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[Bellator] 神龍誠VS.堀口恭司

超RIZINで開催される、Bellatorの初代フライ級王者を決めるタイトルマッチ。

そのタイトルを日本人のファイター同士で争い合う。

Bellator フライ級タイトルマッチ
神龍誠(16-1)VS.堀口恭司(31-5)

日本のトップファイターとして広く知られる堀口恭司と、日本フライ級の若手トップファイターである神龍誠がぶつかり合う一戦。

互いに何でもできるMMAファイターではあるが、過去の実績を鑑みるとそれぞれの分野で堀口の方が上回っているように感じる。

まず、神龍誠はこれまでのキャリアでフィニッシュ出来たのは4試合。
どれも一本での勝利になっている。

他の勝利は全て判定となっており、12の判定勝利を収めている。

これに対して堀口恭司は、神龍誠が積み重ねた4つの一本・12の判定という数字に加えて、15のKO/TKOを獲得している。

フライ級という階級で力強さを比べたら圧倒的に堀口恭司に分があるだろう。

一本・判定で勝利を挙げられる技術力に加えて、フライという階級でKO/TKOの山を築ける規格外のパワーも併せ持っているのが堀口恭司である。

バンタム級で世界と戦えた男が適正階級で試合を行えば、その強さはさらに強調される。

前戦の扇久保博正戦で見せたように鉄壁の技術に身を包みながら、規格外の破壊力で攻撃を仕掛けてくる堀口恭司は正に戦闘機のようだった。

狙うは3つ目のベルト

そんなビッグネームを神龍誠は相手取る。

先ほど神龍誠はキャリアの中でフィニッシュ出来たのは4つだけとお伝えしたが、その4つは全て2020年以降に挙げたものになっている。

神龍誠は2016から2019のDEEPフライ級暫定王者決定戦まで、勝利は全て判定のみとなっていたが、2020年から行った6試合の中で4つのフィニッシュを挙げ、急激に決定力が向上した様子を見せているのだ。

その中にはCFFCのフライ級タイトルマッチも含まれており、連勝・決定力・海外タイトルといった多くの要素を獲得しながら成長を続けてきていることが分かる。

そして今回神龍はDEEP・CFFCに続く、3つ目のタイトルとなるBellatorのベルトを狙う。

ただ今回戦う堀口恭司は過去に戦ったどの選手よりも強力なファイターであり、正真正銘世界レベルの実力を持っている。

恐らく初めて感じるであろう世界トップレベルのファイターの実力に付いていくことができるのだろうか。

スタミナと打たれ弱さを突く

神龍誠は堀口恭司に対してアグレッシブに前に出ることで、圧力を受ける状況を作りスタミナを削っていくことを狙いながら、打たれ強さという点で脆くなってきている点を指摘し、打ち合いでも上手を取っていけるという自信を覗かせている。

ただ正直、スタミナという部分ではどちらかが一方的に削られるような展開にはならないのではないかと感じている。

神龍誠の圧力に対して堀口恭司が組みに行った場合は、そこで四つ組やグラウンド攻防・スクランブルの取り合いといった展開が行われるだろう。

そして互いに技術がある分それぞれの展開でやり合うことになってしまうため、スタンドでもグラウンドでも常に互いに消耗することになる流れとなっていくのではないだろうか。

ただ、打たれ弱くなっているという部分は正にそうだろうと感じている。

体の耐久力というよりも意識が飛びやすくなってしまっているという意味で堀口は“打たれ弱く”なっているように思えるので、一発顎にヒットしてしまうと朝倉海やセルジオ・ペティス戦の時のようにあっさりとマットに沈んでしまう可能性はある。

けれどやはりキャリアも含めてMMAの総合スキルという意味では圧倒的に堀口恭司の方が上だと思われる。

ただそれ故にこれまでに負ってきた傷の深さは神龍誠よりも深刻だと思うので、そこがどう影響してくるかで勝負の明暗に変化が生じてくることもあるかもしれない。

Bellator初代フライ級王者

果たしてBellatorに新設されたフライ級のベルトを最初に巻くのはどちらか。

ここ最近の堀口恭司は危うさを感じることがしばしばあるけれど、想定される酷い負け方は一通り経験してしまったと思うので、個人的に今度の神龍誠戦では扇久保戦と同様に、これぞ堀口恭司と思われるような試合を見せてくれるのではないかと思っている。

ただ神龍誠は勢いと若さ、そして結果を以って自信を漲らせている連勝中のファイターなので、前評判をひっくり返すだけの気持ち的なパワーは持っているだろうと思う。

そして恐らく神龍はどんな展開になろうとも怯むことなく最後まで堀口の首を狙い続けるだろう。

その一撃が一つでも喉元に届いてしまえば、神龍は試合を自分のものにしてベルト獲得することが出来るはずだ。

堀口恭司はウィークポイントに寄せ付けることなく勝ち切ることが出来るか。
神龍誠は攻め続けて堀口恭司という大きな山を攻略することが出来るか。

現代の日本MMAのパイオニアとも言える堀口恭司と、DEEP・CFFCの二冠王者である神龍誠の決戦は間違いなくハードな一戦となることだろう。

場合によっては早期の決着も十分にあり得ると思われるので、1Rから目が離せない必見の試合となるに違いない。

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