好きを語ろう:タイチ選手編①

初○○、ファースト○○。様々なジャンル、出来事において初めてというものはすべからく特別な存在である。音楽が好きなら初めて買ったCD。本が好きなら初めて買った本。これらはいくつになっても忘れる事はないと思う。

プロレスにハマった俺にとって、初めて好きになったタイチ選手もまた例外ではなく、彼が引退をしたとしても、俺が死ぬまでプロレスを見続けたとしても特別な存在で有り続けるのは間違いない。(引退なぞ想像したくもないが)

話はそれるが俺はV系が好きだ。新規開拓こそしなくなったものの今でも聴いている。新日本プロレスのHPで選手一覧を見て、タイチ選手がまず目についたのも趣味が起因している可能性が高い。

ベネチアンマスクに染められた髪。コスチュームもどことなくV系を彷彿させる。もしタイチ選手を知らない人に写真を見せて「これ、今ハマってるバンドのボーカル」と言っても通じるのではないだろうか。

とにもかくにもタイチ選手の存在を知った後、Youtubeで「新日本プロレス タイチ」と検索した。ちょうどその頃、新日本プロレスはBOSJとWTLの真っ最中であり、30回目のG1-CLIMAXを終えて間もない時期でもあった為、トップに表示されたのがこの動画だった。

この動画が俺のプロレス歴の原点である。プロレスのルールさえ満足に分からないほど無知だった俺だったが素直に思った。「兎に角凄い」と。躍動する肉体、軋むリング、歓声、雄叫び。何がどう凄いとかではなく、理屈抜きでかっこよかった。特に動画ラストのブラックメフィスト。3カウントの大合唱、勝利を受けての笑み。タイチ選手を大好きになるのに時間はかからなかった。

この後、先達の方からワールドの存在を教えて貰う。この時点でプロレスのルールも新日本にどんなタイトルがあるのか、どういった特色を持つのかさえも曖昧な状態だったが登録。タイチ選手の試合の試合をひたすら見た。

うん、見れば見るほどカッコいい。勝ち負けに関係なく俺の琴線に触れてくる。プロレスは沼と言われ、俺自身今それを実感している立場であるが、まさしくタイチ選手は沼だった。

プロレスを見るきっかけとなった人に気になっている選手はタイチ選手と話した時「タイチはヘビーに転向してから化けた」とその人は言っていたのを今でも覚えている。この意見は随所で見かけるし、実際過去の試合、経歴を漁って俺自身そう感じた。

鈴木みのる選手や棚橋弘至選手のキャッチフレーズをもじり「世界一性格の小ズルイ男」「1年に100人の逸材」と称されており、コメントなどからもキャッチフレーズとの違わなさが溢れていた。(一応補足、この時代も時代で俺は好き)

しかし、ご存じの通り今や聖帝と称され、その名に恥じぬ活躍ぶりを見せてくれている。

ラフファイトも行いつつ、思わず拳を握りしめてしまうような真っ向勝負もお手の物。かと思えばコミカルな一面を見せ、趣味である相撲を盛り込んだりと非常に幅が広い顔をリングでは見せてくれる。

デンジャラスバックドロップ、ブラックメフィスト、横綱式カチ上げエルボーといずれも説得力と迫力を兼ねそろえた様々な技を使うが、俺が特に好きなのは天翔十字鳳を始めとした蹴り技の数々。

正直技術的なことは俺は分かりません。特撮の戦闘シーンを見るような感覚で試合を見ている節さえありますがそれ故か強烈に刺さる。「とんでもねえ蹴りだ」と感じさせる迫力があり、ぞくぞくと来るカッコよさがあります。個人的な意見ですが、タイチ選手の蹴りは新日本トップクラスではないかと思っています。

また喉輪→レフェリーから注意→一旦離して「チョークってのはこうやるんだよ!」でまた締めるという一連の流れも悪さがあって好きだったり。この辺は5カウント以内なら反則も可というプロレスルールならでは。

兎にも角にもタイチ選手は本当にカッコよく魅せてくれる。試合までの経緯とか対戦相手が誰とか関係なく、いついかなる時でも勝利を願ってやまない30過ぎて出来たヒーローがタイチ選手。負ける姿もカッコいいんですけどね。

っと長くなったので一回締め。好きを語ろう:タイチ選手編②に続きます。

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