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沖縄地下格闘技の旅。失った思い出とアゴの骨。①

さかのぼること2013年夏頃。当時高校3年生の僕は、人生で初めての沖縄に来ていました。

高校3年生。最後の学校祭を1ヶ月前に控えた夏。

沖縄で、僕はアゴの骨を失いました。

沖縄行きの切符を渡されたJR苗穂駅前。

沖縄に行く2週間ほど前に、当時お世話になっていた地下格闘技チームの代表から話をいただき、急遽沖縄に行くことが決まりました。「1.2試合すればお金も貰えるし、交通費支給とか条件もよいし、やってみる?」と話を進めていただきました。沖縄には行ったことがなかったため、「是非行きたいです!」ということになり、沖縄行きが決まりました。

その試合の条件というのが、けっこうな額のファイトマネーと、飛行機代、リゾートホテルの宿泊代、その他移動費等支給、というものでした。どこからそんなお金が出てたのかはわかりませんが、条件としてはかなり良いものでした。

当時高校に通っていたため、部活動?課外活動?のようなかたちで休む許可を担任の先生から頂きました。

そうして、ワクワクしつつ気合を入れて、飛行機に乗り込みました。

そのイベントは「北海道や東北の人たちが沖縄に乗り込んで戦うぞ!卍」みたいなコンセプトがあったため、東北チームの方々と合流して向かいました。

沖縄上陸。

北の涼しい夏とは一転、灼熱の沖縄に上陸。空港からそのままホテルに向かいました。宿泊先は北谷(チャタン)にあるリゾートホテルで、目の前に海が広がっている最高なロケーションでした。

2人1部屋ということで、当日初めてお会いした全身刺青の怖いかたと2人部屋になりました。高校生の僕はとても怖いなあと思っていましたが、偶然にも親友のお母さんの若かりし頃の弟分だったみたいで、その事実が発覚してからとても優しくしてくれました。笑

そうしてリゾート気分を味わいながら、試合前日を過ごしました。

「明日の試合が終わったら、バナナボートで遊ぼう!」

同部屋の刺青アニキと、そう約束をしました。

いざ決戦の刻。

会場に到着。

「会場でか!!!」

想像の10倍は大きい施設でした。地下格闘技のイベントとは思えない規模感です。闇の力がはたらいていたかどうかは、僕にはわかりません。

会場には長州小力さんや電撃ネットワークさん、記憶が正しければ竹内力さんがゲストでいらっしゃっていました。控室では、不良達に囲まれた長州小力さんが、世界一控えめな「キレてないっすよ」を披露していました。


いよいよ試合の時間になりました。

1試合目は東京のチームである野蛮一族の人と、2試合目は沖縄の人と試合が決まりました。

1試合目開始。

裏拳か何かで効かせた後に打撃でKOしました。

「俺、もしかして強いのかも、、」

世間知らずの極みだった自分は、勘違いをしてしまっていました。


そのまま勢いに乗って迎えた2試合目。

相手は開始早々ノーガードで煽ってきました。

それを見て頭に血が昇った自分は、応じてノーガードで殴りかかりました。

「パコーン!」

殴られた後にタックルに行き、自分が殴りに行こうとしたところで、レフリーストップが入りました。

「TKO勝ちか?早くないか?」

一瞬そう思ったことを覚えています。

レフリー「もうできない!終わり!」

レフリーは僕の方を向いてそう言っていました。

まだできます!と言おうと思ってレフリーに伝えました。

「&,@;&;-,+$,•|•| !!」


「あれ、、喋れない、、」



自分の胸元は血まみれになっていました。


そのとき僕は、アゴの骨を失っていました。

(続く)




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