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高校地下格闘技編② 目の前に現れた3人の刺客たち。


(前編はこちら)


地下格デビューを終え、その後は札幌や沖縄で試合に出場していました。

当時の練習拠点だった区民体育館には、いろんな方々が練習をしに来ていました。カポエラー使い、ボクサー、謎の拳法の使い手、などなど。

そこでの練習では、たまにチームの先輩が地元の喧嘩自慢を連れてきてその人と戦う、みたいなことをやっていました。

今回は、その練習の中でも、記憶に残っている3人の刺客(狂人)たちとの戦いについて書いていこうと思います。

刺客①:100キロ級のウクライナ人との戦い

先述の通り、体育館には様々なメンバーが練習に来ていました。

その中には、ロシアで怖い仕事をされていたAさんというロシア国籍の人が、よくいらっしゃっていました。

その人はロシアでテコンドーとボクシングを練習していたらしく、かなり実力がありよくボコボコにされていました。

そんなAさんがある日、

「ジョージ コレ スパーリング ヤル!」

と言って、ウクライナ人を連れてきました。

見た感じ身長180センチ越え、体重100キロくらいの体格でした。さすがに最初は「いや、やりません」という感じだったのですが、Aさんが

「カクトウギヤッテナイ グローブツケル ダイジョブ!」

と言って、半強制的に戦うことになりました。ああ俺は今日殺されるんだなと思ってました。

さすがに体格差があるので、僕は12オンス、彼は16オンスのグローブをつけて、打撃のガチスパーをすることになりました。

いざ実戦。


始まって、最初ガード越しにパンチを受けたときに、明らかなパワーの差を感じました。 

「このままだったら殴り続けられて死ぬ」と思った僕は、距離をとって、足につけているレガースをかがんで直しました。相手はブレイクと思い、気を抜いていました。そこしかチャンスはないと思い、それをエサにして騙し討ちパンチをフルスイングでしたところ、相手に顔にクリーンヒットしました。そのままラッシュをし、ロシア人Aさんにストップをかけられて、それでスパーリングは終わりました。

そうして、騙し討ちによってなんとか1人目の刺客を撃退しました。

しかし、その後さらなるツワモノが現れました。

刺客②:謎の拳法使いとの戦い

その人は40代くらいで、背中に「黒龍」という刺繍の入った黒い胴着を身にまとい、彼を崇拝する弟子たちを、中国4千年の歴史によって練り上げられた護身術のような技たちで倒していました。(以下より「師匠」と記載します。)

僕が畳の部屋で練習しているときに、師匠からスパーリングの申し出をされました。しかしその拳法のルールもわからなかったし、そもそもいろんな意味で関わってはいけないオーラがあったので、正直渋っていました。

すると師匠は、

「あなたのルールに従います。何でもありでやりましょう。」

と言ってきたので、渋々戦うことになりました。

いざ実戦。

僕はすかさず師匠の胴着の襟を掴み、大外刈りで投げました。すると師匠は床に頭を打ち、意識を失っていました。僕は中国4千年の歴史を変えてしまいました。


刺客③:自称キックボクシングチャンピオンとの戦い

その歴史的勝負から数週間後、師匠が外部から刺客を連れてきました。

師匠は、彼のことをこう紹介しました。

「彼はキックボクシングの元チャンピオンで、K-1でも通用する実力者です。」

さすがに終わったと思いました。僕は当時少し打撃をかじったことがあるくらいだったので、「そんなチャンピオンクラスとやるなんてありえない。そもそもどんだけ根に持ってんだよ!」と思ってましたが、防具をつけていざ実戦。なぜか先方の依頼でフルコンタクトルールでした。(なんで?)

結果、互角の戦いをして終わりました。チャンピオンというのが嘘だということがわかりました。

よくよく考えれば、当時僕の周りでは「日本で何番目に強い奴」とか「アームレスリングの日本チャンピオン」という自称ツワモノたちがたくさんいました。最初はそれらを信じていたのですが、ある日、

「彼はUFCに1番近い存在だから。」と言われてた北海道の選手が、ネオブラ1回戦でボコボコにされてから、「日本で1番の〇〇」みたいな言葉を信じられなくなりました。。



そうして、楽しい高校生活は終わりを告げます。

その後は一年格闘技を休んで浪人をし、大学に入学をしてからまた練習を再開しました。

その頃、ぼんやりと「プロになりたいな」とは思っていて、チームの代表に相談したところ、「Kickboxing academy sapporo」をご紹介していただくことになりました。

当時、周りから「プロの試合に出せるよ!」と言われていたこともあり、正直少し天狗になっていました。


そうして大学二年生の春頃に、当ジムに入門。

入門したその日に、一瞬にして天狗の鼻(とその他体の一部)を折られ、地獄の日々の始まりになるとは、その時思ってもいませんでした。

次回、「プロ志望編。格闘技が大嫌いだった頃の話」について書きます!


今回も読んでいただき、ありがとうございました!

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