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初めてのタイ旅行。気づいたらムエタイの試合をしていた話。

カナダに行った約半年後、僕はタイにいました。

そして、気付いたときにはタイ人と戦ってました。

名目上の「修行」、のつもりだった。

大学3年生(21歳)の4月。当時練習でお世話になっていたウィラサクレック札幌ジムの会長の木戸さんに、タイに旅しに行かないかとお誘いいただきました。試合が終わったタイミングということもあったので、是非ご同行させてくださいとお願いをして、タイ行きが決まりました。タイ人トレーナーのパッカシーも一緒に行くとのことで、彼の実家に行ったりしようという話をしていました。その中で、現地でムエタイ観戦したり、練習したりできたらなあと思っていました。


現地はお正月でお祭り気分

ということでタイに上陸。幸運なことにそのときのタイはお正月期間である「ソンクラーン」という期間で、街中がお祭りムードでした。ソンクラーン期間は「水かけ祭り」といって、街中の人が誰かれ構わずバケツなりなんなりで水をぶっかけあっていました。どうやら神聖なものらしく、どんなドブ水をかけられても、かけてきた相手に対してありがとうと言わなければいけませんでした。

もちろん自分も参加。知らない人たちとたくさん踊って、追いかけ合って、水をぶっかけ合いました。気付いたら、なぜかマツコデラックスサイズのオネエにキスされてました。それにありがとうは言えませんでした。

その後も美味しいものをたくさん食べ、楽しいことをたくさんしました。こんな時間がずっと続けばいいのに、そう思ってました。

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体重計のないキャッチウェイト。強いムエタイ戦士と間違えられる。

そうした時間を過ごす中で、パッカシーの実家近くの田舎でお祭りが開催されていたので、みんなで顔を出しました。そこで楽しんでいると、屈強な男たちが集まってきました。

タイでは、お正月にファイターたちが首都圏から田舎に帰って、実家近くの祭りでムエタイの試合に出る、みたいな習慣があるみたいで、その祭りも例外ではなかった、という状況です。

出ようか。というノリになりました。心はどっぷりとお祭り気分だったので、戦わないで観戦してたいなあと思っていました。

気付いたら、僕は計量をしてました。

計量といっても、偉そうなちょび髭のおじさんが、上裸になった自分を見て「このくらいの体だと、こいつかなあ?」といった感じで対戦相手を選ぶ方式でした。

タイ人、というかムエタイの試合すら未経験だったので、「弱い人来ないかなあ」と念じていました。しかし意外なことに、逆に自分が断られまくってしまい相手が決まりませんでした。自分は柔道を少しやっていたので、耳が沸いていました。それを見た現地のファイターたちが「こいつめっちゃ首相撲強いやん絶対、、」みたいな勘違いをしてしまっていました。(断った1人は、その後自分以外の相手との試合で無双してました。危なかったー。笑)

そんな中、1人の男が名乗り出ます。

そうして、対戦相手が決まりました。

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俺「この感じ、昔めっちゃ強かったやつやん・・・」

推定体重80キロ。ぽっちゃりとした体だけど、軽く動いていた感じえげつないローを蹴りそうな雰囲気がありました。あと、漫画『空手小公子 小日向海流』に出てくる強いタイ人は、こんな顔をしていました。俺、こいつとやるのか・・・

相手がワイクルーをしている。それをコーナーから見守るだけの日本人。

夜に試合が決まったので、一旦腹ごしらえをして、現地のジムで軽く体を動かしてから祭りの会場に向かいました。

そうして、20時頃に大会が始まりました。

現地民はどっち勝つか予想をしてギャンブルをして盛り上がっていました。

いよいよ、自分の試合の順番が来ました。

リングインすると、ぴーひゃらぴーひゃらと音楽が流れ始めました。ムエタイでは試合の前に「ワイクルー」という師匠や母国に捧げる舞いを両選手が躍ります。相手選手は、巨漢とは思えない軽やかな舞いを披露していました。自分も何か躍らなきゃ、そう思い、リングロープをコーナーからコーナーまで触りながら歩き、また触りながら歩いて帰ってきました。結果、何も思いつかなかったので、一旦コーナーから相手のことを睨んで待ちました。

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↑ロープを触って歩いているだけの日本人

試合が始まりました。外での試合ということもあり、数千匹におよぶ羽根つき虫がいました。それらを踏みつぶしながら戦いました。結果、相手が見かけだおしで弱かったため、KOで勝つことができました。賭け的に相手のほうが人気だったらしく、自分に賭けた現地のおっちゃんたちにとても喜ばれました。

試合映像

当時Twitterに試合映像をアップしていたので、貼っておきます。

最後に

そうして約一週間のタイ旅行を終えました。この旅行をきっかけにタイが大好きになって、その数か月後にお金を貯めてまたタイに行きました。貧乏大学生だったので、安く楽しみました。コスパの良い場所とかは、また別の記事で紹介できたらなと思います。(海沿いの高層階タワーホテルに1泊1800円で泊まりました笑)



↑2度目のタイ旅行では、ランバーさんのジムで練習させていただきました


今回の記事では、自分の中でもわりと平和な旅について書いてみました。次の記事では、自分の中で1番ハードだったともいえる旅について書いていこうと思います。


次は、「沖縄地下格闘技ファイトの旅。失った思い出とアゴの骨」について書きます。


今回も読んでいただきありがとうございました!

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