映画と出るわ出るわ。脱帽でございます。

      • 世界史の中のパレスチナ問題

        むっちゃ勉強になる。が、コンテンツ多すぎて、初読で咀嚼、消化できない。再読必至。全体像がよく分かる本。特にプロテスタントがユダヤシンパになる流れとかはとても勉強になった。

        • 陸奥爆沈

          結構、読みづらいので読了に時間かかった。昔のカタカナまじりの日本語が苦手(笑)。 それにしても、陸奥だけでなく三笠も沈没していて、しかも「あれ」が原因(らしい)というのは驚愕だった。「昔の日本人」が案外、しっかりしていないという一例かな。

        作家との遭遇

          アムロ・レイと出雲大社と松江城

          何を隠そう(隠してないが)、ぼくは学生時代、出雲大社の警備員のバイトをしていたのだよ。こんな場面には遭遇しなかったが(笑)。

          アムロ・レイと出雲大社と松江城

          まんが 赤塚不二夫伝

          本屋で偶然発見本。めっちゃ面白かった。石森章太郎と仲良かったんですね。

          まんが 赤塚不二夫伝

          すし本

          本屋で偶然発見、めっちゃ面白かった。それぞれのネタと魚の写真、そして食べ方。脂がつよい魚のなかには、ご飯に醤油をつけたほうがよいものがあるとか、知らなかった。すずきは薄口醤油のほうがあうとか。 何度も繰り返して読み直したい本。久しぶりに自分でも握りたくなりました。

          創作者の体感世界

          発達障害「当事者」が、自閉スペクトラム症の徴候を各人に見出し、論ずるという極めてアクロバティックな本。筆者は文学研究者で精神科医でもない。 その妥当性を論ずる力は僕にはないが、テーマとしては興味深いと思う。南方熊楠、与謝野晶子、宮沢賢治、小津安二郎、大江健三郎といったクラシックな面々から、庵野秀明、新海誠、米津玄師まで。文学や音楽好きな人には楽しい読書になること必定。

          創作者の体感世界

          白昼の悪魔

          噂に違わぬ傑作。アガサ・クリスティーが、後年のエピゴーネンの追随を許さない根拠がここにある。

          糖尿病・内分泌疾患の常識&非常識

          献本御礼。 本書は超おすすめ。プライマリ・ケア医は絶対読んだ方が良い。こういうテキストこそが大事なんです。 ぼくは大学病院のセッティングではインスリンは自分では出しませんが、必要な人は多いでしょうね。TIRとか全然知りませんでした。マルチモビディティに言及があるのも素晴らしいし、骨粗鬆症の治療終了の目安もしっかりしていていいですね。プロフェッショナリズムとプラグマティズムが見事に融合した名著です。

          糖尿病・内分泌疾患の常識&非常識

          研修医のための魔法のロジカル診断学

          献本御礼。魔法というからどんなものかと思っていたが、内容は実にオーソドックスで、実は驚きはない。だからこそ研修医にはよいテキストだと思う。「サクサク読める」という帯文もそのとおり。

          研修医のための魔法のロジカル診断学

          臨床のための解剖学 第3版

          献本御礼。ムーアの解剖学。MRIや内視鏡など、臨床とうまくリンクした非常に役に立つ解剖学のテキスト。解剖学はマジ大事なので、医者になってからも学び続けたいものです。

          臨床のための解剖学 第3版

          ICU/CCUの急性血液浄化療法の考え方、使い方Ver.2

          献本御礼。明らかに豚に真珠なのだが、勉強の機会を頂いたので、自分のプラクティスに関連しているところを中心に読ませていただきました。本書を論ずる力は僕にはないので、とにかく勉強になりました。

          ICU/CCUの急性血液浄化療法の考え方、使い方Ver.2

          とびだせ!!飯塚漢方カンファレンス

          献本御礼。表紙や構成は斬新だが、中身は非常にオーソドックスな日本漢方のテキスト。読みやすくてオーソドックス、大事ですね。 最近、あまり使ってない処方もチラホラあり、勉強になりました。

          とびだせ!!飯塚漢方カンファレンス

          美味しんぼの食卓

          古い本を漁って読むのが大好き。当時の時代背景も透けて見える。普通の漫画原作者が自分の素朴な感性を武器に書いた漫画、「美味しんぼ」。。。いつしかグルメの「基準」にまで祭り上げられ、さぞしんどいことだっただろう。。。ということが分かる80年代のエッセイ。

          美味しんぼの食卓

          危機の宰相

          読むのは2度目。が、全く記憶がない。ドッグイヤーがいくつもついているので、ちゃんと読んだはずなのだが。 おそらく、ぼくは「政局」が嫌いなので、人治主義的な政治の話に嫌悪感があって、そこがちゃんと読めなかったのだと思う。今読み直すと本当に面白い本だ。 本書の白眉は池田ではなく、下村治にある。孤高にして高潔。ビジョンを持つ稀有な官僚だ。かれが高度成長を「予測」(希望ではなく!!)したのが、後に「ゼロ成長」を「予測」(希望ではなく!!)したのと全く矛盾はない。多くの人は、予測と