ASDの話し方の特徴
今回はASDの話し方の特徴について書きます。私の考えるASDの話し方の特徴は以下の4つです。
①言葉遣いが独特
②話が短かすぎる・長すぎる
③事実・正しさにこだわる
④共通語を使う
では、①から順番に説明していきます。
①言葉遣いが独特
ASDの人は独特の話し方をします。そうなるのは、その場に合わない話し方をしていることが原因だと考えられます。
例えば、ASDの人はカジュアルな場でやたらとフォーマルで堅苦しい表現を使ったり、逆にフォーマルな場面なのに、カジュアルで軽々しい表現を使ってしまうことがあります。どちらかと言えば、前者のパターンの方が多いでしょう。
具体的には、漢語や横文字、専門用語などを日常会話であっても、躊躇なく使用します。その程度は人によりけりで、あからさまに堅苦しい話し方の人もいれば、一見普通だけど、よく聞くと変かもというレベルの人もいます。
私の場合、微妙に書き言葉よりの言い方を好んで使っていました(当時は自分がASDとの自覚なし)。
例えば、日常会話で「別に」を「別段」、「特に」を「とりわけ」と使っていた時期があったと記憶しています。これぐらいなら、特に違和感はないという人もいるでしょう。
しかし、話し言葉での使用率では、やはり、「別に」>>「別段」、「特に」>>「とりわけ」のはずです。
またこのほかにも、多くの堅めの表現が会話に入り込んでいたのだと思います。私の話を聞いていた人は恐らく、言葉遣いに何かしら引っかかりを覚えていたはずです。
さて、もう1つ言葉遣いの特徴について述べるなら、ASDの人は総じて造語力に富んでいる人が多いということです(私自身はそれほどでもないのですが・・)。
それも、独特の言葉遣いの要因になっているのかもしれません。ASDの人は自分の表現が他人に通じるかをほとんど意識することなく、感じたままに言葉を使うだけに、オリジナルな言葉遣いになりやすいのでは、と個人的には思っています。
②話が短すぎる・長すぎる
ASDの人の話は短すぎたり、長すぎたりすることがよくあります。ASDの人は相手の立場を想像するのが難しい・細部にこだわりやすい、などの特性があります。そのため、聞き手に必要な情報量に調整して話すことが苦手です。
相手の立場を想像できなければ、どの情報をどの程度話すかの目途が立ちません。また、細部にこだわると、話は必然的に長くなります。話が本筋からずれたことに気づかず、連想を繋げて夢中に話してしまうことも・・。
これ以外にも、アスペルガーの人は知識のひけらかし癖のあることが多く、相手のことを考えず、自分の知っていることを延々と話していくことがよくあります。
③事実・正しさにこだわる
事実や正しさにこだわるASDの人をよく見かけます。ASDの人には白黒思考の特性があります。そのおかげで、何が事実で何がそうでないのか、何が正しく何が正しくないのか、を截然と分けることが得意です。
このことは、情報・知識を分類・整理する能力の高さを示す一方で、あいまいな考え方を受け入れるのが難しい特性でもあります。
しかし、日常会話では、事実よりも気持ちや感情といったある種あいまいなものを優先することが多々あります。また、日本人は何が正しく何が正しくないかといった議論を日常的にするこををあまり好まない民族です。
それなのに、事実や正しさを基準に、正論を述べてばかりいると、顰蹙を買うことになります。また、正しさ同様、ASDの人はその正直さも問題です。
正直なこと自体は世間でも推奨されていますが、ASDの場合、正直すぎて、心に思ったことを何でも言ってしまう人がいます。
有体ですが、太った人に「太ってますね」というのがその典型例です。他人の外見的特徴について思ったことを述べるのは悪いと分かっているASDでも、全体的に、「なぜ自分は正論を言っているのに(正直な意見を言っているのに)評価されないのか?」と考えがちです。
④共通語を使う
ASDの人は総じて共通語を使う人が多いようです。これは白黒思考により、事実や正しさが優先されて、方言の持つ言葉の微妙なニュアンスを扱いきれないのかもしれません。
文字通りの情報伝達以外の言葉の役割を脳がカバーできず(シングルレイヤー特性)、方言表現の持つ人情や温かみを上手く操れないと言えるかもしれません。
とはいえ、これには当然ひとにより例外がありますし、実際、方言の根強い関西では、関西弁を使うASDの人もいるでしょう。かくいう私も関西弁で話します。ですが全体としては、ASDの人は共通語志向ではないかと思っています。
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