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茨城県・大洗旅行1日目「さくらい食堂」「大洗磯前神社」「さわや」「潮騒の湯」

茨城県の大洗に行ってきた。

大洗と言えば「ガルパン」と呼ばれるアニメの聖地になったことで有名で、私もご多分にもれず、1ヶ月前にアニメを見て大ハマりしてしまって、大洗に行くことになってしまった。

そして東京から電車を乗り継ぎ常磐線に乗り換え。

乗り換え駅の南千住のローソンのテラス席で呑気にコーヒーを飲み、駅に行くも、ホームを間違えていたみたいで、気付いた時には土浦行きの常磐線は出発してしまった。

このせいで大洗への到着が40分ほど遅れてしまった。東京の電車は難しい。

なんとか水戸まで出ると「大洗鹿島線」という1両編成の電車に乗って大洗に向かった。

窓から外を眺めると永遠と続く田んぼに白鳥がいた。

水戸は白鳥や黒鳥が日常的にいて私を感動させた。

思い返せば高校生の時に、今で言うマッチングアプリのようなものを使って水戸の女の子と知り合って電車を乗り継ぎ行ったのが、私が初めて水戸訪問だった。

その時に公園を散歩したのだが、東京と違って手の届く範囲に白鳥や黒鳥が闊歩しており驚いた。

特に黒鳥には「白鳥と対になるような黒い鳥が存在したのか」と驚かされたものだ。

話が逸れてしまったが、そんなことを考えていると大洗の駅に着いた。

「ガルパン」の聖地となった街ということで少し都会を想像していたのだが、実際は想像以上に田舎だった。

特に数日前には奥飛騨旅行で栄えた高山市外を見ていたからこそ、この大洗が田舎に感じたのかもしれない。

何はともあれ到着も遅れてしまったので最初の目的である「さくらい食堂」に歩いて行った。

この食堂ではアニメでも登場した戦車を模した「かつ丼」が食べられるのだった。

店に入ると空席はたくさんあったが「少しお待ちいただくことになる。たくさんオーダーを受けるとわからなくなるから」とのことだった。

東京だったら不満も出そうな話だが、なんだかマイペースで良いことのように思えた。

都会とは時間の過ぎるスピードが違うのだ。郷に入れば郷に従えではないが、余所者の自分は街のペースに合わせれば良いのではないかと思った。

結局、注文までに20分ほど、そこから更にカツ丼が出てくるまでに20分ほど待ったが、提供されたカツ丼は絶品で待ち時間のことなど、どうでもよくなってしまった。

卵がかかっており、とんかつはふにゃふにゃで見た目よりも軽い食感だった。ご飯もタレが染み込んでおり美味しかった。

ただ食べ終わる頃には二郎系ラーメン1杯を食べ切ったかのような重さを感じた。

胃袋の中にカツ丼が丸ごと入っているような感覚になった。

記念品としてアニメのポストカードを受け取ると店を出た。

本来はここから喫茶店に行ってスイーツを食べる予定だったが、とてもそんな腹持ちではなくなってしまったので、予定を変更して「大洗磯前神社」に行くことにした。

バスを乗り継ぎ海岸に辿り着いた。大洗磯前神社は鳥居が海沿いにあることで有名な神社だ。

鳥居に近づくにつれて人が多くなった。観光客が珍しい鳥居を写真に納めていた。

肝心の神社の本殿は長い階段の先にあって、次のバスまで時間もあったので上って参拝してきた。

本殿の前の鳥居でも沢山の人が良好なシャッターチャンスを狙っていた。

この人たちは何のために旅行にきているのだろうと思ったが、そんな自分もカメラを構えているのだから同じ穴のムジナだ。

そして写真はSNSで消費されていくのだろうが、これも現代の新しい旅行の形なのかもしれない。

素晴らしい景観だったが30分も滞在するとやることがなくなってしまったので、あとはフラフラしながら1時間に1本のバスを待った。

バスに乗って街の中心地の方に向かうと今日泊まる宿にチェックインすることにした。

普段は1人旅行の際は漫画喫茶に泊まっている私だが、大洗に漫画喫茶がないこともあり、この日は素泊まりの宿をとっていた。

「さわや」は素泊まり4300円という格安料金の宿だ。チェックインすると女将さんが中を案内してくれた。

4300円で部屋が提供されるのだから素晴らしいのだが、古い造りでドアを開けるだけでもギシギシと音がして、歩けば床がミシミシと鳴り、部屋の中にいても誰かの気配を感じる場所だった。

またトイレも男女共用で清潔感はあったものの、小便器と個室が同じ室内にあるので女性の方は嫌がるのではないかと思った。

更には浴衣もなければ、バスタオルのレンタルも+100円とのことなので、旅館と言うよりは友達に部屋を貸してもらっているような感覚だった。

女将さんには後から日帰り温泉に行くのでバスタオルを借りますと伝えたのだが、いざ出かける時になると受付から女将さんが消えていた。

運よく5分ほど待つと女将さんが帰ってきて「バスタオル、そこに置いておいたけどわかった?」とのことだ。

いやいや、置いておくなんて聞いてないし、探してもいなかったのだが、この大らかさもなんだか面白く思えた。

バスタオルを借りて宿を出ると徒歩20分ぐらいのところにある日帰り温泉「潮騒の湯」に行った。

旅館にも風呂はあったのだが、小さくて必要最低限の設備しかなかったので日帰り温泉に行くと決めていたのだ。

この日帰り温泉施設自体がアニメの聖地になっていて、限定のタオルも買うことができるので、ここには必ず寄りたいと思っていた。

入浴スペースは内湯は狭かったが、通常のものと炭酸泉の合計2種類、更にはサウナ室と水風呂も完備されていた。

そして露天風呂は壮観。何せ海を眺めながら外気浴できるのだ。

どんなに素晴らしいサウナ設備があっても、この外気浴には敵わないだろうと思えるほどの気持ちよさだった。

しかし柵が低くて海で遊んでいる人から私の上半身は見えているのではないかと思えた。

私は男性だが知らない人に乳首を見られるのは嫌だなと思った。

隣にいた大学生と思われる2人組も同じことを感じていたのか「見られ放題だ」「見られちゃうな」と言葉を交わしていた。

だんだんと日が暮れてきて辺りは暗くなり、私の乳首が見られる心配もなくなる頃に風呂を上がった。

窓ガラスから海が見える素晴らしい食堂で食事をしたかったのだが、胃袋には昼に食べたばかりのカツ丼が滞在しており飯を食べるか迷うところだった。

しかし広くて開放的な食堂を見るといてもたってもいられなくなり、とりあえず着席して注文することにした。

注文したのは本日の定食(1200円)で内容はカレイの南蛮漬けとのことだった。

提供された定食はかなり豪華で、南蛮漬けの他にも刺身や、大きな味噌汁もついてきた。

そのどれもが美味しく海の幸を堪能できた。銭湯の食堂でこんなにレベルの高い食事を摂ったのは初めてのことだった。

最初に定食を見た時は食べ切れるか心配だったが、いざ食べ始めてみると完食することができた。

これだけ美味しい食事なのだから食べられてよかったと心から思えた。

ただ、その時に自動販売機で買ったコカ・コーラのペットボトルを飲み切っていないにもかかわらずテーブルに置いてきてしまった。

食後にお手洗いに行ってる最中に気づき元のテーブルに戻るもなくなっており、スタッフさんに聞いたら回収して捨ててしまったとのことだった。

完全に私に非がある行動ではあったのだが、あとで飲もうと思っていたので残念だった。

どうも電車のホームを間違えたり、買ったコーラをテーブルに忘れてしまったり、些細なミスが続く日だなと思った。

それぞれは大したことではないのだが、こういうことが10回ぐらい続いたらイライラして軽犯罪を犯してしまいそうな気がした。

なんとか自分で自分の機嫌をとって生きていかないとなぁ、と落胆しつつ、真っ暗な道を戻り宿に帰った。

宿に戻ると持参したiPadを取り出した。宿にはwifiすらなかったが事前にダウンロードしておいた映画「Winny」を鑑賞した。

こういう昔ながらの宿にハイテクノロジーを持ち込むのは我ながら風情がないなぁと思うのだが、映画が面白かったおかげでコーラを忘れた不快感を払拭することができた。

その後は布団で寝た。布団は寝心地が良かったが、夜に何度か目が覚めたし、朝もアラームをかけていない5時頃に目が覚めた。

奥飛騨に旅行に行った時も良好な睡眠ではなかったし、自宅で寝ていると途中で起きることなんてほとんどないので、今更ながら私は自宅以外で寝付けないのだなと思った。

どうにも、この神経質さをなくして豪快に旅行を決め込みたいのだが、体力のなさも相まって、上手くいかないことが多いなと感じる今日この頃だった。

つづく

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